七月場所を前にして不祥事が明るみになった。
元旭里の中川が弟子に対しパワハラがあった
という。稽古場で暴言的指導があったため、
弟子が発言を録音し、協会に提出したという
のだからただ事ではない。よほど耐えかねる
モノだったことになる。協会は事情聴取を
既に済ませている。中川親方は協会に退職届
けを提出したが、調査中として受理していな
い。
13日の臨時理事会で処分が決定するが、引退
勧告以上の懲戒処分という見方がある。中川
部屋の消滅、弟子の移籍は避けられない見通
しである。中川部屋はどういう位置づけの
部屋なのか。それが下記である。
立浪三羽烏の一人、元大関名寄岩がおこした
春日山部屋が始まりである。弟子の大昇が
それを引き継いだが定年をむかえ、弟子を
元陸奥嵐の安治川部屋に預けた。その弟子の
なかから春日富士が春日山部屋を再興した。
ところが、春日山が理事になった平成24年
一月場所後からなんとも不自然な部屋となっ
た。
元春日富士は理事に専念するため雷となり、
追手風部屋の元濱錦に部屋を譲った。だが、
実は年寄名跡春日山は譲っていなかったのだ。
元春日富士はどういうつもりで部屋を譲った
のか。表向き元濱錦は春日山親方であった。
平成24年9月、雷(元春日富士)は協会女性
と不倫し、その経費を協会に提出したという
週刊誌の報道を受け辞任した。45歳だった。
年寄名跡をめぐり、元春日富士と元濱錦の間
で裁判沙汰になった。平成28年8月元濱錦に
1億7160万円を支払う判決がでた。元濱錦は
控訴した。平成28年10月、結局元濱錦は春日
山の年寄名跡証書を協会に示せず、辞任と
なった。このとき、元濱錦こそ師匠として
適任と訴える弟子12人が辞めた。その後この
件とは別に2人辞めている。平成29年2月、
元春日富士、元濱錦はともに請求を棄却し、
和解が成立した。なお、元春日富士は直後の
3月初め急逝している。
元春日山部屋の残った9力士は追手風部屋
預かりとなった。師匠代行という形で追手風
部屋の中川親方が指導していた。正式に中川
部屋となったのは平成29年1月26日であった。
それから約3年半、中川部屋の消滅は避け
られない情勢となった。弟子の中には元春日
富士-元濱錦-元旭里と今回で4度師匠交代
を味わう力士が出るかもしれない。また、
心折れ辞める力士が出てきそうである。
これまで相撲界に不祥事が起こるたびに兄弟
子は模範となれ、師匠は最高の模範となれ
といってきた。ここに至っては、師匠は資格
審査が必要ではと思えてならない。
メディアによっては中川親方が弟子を暴行と報道。
興味深いテーマをこれからもお届けします。
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