2020年– date –
-
大相撲
■九月9日目 同一視できない2敗組
2敗が9人という見出しが踊った。8日目 までのトップの成績である。一見にぎやか だが、まだ勝ち越したわけではない。また、 幕内中位・下位からあげた星は上位の星とは 明らかに異なる。同一視するわけにはいか ない。9日目はサバイバル戦がおこなわれ... -
大相撲
■九月8日目 上位3人2敗並走
8日目の結びの一番は貴景勝対栃ノ心である。 かつて、関脇貴景勝は大関昇進をかけて、 大関栃ノ心はカド番の場所7勝7敗で対戦 したことがある。このときは貴景勝が勝って 大関を決めた。2019年三月場所のことであっ た。栃ノ心は今年にはいって幕内中位... -
大相撲
■九月7日目 思わぬ力を発揮し、勢いにのる照ノ富士
上位1敗組2敗組に変化があった。まず、 2敗御嶽海が玉鷲の突き押しに、なにもでき ずにあっさり土俵を割ってしまった。こんな 相撲をとっているようでは優勝できない。 御嶽海の限界をみる思いがした。1敗正代は 小結隠岐の海と対戦した。正代左が入っ... -
大相撲
■九月6日目 上位1敗組2敗組の寸評
6日目も上位は安泰だった。上位の1敗貴景 勝・正代、2敗御嶽海・照ノ富士はどういう 相撲だったのか。寸評をまじえ記してみたい。 まず御嶽海。対戦相手は小結遠藤。御嶽海 ぶちかましてすぐにはたき込み。御嶽海は 2回優勝しながら大関に直結できなか... -
大相撲
■九月5日目 上位4強そろい勝ち
上位4強が強さを発揮し、それぞれ危なげ ない相撲内容で勝利した。まず、昨日1敗 した正代は突き押しのパワー相撲の北勝富士 と対戦した。立ち合いあたりあって、正代 まったく下がらず、逆に北勝富士を圧倒して 正面に押し出した。正代の強さは本物であ... -
大相撲
■九月4日目気迫と闘志は光彩を発揮する
作家尾崎士郎の相撲に関する言葉がある。 「栃錦の土俵ほど、実力と運命との調和を 示したものはあるまい。気迫と闘志は人間の 裏づけによって光彩を発揮する。これなき ものは、第一流の力士たるべき資格に値せざ るものである」このあともあるが、今回言... -
大相撲
■九月3日目 正代、強さと意欲の相撲
強さうまさを制す。正代対遠藤の対戦は正代 が出足で前に出る力が遠藤を圧倒した。遠藤 は土俵際でもろ差しとなったが、正代は最後 両手で胸を押した。詰めも万全だった。正代 はまた一段と力をつけてきた。正代が力を つけはじめたのは実は今年からである... -
大相撲
■九月2日目 朝乃山の迷走
ここ2場所、貴景勝の押しに陰りがみえて きた。押ししかない力士が押しの威力が失わ れては相撲に精彩がなくなる。貴景勝には ある懸念があった。それは大関大受である。 大受も押し相撲であった。大関直前の大受の 押しは、手がつけられないほどの押し相... -
大相撲
■九月初日 注目の二番を分析
場所が始まった。13時開場で七月場所初日は 1時間前から列ができ、南門を曲がるほどの 長さに達していた。今回はどうか。11時47分 ごろ両国駅に着いた。まだ誰も並んでいなか った。売れ行きは前回以上である。なにしろ 国技館の1階マス席、ボックス席は... -
大相撲
2020年九月場所の視点
白鵬、鶴竜の両横綱は初日から休場である。 年齢的にも35歳で多くを望めない。出場して も、どこかで休場してしまうのではという 思いがついてまわる。柏戸の晩年は、力が 衰えても新しい横綱ができないから無理に 土俵に上がっていた。そのため、9勝6敗... -
大相撲
暗転の九月場所
場所直前になってとんでもないニュースが 飛び込んできた。玉ノ井(元栃東 子)部屋 の所属力士19人が新型コロナウイルスに集団 感染したことが判明した。今は緊急事態宣言 が解かれ、自主規制で注意している時期とは いえ、人数も多く、ショッキングな出... -
大相撲
朝乃山優勝の可能性を探る
七月場所、朝乃山は12勝3敗、次点で終わっ た。横綱・大関でただ一人皆勤した。番付の 地位は皆勤した力士ではトップだったが、 及ばなかった。優勝できなかった原因ははっ きりしている。照ノ富士との1敗同士の直接 対決に敗れたことにある。優勝するた... -
大相撲
現代相撲部屋継承事情6
引き続き4代続いた部屋を見ていこう。 ・立浪(元旭豊)部屋 緑嶋友之助は春日山(元朝日森)部屋に入門 し、春日山(元当たり矢)部屋のとき立浪 部屋として独立した。横綱双葉山、横綱羽黒 山、大関名寄岩の立浪三羽烏を育て一大勢力 を築いた。立浪(... -
大相撲
九月場所の照ノ富士を予想する
七月場所の照ノ富士は大関転落後序二段まで 番付を下げての幕内復帰をはたした。その 場所で勝ち進み、優勝を争う大関朝乃山に 直接対決で勝ったことが優勝へ弾みをつけた。 九月場所の見所の1つに先場所優勝した照ノ 富士がどこまでやるか、という点があ... -
大相撲
現代相撲部屋継承事情5
・佐渡ヶ嶽(元琴ノ若)部屋 初代琴錦が引退後に二所ノ関(元佐賀ノ花) 部屋から独立した部屋。創設したものの本家 二所ノ関が琴ヶ濱を手放さない。ほかに二所 ノ関の幕内力士は玉ノ海(後の玉乃海)と 大天竜しかいなく、看板力士の琴ヶ濱を失い たくな... -
大相撲
2020年九月場所チケット事情
九月場所のチケットが発売された。七月場所 と異なる点は以下である。( )は七月 場所である。 1.先行予約が初日の12日前(5日前) 2.先行予約はマス席ボックス席のみ(マス 席・イス席、ボックス席は販売なし) 3.一般発売は9日前(2日前) ... -
大相撲
現代相撲部屋継承事情4
3代に渡って引き継がれた部屋にはいる。 ・東関(元高見盛)部屋 ハワイ出身の元高見山が高砂(元横綱朝潮) 部屋から独立した部屋。定年によって部屋は 弟子の元潮丸に引き継がれた。ところが、 元潮丸が病で急死してしまった。後継者が すぐに決まらず... -
大相撲
豊昇龍の出世街道
豊昇龍は朝青龍のおいとして注目されてきた。 朝青龍の長兄の次男にあたる。下地はレス リングである。もともとレスリングの留学生 として来日したが、相撲に魅了された。相撲 でも運動能力を発揮し、高校卒業見込みで 立浪(元旭豊)に入門した。 <序ノ... -
大相撲
現代相撲部屋継承事情3
引き続き2代に渡って引き継がれた部屋を みていこう。 ・高田川(元安芸乃島)部屋 元前の山が高砂(元横綱朝潮) 部屋から独立 した部屋。元前の山が一門の意向に反して 理事に立候補したため、高砂一門を破門と なった。 一方、元安芸乃島は貴乃花親方... -
大相撲
翔猿の出世街道
翔猿は兄英乃海の影響で小学校から相撲道場、 さらに相撲教室へ通う相撲少年であった。 高校は相撲の名門埼玉栄へ進学した。北勝 富士とは同期であった。2年生のときには インターハイで団体優勝している。大学は 日大に進んだ。同期には大奄美がおり、東... -
大相撲
現代相撲部屋継承事情2
引き続き独立して部屋をおこした相撲部屋で まだ継承されたことはなく、一代のままの 部屋をみていこう。 ・西岩(元若の里)部屋 田子ノ浦(元隆の鶴)部屋より独立。浅草に 部屋をかまえたが、これからの部屋である。 ・二所ノ関(元若嶋津)部屋 二子山... -
大相撲
九月場所番付に2つの異変
九月場所の番付が発表された。千秋楽と同じ 8月である。関脇小結は順当である。関脇は 正代・御嶽海と詰まっていた。だが、小結で 11勝をあげた大栄翔が関脇に昇進するのは 当然であった。ここまではいい。 <新関脇大栄翔> 目につくのは照ノ富士の優遇... -
大相撲
現代相撲部屋継承事情1
相撲部屋の盛衰は世の常で、一代で大きく した部屋やかつては名門だったが、閉鎖して 消滅してしまった部屋もある。現代の相撲 部屋は44部屋ある。新興の部屋もあれば伝統 の部屋もある。部屋は何代に渡って継承され てきたのか。あらためて調べてみた。 ... -
大相撲
鶴竜の対戦50回以上
横綱鶴竜はベテランの域に入り、今度の九月 場所で幕内生活14年になる。もっともこの間 2場所中止になっている。それでも鶴竜の 対戦50回以上を超えた力士は3人いる。その うち2人は現役である。 なお、この対戦50回以上は優勝決定戦を含ん でいる。優... -
大相撲
横綱知ってるつもり
横綱の始まり。相撲史家が明らかにしてきた のは、地鎮祭の際の地踏み(四股と同じ動作) が横綱の始まりのきっかけであった。これを 発展させたのが、相撲の家元吉田司家であっ た。この儀式を土俵で行い、上覧相撲の演目 にするアイデァ打ち出したのであ... -
大相撲
看板倒れ
七月場所は横綱鶴竜、大関貴景勝、横綱白鵬 と相次いで休場した。あまり深刻に受け止め られなかった面があるが、看板倒れの場所と なってしまった。 思い起こすのが昭和56年の三月場所である。 この場所は、横綱北の湖・輪島・2代目若乃 花、大関千代の... -
大相撲
四股名あれこれ 東西南北
東西南北のいずれか1字がつく四股名を調べ てみた。読み方は問わず、対象は江戸・東京 の幕内力士とした。 江戸時代において東西南北の字がつく力士は わずかしかいない。西国と東関である。西国 は、さいごくと読む。文化15年春場所幕内 付出しで名がみ... -
大相撲
千秋楽全勝決戦5
白鵬に最も迫った力士、それが日馬富士で ある。日馬富士が横綱白鵬と最初に優勝を 争ったのが2008年十一月場所、まだ安馬と いっていたときである。白鵬は既に8回の 優勝をしていた。安馬は関脇であった。12日 目1敗白鵬と2敗安馬が直接対戦して安馬が... -
大相撲
引退力士あれこれ
三月場所、無観客で開催されたあと、五月 場所中止。七月場所は開催時期を2週間ずら しての東京開催となった。変則的なこの間 随分多くの力士の引退があった。 ・3月 蒼国来が引退した。これは師匠である荒汐 (元大豊)の定年によるものである。蒼国来 ... -
大相撲
千秋楽全勝決戦4
北の湖時代から千代の富士時代へ。昭和56年 十一月場所、千代の富士は横綱初優勝した 場所から時代は千代の富士へと移った。この 千代の富士と短期間ながら対抗した力士が 遅れて来た男隆の里である。隆の里と2代目 若乃花は青森から同じ夜行列車に乗って... -
大相撲
綱の責任
七月場所、鶴竜1敗後休場。白鵬10連勝2連 敗後休場。最近の横綱は負けるさっさと休場 を決め込む。なんとも耐えられない存在の 軽さである。横綱は本来土俵を締めるもので ある。大関・横綱が枕を並べて敗れても最後 に登場した横綱は勝って土俵を締めた... -
大相撲
千秋楽全勝決戦3
柏戸は苦悩していた。大鵬と抱き合わせで 横綱になったものの、横綱昇進時は優勝が なかった。それだけではない。横綱に昇進 しても優勝がなかった。それどころかケガで 休場を余儀なくされ、4場所連続休場となっ て追い詰められていた。大鵬はすでに6連... -
大相撲
七月場所チケット事情詳細
無観客で行われるものと思われていた七月 場所が、急遽初日の6日前に変更された。 1日2500人限定で観客を入れて行われる ことになった。少ない人数とはいえ、本場所 が観戦できる。どのようにすればチケットは 購入できるのか。観戦したいと思う相撲ファ... -
大相撲
千秋楽全勝決戦2
時代を築いた横綱で栃錦・若乃花ほど拮抗 したライバルはいない。その両横綱の対戦が、 頂点に達したのが昭和35年三月場所であった。 東の正横綱栃錦。先場所14勝1敗で10回目の 優勝。その勢いのまま三月場所は初日から 14連勝で千秋楽を迎えた。14勝のな... -
大相撲
横綱の引退年齢番付
七月場所休場した白鵬は35歳に、鶴竜も現時 点では35歳になった。まだ、現役とはいえ、 相当高齢横綱になったことは間違いない。 横綱が実質地位化した常陸山以降の東京横綱 の引退年齢と比較してどれくらいに位置する のか調べてみた。それが以下である。... -
大相撲
千秋楽全勝決戦1
優勝争いの最大のハイライトは全勝同士が 千秋楽に激突することである。これは当然 ながらめったにみられることではない。優勝 制度が正式に協会認定としてスタートした 大正15年以降片手で数えるほどしかない。 それでは明治42年夏場所国技館開設とともに... -
大相撲
朝乃山の相撲内容を採点する2
引き続き後半の相撲内容を採点してみよう。 【9日目 隠岐の海】 朝乃山立った瞬間右四つ。どんどん前に攻め 立て、隠岐の海がまきかえにくるところを 鮮やかな上手投げで決めた。 5点 <隠岐の海戦> 【10日目 御嶽海】 朝乃山、左上手を取りにいくが... -
大相撲
朝乃山の相撲内容を採点する1
七月場所、新大関の朝乃山は12勝3敗と次点 の成績を残した。まずまずの成績だが、2 横綱・1大関が休場したなかなので優勝して 当然という見方がある。そこで七月場所、 朝乃山はどのような相撲をとったのか。一番 一番を検証してみることにした。 採点... -
大相撲
勝ち越して休場した大関3
6人目は栃東である。栃東はカド番が8度 ある。2回関脇に降格して関脇で10勝、11勝 して復帰している。平成19年一月場所が最後 のカド番だが、翌三月場所8勝4敗3休での り切っている。だが五月場所前に引退を表明 した。8勝4敗3休は最後の勝ち越し... -
大相撲
白鵬の優勝と休場を検証
七月場所、白鵬は快調に白星を重ねて初日 から10連勝。相撲内容、安定性から優勝候補 ナンバー1と思われたが、11日目小結大栄翔 の押しに敗退。この時は「ガイにしやがっ て」のような顔だったが、翌12日目、土俵際 まで御嶽海を攻め込みながら突き落とし... -
大相撲
勝ち越して休場した大関2
勝ち越して休場した大関2人目は栃ノ海で ある。昭和38年三月場所8勝2敗5休で大関 5場所目のことだった。栃ノ海の大関在位は 10場所だが、負け越しはない。昭和38年三月 場所は新大関豊山が不調、横綱柏戸、大関 佐田の山も途中休場で大鵬と栃光だけが... -
大相撲
勝ち越して休場した大関1
七月場所、大関貴景勝は休場した。大関在位 6場所で3度目の休場である。ただ、8勝 4敗3休と既に勝ち越して、カド番を脱出 しての休場であった。勝ち越ししながら、 休場した大関は珍しいが、これまでいない わけではない。どんな大関がいるのか、改め... -
大相撲
関脇以下の2回優勝力士2
4人目は魁傑である。初優勝は昭和49年十一 月場所、小結のときであった。2敗の横綱 北の湖が千秋楽輪島に屈して3敗になり、 魁傑と優勝決定戦になった。輪島の敗戦を 引きずり、優勝決定戦への気負いという、 心の整理がつかないまま臨んだ魁傑戦は一方... -
大相撲
関脇以下の2回優勝力士1
七月場所は幕尻の照ノ富士が約5年ぶり2回 目の優勝を成し遂げた。最初の優勝は関脇の ときで両方とも関脇以下での優勝である。 大関のときは優勝同点が2回あるが、惜しく も優勝決定戦で敗退している。照ノ富士の ようにこれまで関脇以下で2回優勝した... -
大相撲
受難の地方本場所
新型コロナウイルスの影響で集団移動ができ ない状況下のため、七月場所は東京で開催 された。七月場所はあくまで七月場所のため、 取組表以外に読物がついていた。また千秋楽 の表彰に従来の名古屋場所でしか行われなか った表彰が名を連ねていた。 愛知... -
大相撲
阿炎、不始末の結果
七月場所中に阿炎が師匠の指示で休場した。 理由は協会が一丸となって不要な外出を自粛 するなか、会食にでかけたからだという。 その後外出がキャバクラだということが判明 した。2回ということだったが、これがかな りの回数であり、虚偽の報告だったと... -
大相撲
2020年!3場所経過した年間最多勝レース
今年、五月場所の中止のため、七月場所で 3場所が終了した。現時点で年間最多勝レー スはどのような展開になっているのか。3 場所までの途中経過をまとめてみた。それが 次の表である。なお、対象は3場所幕内に 在位した力士とさせていただき、単なる数... -
大相撲
照ノ富士の復活街道
2年2場所ぶりの幕内の照ノ富士。その照ノ 富士の優勝は驚きと賞賛と感動をもって受け 取られた。復活劇、約5年ぶりの優勝だが、 照ノ富士は具体的にどのような転落街道と 復活街道を歩んできたのか、改めてふり返っ てみよう。 <内閣総理大臣杯を受け... -
大相撲
2020年七月場所総評
★開催6日前有観客開催になったことに関して 2500人限定で決まった。プロ野球、Jリーグ の有観客開催に影響されてのことと思われる。 ただ、短期間でかなりあわただしかった。 仕組み、内容を理解することから始めなけ ればならなかった。また、発券は観戦... -
大相撲
■七月千秋楽 大波乱!地獄を見てきた照ノ富士が優勝
2敗照ノ富士対3敗御嶽海 3敗同士朝乃山対正代 優勝の行方は千秋楽結び前の一番及び結びの 一番にかかってきた。国技館に入る前、相撲 仲間と談義した。相撲仲間は巴戦になると 予想した。その場合、巴戦では照ノ富士の膝 は持つまい。朝乃山は勢いが失... -
大相撲
■七月14日目 波乱場所は千秋楽を前に大混戦
場所は大詰めだけど、取組は寂しい。上位に 急遽下位からの組み合わせである。 豊山3勝10敗対前8石浦4勝9敗 御嶽海10勝3敗対前16琴恵光9勝4敗 朝乃山11勝2敗対前7照強7勝6敗 朝乃山は白鵬戦、貴景勝戦なくなったとは いえ、なぜ照強なのか説得... -
大相撲
■七月13日目 朝乃山まさかの敗退
白鵬が休場した。これで2横綱1大関が休場 となった。協会を背負う責任ある立場の地位・ 待遇であるにもかかわらず、3人が欠けて しまった。足を運んだお客さんにしてみれば チケット代を割引にしてほしい心境になって も不思議ではない。 かつて柏戸は... -
大相撲
■七月12日目 場所のいい結末は白鵬次第
上手の手から水が漏れる。白鵬は御嶽海に 対し速攻で一気に出た。だが、西土俵で御嶽 海の突き落としを食って、手痛い2敗をきっ した。敗戦の翌日である12日目は気持ちを 切り換えてこそ横綱だが、勝負をあせった ような相撲だった。殊勲賞は大栄翔から御... -
大相撲
■七月11日目1敗照ノ富士対白鵬・朝乃山は実現するか
充実している、安定性抜群、調子は上がって いると言われた白鵬も人の子だった。11日目、 白鵬は6勝4敗の小結大栄翔と対戦した。 相撲は意外な展開となった。大栄翔の真っ向 からの押しに白鵬後退、足をすべららせバラ ンスをくずす。反撃に出るところを... -
大相撲
■七月10日目 朝乃山攻略のポイント
10日目の好取組は7勝2敗の御嶽海対9戦 全勝の朝乃山戦である。対戦成績は、御嶽海 が4勝2敗とリードしている。朝乃山が初優 勝した千秋楽に対戦して勝って、地力の差を みせつけた。また朝乃山が大関を目指した 三月場所も御嶽海が勝っている。しかし... -
大相撲
■七月9日目 朝乃山、取り直しを制して全勝
1敗御嶽海は大変な実力者である。優勝2回、 小結・関脇17場所連続在位記録の持ち主で ある。関脇以下最強といってもいい。その 御嶽海相手に新鋭霧馬山が立ち合い左四つに なって御嶽海に上手を与えない絶好の体勢を つくった。まわしを引きつけ御嶽海を... -
大相撲
■七月8日目 全勝の一角崩れる!御嶽海1敗
この日、横綱・大関の対戦相手は前頭4枚目 以下である。朝乃山対碧山、白鵬対輝は力の 差を見せつける一番となった。貴景勝は西 5枚目北勝富士と対戦した。これは東5枚目 阿炎が休場したことによる繰上げ対戦であっ た。また、その休場理由が尋常でなか... -
大相撲
■七月7日目 ずば抜けている白鵬の充実度、安定性
朝乃山が苦しめられ、貴景勝が不覚を取った のが霧馬山。7日目、白鵬はその霧馬山と 対戦した。相撲は白鵬の速攻の寄りに、 霧馬山は何もできずに土俵を割った。7日目 を終えて全勝は白鵬、朝乃山、御嶽海の3力 士になった。数字的には並んでいるが、相... -
大相撲
■七月6日目 朝乃山の今後
前日、朝乃山相手に善戦した霧馬山が6日目、 大関貴景勝に挑んだ。相撲はこう展開した。 体格で優る貴景勝は押しの一手で攻める。 霧馬山土俵に詰まるもまわりこんで左ざし、 さらに両まわしを取って拝む形で一気に出る と貴景勝はこらえ切れずに土俵を割... -
大相撲
■七月5日目 極端過ぎる取組編成
朝乃山対霧馬山は長い相撲となった。立ち 合い、霧馬山が左へ変わり気味に左上手を 取って食い下がるいい体勢をつくった。朝乃 山は上手が取れない。霧馬山、何度か寄り 立てるが、朝乃山ふみとどまり、かつすくい 投げでしのぐ。霧馬山に攻め手がない。霧... -
大相撲
■七月4日目 貴・朝は未知の領域を目指せ
前日隠岐の海に1敗した貴景勝。連敗は裂け たいところだが、4日目の対戦相手は難敵 遠藤である。貴景勝は押し切れるのか。勝負 のポイントはそこにある。貴景勝あたって 押すが、遠藤後退せず、押し返す。貴景勝 いなすと遠藤泳ぎ、貴景勝そこをついて一... -
大相撲
■七月3日目 晩年白鵬を脅かす存在なし
白鵬3日目の対戦相手は初日鶴竜を倒した 遠藤である。白鵬もかつて遠藤に腰にくい つかれ、切り返しを食って裏返しにされた ことがある。今日の白鵬は左ざしにきた遠藤 を右からおっつけて、そのまま出足よく速攻 で決めた。勢い余って花道までいったのは... -
大相撲
■七月2日目1横綱2大関にかかる場所の興味
鶴竜があっさり休場してしまった。前日の 腰砕け負けと無縁ではなかった。負けた時の 右ひじ靭帯損傷だという。横綱鶴竜の休場は 15度目である。横綱在位は31場所だから半分 近くは休場ということになる。2017年には 5度休場している。休場明け場所の優勝... -
大相撲
■七月初日 気になった鶴竜の負け方
異例のなかで七月場所が始まった。異例の なかに13時開場がある。そのせいか、正門 から南門を曲がって、70メートルほどの列が できていた。このところ曇りと雨を繰り返し ていた天気は初日に限って晴れた。おまけに 今日に限って日差しが強い。並ぶのは危... -
大相撲
2020年7月横綱・大関に挑む12人のサムライ
三月場所の無観客開催以来久々に本場所が 始まる。上位に休場者が出なければ横綱・ 大関との対戦圏内は前頭4枚目までである。 横綱・大関に挑むのは12人。挑戦していた 朝乃山が大関に昇進して、挑戦される立場に 変わった。三月場所に引き続き挑むサムラ... -
大相撲
存在感を示せるか両大関
三月場所は貴景勝の一人大関だったが、朝乃 山が大関に昇進して解消することになった。 大関は降格者が多く、琴奨菊、照ノ富士、 栃ノ心、高安と4人を数える事態である。 それだけではない。大関の優勝は2017年の 稀勢の里以来ないのである。この間19場所... -
大相撲
フル出場できるか両横綱
三月場所、横綱白鵬と横綱鶴竜の優勝争いは 千秋楽12勝2敗の相星決戦となった。白鵬が 勝って44回目の優勝を達成した。白鵬と鶴竜 が優勝を争ったのは2019年七月場所以来で ある。このときは鶴竜が勝って6回目の優勝 を成し遂げている。今度の七月場所、... -
大相撲
高砂の系統12
現役時代、二子山(元大関貴ノ花)部屋に 所属していた元安芸乃島がなにゆえ高田川 (元前の山)の部屋を引き継ぐことになった のか。それは元安芸乃島の千田川と貴乃花 親方との確執にあった。現役時代、貴乃花が 貴花田として入門したとき、安芸乃島はす... -
大相撲
土壇場で決まった有観客
7月13日に臨時理事会がおこなわれた。七月 場所の開催に関して及び中川親方の処分が 話し合われた。観客を入れるかどうか。これ は予想としては微妙だった。プラス要因と してプロ野球、Jリーグが観客を入れ始めて いる。マイナス要因として東京の新型コ... -
大相撲
横綱の対大関戦の成績14
新記録男横綱白鵬は大関戦100番どころか、 はるかにそれを超え214番に達した。(令和 2年三月場所現在、以下同)これまで大鵬の 142番、千代の富士の158番を大幅に更新した。 成績は171勝43敗(優勝決定戦1勝1敗、 不戦2勝1敗を含む)である。大関戦1... -
大相撲
不自然部屋を継承した中川部屋の運命
七月場所を前にして不祥事が明るみになった。 元旭里の中川が弟子に対しパワハラがあった という。稽古場で暴言的指導があったため、 弟子が発言を録音し、協会に提出したという のだからただ事ではない。よほど耐えかねる モノだったことになる。協会は事... -
大相撲
高砂の系統11
高田川(元前の山)は一門の意向を無視して の理事立候補であった。境川理事長の年寄 名跡の改革私案反対の急先鋒としての意志 表明であり、それを問う立候補であった。 高砂一門は従来陣幕(元北の富士)と高砂 (元富士錦)の2名、理事を出していた。 ... -
大相撲
高砂の系統10
5代高砂(元横綱朝潮)の下では3つの分家 独立があった。 昭和49年三月場所で引退した前の山(最高位 大関)が、4月に内弟子8人を連れて高田川 部屋を創設した。小結前乃臻、剣晃、鬼雷砲 などを育て上げた。高田川部屋がニ所ノ関系 の元安芸乃島に引... -
大相撲
横綱の対大関戦の成績13
貴乃花が横綱に昇進したとき、大関は武蔵丸・ 3代目若乃花・貴ノ浪だった。3代目若乃花、 貴ノ浪とは同部屋のため、本割での対戦は なかった。横綱貴乃花は平成7年から10年 までの4年間、もっぱら大関武蔵丸との戦い だった。そうした影響と貴乃花が平... -
大相撲
現代十両事情
現在十両は定員28人である。入門した力士が 最初に目指すクラスであり、幕内を目指す 力士は通過しなければならない関門である。 幕内から落ちてもいきなり無給とならず、 ワンクッションとなるクラスでもある。かつ て十両は7人のサムライによる優勝決定... -
大相撲
高砂の系統9
4代高砂(元前田山)の下で以下が分家して いる。 まず、昭和30年3月、元前頭2枚目朝響の 佐ノ山が分家独立した。朝響は大正11年春 場所入幕し、昭和4年9月場所に引退した 力士である。引退から実に約25年半経って の部屋持ちである。58歳のときのこ... -
大相撲
横綱の対大関戦の成績12
語り継がれる兄弟子千代の富士との激しい ぶつかり稽古が北勝海を横綱に押し上げた。 北勝海は横綱在位29場所、皆勤は21場所で あった。数字的には2代目若乃花の横綱在位 場所数、皆勤場所数より、ともに1場所多い。 だが、大関対戦数は2代目若乃花の23... -
大相撲
炎鵬あの日あの時
99キロという小さな体で重量級の幕内力士を 相手に奮闘する炎鵬。いまや注目と人気は 大変なモノである。誰よりも精一杯の相撲を 取る。それでも勝てないことがある。そんな なかで上位との対戦も経験した。炎鵬の注目 以前の前相撲から新入幕までを写真で... -
大相撲
高砂の系統8
昭和17年1月、前田山が4代高砂となった とき、まだ大関だった。昭和22年秋場所横綱 に昇進したが、成績は不振だった。昭和24年 秋場所、初日勝っただけで、5連敗して途中 休場した。休場した前田山は大阪から帰京 した。 <前田山のブロマイド> ところ... -
大相撲
系統別総あたり制をめぐるif
昭和40年一月場所に部屋別総あたり制が始ま って、約55年が経った。今ではすっかり定着 して当たり前になってきたが、成立時はいろ いろとあった。部屋別総あたり制は、二所ノ 関系の上位進出で取組編成に行き詰まりが 出てきたことから論じられるようにな... -
大相撲
横綱の対大関戦の成績11
26歳で横綱に昇進した千代の富士の力士生命 は予想以上に長かった。36歳直前まで相撲を 取った。横綱在位59場所、皆勤46場所はとも に大鵬をわずかながら超えた。横綱千代の 富士の対大関戦は158番に及び、大鵬の142番 を超えて、この時点でトップに立った... -
大相撲
減少した横綱・大関リーグ戦
今年に入って2場所経過した。一月場所0、 三月場所2といったら何の数字かおわかり だろうか。実はこれ、横綱・大関リーグ戦の 数字なのである。 一月場所、白鵬・鶴竜の両横綱が、序盤戦 から途中休場した。出場したのは大関貴景勝 と豪栄道の2人であ... -
大相撲
高砂の系統7
引き続き3代高砂(元2代朝潮)の下で分家 独立した部屋をみていこう。 昭和4年3月場所で引退した阿久津川(最高 位前頭筆頭)が引退し、佐渡ヶ嶽部屋をおこ した。現役のときから内弟子として育てた 力士に男女ノ川がいたが、なかなか移籍でき なかっ... -
大相撲
現代大相撲事情
大相撲が学生と外国人が占めるようになっ て久しい。豊山(前名内田)が登場したとき は、学生出身は豊國くらいだった。ハワイ 出身の高見山が入幕したのは、昭和43年一月 場所だった。次に入幕した外国出身力士は、 小錦で約6年半後だった。いまや大相撲... -
大相撲
横綱の対大関戦の成績10
32歳、遅咲きの横綱琴櫻は短命であった。 横綱在位8場所、皆勤は6場所であった。 横綱優勝は1回であった。それだけに対大関 戦は少なく、8勝10敗(1不戦敗含む)の 成績であった。最多対戦は大関大麒麟で3勝 3敗(1不戦敗含む)であった。次が大関... -
大相撲
高砂の系統6
3代高砂の後継をめぐり、綾川(前名響矢) を支持した元浪ノ音の振分は出羽海一門へ 移籍した、と前回記述した。振分は昭和に 入って振分部屋をおこした。昭和15年1月 から、養子の玉ノ井(元陸奥錦)に弟子を 譲り、玉ノ井部屋としてスタートすることに... -
大相撲
高砂の系統5
高砂の後継争いは2代朝潮と綾川(前名響矢) の争いとなった。大正3年夏場所の番付では 2代朝潮は関脇で翌場所大関に昇進している。 綾川(前名響矢)は入幕2場所目であった。 なお、綾川は複数いて、江戸時代の綾川は 陣幕によって横綱免許を受けた力... -
大相撲
横綱の対大関戦の成績9
佐田の山は大関時代が長かった。17場所かか って横綱に昇進した。昇進したときは部屋別 総当たり制になっていた。佐田の山で特筆 すべきことは弟弟子であった北の富士が、 元千代の山の九重が出羽海部屋から独立する にあたり、行動をともにしたことで対戦... -
大相撲
20歳以下の新入幕力士13
■若ノ鵬 入門したら、土俵入りから始まると思って いたロシア連邦出身の力士。露鵬の口利きで 元2代目若乃花の間垣部屋に入門。序ノ口 から2年半で入幕した。2007年十一月場所、 19歳のときであった。しかし、力士生命は 短かった。2008年8月、大麻所持... -
大相撲
横綱の対大関戦の成績8
大鵬は21歳で横綱になり、9年4場所横綱を 務めた。そのうち皆勤は44場所であった。 これまでの横綱で対大関戦の最高対戦回数は、 栃錦の45番であった。大鵬は、50番はおろか 100番を超えて142番という途方もない記録を 達成した。成績がまた、すごかった... -
大相撲
高砂の系統4
2代高砂(元高見山宗五郎)の下では多くの 分家が創設されていった。前回に引き続き みていこう。幕内格行司木村一学は明治34年 6代若松を襲名し、部屋を開いた。昔は行司 も年寄になれた。栃木山の前の春日野は木村 宗四郎だし、横綱柏戸の前の鏡山は5... -
大相撲
横綱の対大関戦の成績7
栃錦は少年時代、兄弟子のいいつけで質屋に 行かされた。これを知った師匠の春日野(元 栃木山)は「あんな少年を質屋にいかせる なんてかわいそうに」と思い、親方の付け人 とした。栃木山は生活すべてを相撲に直結 させた方である。「寝るときは海老のよ... -
大相撲
横綱の対大関戦の成績6
鏡里は初優勝後に横綱に昇進した。横綱は チャンピオンではないチャンピオン同様の 成績を何度もあげて初めてなれるものだ。 という横綱格下げ論が起きたときの世論で ある。鏡里の横綱について横綱審議委員は 時期尚早だったが、協会は決定してしまった。... -
大相撲
高砂の系統3
風雲児高砂浦五郎は、明治16年5月ついに 取締の座についた。明治24年永久取締を 宣言すると雷(元初代梅ヶ谷)らの猛反発を 招き、取り消さざるを得なくなった。高砂の 専横はついに力士のクーデターを招き、つい に退任せざるを得なくなった。明治29年1... -
大相撲
20歳以下の新入幕力士12
■朝青龍 平成13年一月場所20歳で新入幕を果した。 明徳義塾高校に留学し、相撲部で活躍した。 高校を中退して若松(元朝潮=前名長岡) 部屋に入門した。序ノ口から9場所で十両 入り。十両2場所で入幕というスピード出世 だった。大関の初陣は22歳直前で... -
大相撲
横綱の対大関戦の成績5
前田山は横綱としては弱いイメージが強い。 横綱時代の大関戦は3勝5敗と負け越して いる。佐賀ノ花に1勝3敗である。昭和22年 秋場所、大関名寄岩戦がなかった。名寄岩が 全敗だったため、組むのをためらったのかも しれない。なお、横綱照國、大関佐賀... -
大相撲
高砂の系統2
巡業はともかく、東京で興行をおこなう組織 が相撲会所と高砂改正組が存在することに なった。今と違い相撲会所に国技館はないし、 放送のバックアップもない時代である。この あたりが昭和の春秋園事件と異なる点である。 東京に2つの相撲組織はまかりな... -
大相撲
高砂の系統1
高砂の系統は正確性から難しいテーマとなる だけにこれまで発表を控えてきた。だが、 いつまでもそれではいけない、と明らかに していくときがきたようである。高砂部屋 から何をイメージするだろうか。突き押しの パワー相撲力士=前田山、朝潮(前名米川... -
大相撲
横綱の対大関戦の成績4
双葉山が横綱として登場した昭和13年春場所 は、系統別総あたりであった。ところが昭和 15年から東西制に逆戻りした。その結果大関 照國戦は一番失われ、1番になった。また、 昭和18年から19年まで対戦側の方屋に大関が いない時期があった。 <双葉山の... -
大相撲
20歳以下の新入幕力士11
■武蔵丸 小錦、曙に続く第3のハワイ勢として、平成 3年十一月場所20歳で入幕した。このとき 小錦は大関、曙は筆頭だった。新入幕、11勝 4敗で敢闘賞を受賞して、上位に進んだ。 ところが、上位で勝ち越していくのだ。上位 の壁などないが如く、小結にな...