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四股名あれこれ ~の・ノ・乃海4
◆昭和戦後 2代目玉乃海 最高位関脇荒法師と呼ばれ、金色のまわしで戦後最初の九州本場所で優勝した。ただし、横綱・大関戦は皆無であった。栃錦をよく負かし、11勝16敗の対戦成績だった。片男波部屋をおこし、横綱玉の海を育てた。 玉乃海には空白の約9... -
新横綱休場のその後
3場所33勝で横綱に昇進した豊昇龍のデビュー戦は無残な結果に終わった。5勝5敗5休で金星配給3個である。豊昇龍の今後はどうなるのか。前例から検証してみる。 <豊昇龍> 横綱が実質地位化した常陸山以降では新横綱休場は7人いた。国技館開設以前、... -
横綱の1ケタ勝利 4
数字は場所数横綱 横綱在位 7勝以下 8勝 9勝三重ノ海 8 4 0 0千代の富士 59 10 0 1隆の里 15 7 0 0双羽黒 8 2 1 1北勝海 29 8 0 2大乃国 23 ... -
2025年年間最多勝さわり
豊昇龍が三月場所を途中休場した、そのため一月場所、三月場所の成績は17勝8敗5休となった。年間最多勝に休場は禁物であり、難しくなった。それでも横綱の面目である勝率8割は可能かもしれない。68勝17敗5休なら勝率8割になる。1場所平均12.75勝を4... -
豊昇龍と大の里!幕内最強は誰?
幕内最強は誰か。横綱だから豊昇龍とは単純にいかない。豊昇龍は成績不十分の3場所33勝12敗で横綱になった。横綱成績は5勝5敗5休で終わった。金星を3つも配給した。これは大きなマイナス要因である。 <豊昇龍の土俵入り> かつて4横綱千代の山・鏡... -
四股名あれこれ ~の・ノ・乃海3
◆昭和戦前晴ノ海 最高位前12 幕内5人目の越ノ海 最高位前6 初代玉ノ海 最高位関脇怪力でならした力士。横綱双葉山に勝ったことがある。師匠玉錦亡きあとニ所ノ関を継いで二枚鑑札となった。玉ノ海の二所ノ関は一大方針を打ち出した。幕内にまでなっ... -
横綱の1ケタ勝利 3
横綱の1ケタ勝利の検証は3回目を迎えた。 数字は場所数横綱 横綱在位 7勝以下 8勝 9勝北の富士 27 7 2 2玉の海 10 0 0 1琴櫻 8 2 1 1輪島 47 8 0 2北の湖 63... -
四股名あれこれ ~の・ノ・乃海2
引き続き江戸・東京相撲の最高位幕内力士の四股名~の・ノ・乃海をみていこう。 ◆明治鯱ノ海 最高位小結幕内上位に位置し、小結に10場所在位した。幕内成績99勝78敗30分9預を残した。 初代西ノ海 番付に横綱が載るきっかけをつくった横綱である。横綱は... -
横綱の1ケタ勝利 2
引き続き横綱の1ケタ勝利を検証していこう。 数字は場所数横綱 横綱在位 7勝以下 8勝 9勝1若乃花 25 5 0 0朝潮 16 7 0 2大鵬 58 12 0 1柏戸 47 12 0 7栃ノ海 1... -
横綱の1ケタ勝利 1
三月場所、新横綱として登場した豊昇龍は5勝に終わった。途中休場の結果である。横綱として最初の躓きであり、五月場所は待ったなしである。横綱はこれまでどういう成績を残してきたのか。15日制における千代の山以降の横綱の1ケタ勝利を検証してみた。 ... -
四股名あれこれ ~の・ノ・乃海1
~の・ノ・乃海に限定した四股名ついて調査してみた。対象は江戸・東京相撲の最高位幕内力士である。現役では2代目佐田の海、英乃海、志摩ノ海、湘南乃海、美ノ海である。令和に入幕した力士は志摩ノ海以降である。まだ誰も小結に到達していない共通点が... -
失速する琴櫻
三月場所は大の里と高安の優勝争いで盛り上がった。その裏で琴櫻は8勝7敗とカド番を脱出した。これをよくやった、とは誰も思わない。最低の線でなんとかしのいだ、というのが実情だ。千秋楽7勝7敗で大の里と対戦してたら注目の取組になった。 <13日目... -
靖国巡業にみた大相撲人気
靖国神社の相撲場で14日巡業が行われた。靖国神社相撲場は地下鉄の九段下からいった。けっこう距離があって歩く。すでに長蛇の列であった。8時25分に並んだが先頭ははるかかなたであった。 今までは木々に囲まれた自然のなかに並んだことはある。そこを出... -
横綱の大関時代 豊昇龍編
これまで横綱の大関時代には触れてきた。横綱になりたての豊昇龍は当然そのなかに入っていない。あらためて豊昇龍の大関時代を振り返ってみよう。 豊昇龍の大関時代は9場所である。成績は91勝41敗3休である。休場を除くと勝率6割8分9厘である。1場所... -
元白鵬報道の結末
元白鵬の宮城野が協会を辞める、という報道が週刊誌に記載された。これだけみるとかなり衝撃的である。協会から宮城野部屋を閉鎖され、伊勢ケ濱部屋へ親方修行に出されて1年以上経った。弟子の暴力事件の発生と報告が遅れたことが原因だが、部屋復興のメ... -
番付10年ひと昔
人生では10年ひと昔という。それは番付においてもいえるかもしれない。来たる五月場所の10年前は2015年の五月場所である。照ノ富士が関脇で初優勝した場所である。場所後大関に昇進した。横綱は白鵬、日馬富士、鶴竜であった。 <照ノ富士初優勝> 幕内は... -
時津風(元双葉山)の指導
現役時代の双葉山は相手が立てばいつでも立つ立ち合いをした。双葉山の立ち合いは異口同音で褒めたたえられた。「1日のうち10分(仕切り制限時間)だけ集中しればいいんです」と本人はこともなげに言っていた。無駄な動作を避けた。信念の人だった。 <双... -
今は昔大相撲冬の時代
今は大相撲過熱時代である。チケットの販売開始日に短時間で完売する。これが続いている。来たる五月場所も例外ではない。ファンクラブの先行予約は場所の開催中に始まっている。まさにチケット受難時代である。 大相撲にも冬の時代はあった。国技館でも当... -
11人の全勝優勝力士
全勝優勝。それは完全優勝といっていい。元安藝ノ海の永田氏は言う。「全勝と1敗は大変な違いだよ」その全勝優勝を3回以上達成した力士は11人しかいない。公式優勝制度は大正15年からである。そのため常ノ花は優勝8回全勝2回とした。 双葉山 8回羽黒... -
2025年4月幕内年齢番付
幕内の年齢番付を作成した。幕内は来たる五月場所番付で幕内が予想される力士とした。年齢は2025年4月30日現在とした。同年齢は生まれた年月日が遅い力士を上位にした。それが以下である。 20代が24人、30代以上が18人である。幕内はけっこう若返った。若... -
大の里をめぐるif
三月場所、誰が優勝するか場所前予想がつかないなかで大の里が優勝した。3回目の優勝であった。優勝インタビユーでもあったが、五月場所は横綱を目指すことになる。土俵の目撃者では、これまで年6場所のうち2場所だけを切り取る危うさを指摘してきた。... -
伊勢ヶ濱部屋継承の行方
元旭富士の伊勢ヶ濱は今年の7月6日で65歳を迎える。定年である。伊勢ヶ濱部屋はどうなる。照ノ富士が引き継ぐことになるとみるのが常識的である。ところがすんなりいくとは限らない。条件面で折り合いがつかないという。 <照ノ富士と伊勢ヶ濱> もう一... -
豊昇龍の平幕対戦成績
0.375。これは豊昇龍の何の数字かおわかりか。金星配給率である。金星とは平幕力士が横綱に勝った場合の星である。豊昇龍は去る三月場所平幕と8回戦い5勝3敗だった。3÷8=0.375というわけである。 <千代翔馬に敗れ初金星> 力士には関取の月給と力士... -
安藝ノ海昭和50年の相撲界を斬る
安藝ノ海といえば双葉山の連勝記録を69でストップした力士である。それまで稽古をしたことがなかった。双葉山から声がかかったが、盲腸炎で稽古どころではなかった。盲腸炎のおかげで双葉山に勝てたというわけだ。 <安藝ノ海のブロマイド> 双葉山の連勝... -
高安の12勝3敗 下
高安の大関は平成29年七月場所から令和元年十一月場所までである。15場所在位した。12勝3敗は大関昇進前に1回、大関在位中に3回あげている。優勝争いをしたのは1回であった。そのときは千秋楽負けて逃している。 <高安> 令和2年一月場所からは大関... -
3場所33勝横綱昇進!柏戸の苦悩
豊昇龍は3場所33勝で横綱に昇進した。これには先人がいた。柏戸である。10勝-11勝-12勝で横綱に昇進した。ただし直前4場所45勝、5場所58勝だった。豊昇龍の直前4場所42勝、5場所52勝よりは上であった。5場所前は13勝で初優勝した。 柏戸は直前3場... -
増加する本名関取
元栃錦の春日野理事長時代、本名力士にりっぱな四股名をつけるよううながしたことがあった。当時蔵間,板井などがいた。冗談だが、蔵間山(鞍馬山)、大板井(大痛い)にでもしますか、と言われた。また北尾を双羽黒と名づける方向性を示したのは春日野だ... -
高安の12勝3敗 上
去る三月場所、高安はまたも優勝を逃した。やはり14日目、美ノ海に負けたのが痛かった。下位だし、勝っていれば優勝決定戦をやる必要はなかった。何度も優勝のチャンスを逃してきた。高安12勝3敗の歩みを振り返ってみよう。 最初の12勝3敗は平成29年の三... -
98年目に突入した大相撲放送
今年は放送100年にあたるという。大正14年3月22日にラジオ放送が東京放送局によって始まった。といっても放送が聞けた方はわずか3500人くらいであったという。まだラジオがどういうものか認識がなかった。同時に高価であった。 大相撲の本場所がラジオ中... -
2025年三月場所放送事情
三月場所は15日間満員御礼、チケット完売御礼の場所だった。大相撲は過熱時代に入っている。大の里と高安が優勝決定戦で激突したのだから面白い場所だった。誰が優勝するか予想もつかない展開がわくわくさせている。 会場で観戦できる方は限定されてしまう... -
豊昇龍を検証
三月場所、豊昇龍は新横綱として登場した。豊昇龍には未知の領域があった。それは14勝以上の成績と新横綱優勝だった。新横綱優勝は稀勢の里-照ノ富士と続いてきた。ただ17%と確率は低かった。 ところが場所が始まるとそれどころではなかった。金星3個を... -
3強1年間の成績
三月場所は大の里の3回目の優勝で幕を閉じた。大の里の優勝はここ1年で3回達成したことになる。優勝は小結・関脇・大関と出世のたびに優勝したわけである。ここ1年は昨年の五月場所から今年の三月場所までの6場所である。 <大の里> 3回優勝したら... -
2025年三月場所総評
★優勝争いについて 誰が優勝するかまったく予想できないなか大の里と高安が浮上した。千秋楽最後までもつれた。大関大の里と高安がともに勝って優勝決定戦になった。優勝争いは大いに盛り上がった。できればこれが3敗ではなく、せめて2敗だったらなおよ... -
2025年五月場所私製番付
これは予想番付ではなく私製番付である。幕内には横綱・大関と対戦する力士とそうでない力士の2種類が存在する。三月場所は以下の結果になった。 大栄翔0勝2敗関脇王鵬 1勝1敗霧島 0勝2敗小結阿炎 2勝1敗若隆景0勝3敗筆頭若元春2勝1敗豪ノ... -
◆25春千秋楽 3敗決戦の中大の里が3回目の優勝
高安か大の里か。優勝の行方はこの3敗2力士に絞られた。高安・大の里ともに敗れれば4敗力士にもチャンスがある理屈になる。しかし、4敗はもはや優勝とはいえない。単なる1位に過ぎない。それに大の里が琴櫻に敗れるのは考えにくかった。 時系列で追っ... -
◆25春14日目 高安まさかの敗北!13勝の壁高し
2敗単独トップの高安は意外にも幕内前半最後に登場した。これまですべて後半で1度もなかった。対戦相手は4敗美ノ海である。なんと初対戦である。そうはいっても今場所の勢いから高安優位は動かない。 ところが相撲は、高安が突き立てると、美ノ海後退す... -
◆25春13日目 大の里意外な敗北で後退
13日目は各段の優勝が決まるケースがある。三月場所の序ノ口・序二段・三段目・幕下優勝が決まった。優勝決定戦はない。三段目は朝乃山が優勝した。十両はすでに新十両の草野の優勝が決まっている。全勝優勝なるかが注目されたが嘉陽に敗れて1敗した。 さ... -
◆25春12日目 大の里、内容なき勝利
優勝争いは佳境にはいってきた。残念ながら横綱・大関からは大の里一人である。本来は最低二人が絡んだ争いが見たい。だが、今場所も無理だった。 まず、2敗の高安が登場した。高安は関脇王鵬と対戦した。前日負けているだけに連敗はできない。相撲は左四... -
◆25春11日目 高安の壁
高安はこれまで何度か優勝のチャンスはあった。最大のチャンスは令和4年大阪場所の優勝決定戦である。若隆景と最後まで優勝を争った。あと一歩というところで逃している。ほかには堅くなって勝てない場所があった。 高安には2つの壁があった。優勝と13勝... -
◆25春10日目1敗同士の激突!高安、大の里を撃破
5勝4敗の新横綱豊昇龍が10日目から休場した。場所前「何があっても休まない」と言っていた豊昇龍だけに意外な感じがした。理由はひじや首を痛めていたことだと伝えられている。しかし、最も大きな理由は負けが込んだことだろう。しかも大関ならカド番だ... -
◆25春9日目 横綱豊昇龍の瓦解
豊昇龍は一山本とぶつかった。幕内では初顔になる。これまで一山本が上位に上がることがなかったためである。善戦はしても勝利は難しい、と予想した。しかし、土俵は思わぬ展開になった。豊昇龍の相撲は荒く、まるですぐに終わらせようといきなり投げにい... -
◆25春8日目 早くも3敗!豊昇龍の横綱実力に疑問
結びの一番は2敗豊昇龍対1敗高安の対戦となった。豊昇龍にしてみれば1敗高安を引きずりおろすチャンスである。ただ、気になる点がある。それは豊昇龍と高安の対戦成績である。1不戦勝1不戦敗を含み2勝9敗の成績である。豊昇龍は意外と高安に大きく... -
◆25春7日目 予想外の三月場所
まだ7日目が終了したばかりであるが、ここまでで予想外のことを記していく。まず、新横綱の豊昇龍である。7日目は気合い十分で隆の勝を一気に攻めきった。それも離れての相撲で突き出した。完璧な取り口であった。その横綱豊昇龍が7日目までで2敗した... -
◆25春6日目 豊昇龍連敗阻止も試練続く
前日負けた豊昇龍が結びの一番で土俵に上がったとき、「連敗するなよ」という声援とも怒りとも捉えられる叫びが聞こえてきた。横綱は要、中心的存在であるにも関わらず、序盤で2敗。連敗するようならどこまで負けるか想像がつかなくなる。横綱批判はさら... -
◆25春5日目 優勝争いは混沌
新横綱豊昇龍がまさかの千代翔馬に敗れた。同時に横綱初の金星を献上することになった。先場所久々の対戦となった。そこで豊昇龍は危なげなく勝っていた。それだけに千代翔馬には豊昇龍を脅かす要素がみあたらないはずだった。 千代翔馬は変化にいってまわ... -
◆25春4日目 軽さ負けが気になった大の里
豊昇龍1敗、琴櫻2敗で迎えた4日目。大の里に早くも土がついた。対戦相手は若元春である。先場所は東関脇にも関わらず大の里戦はなかった。それだけではない。豊昇龍・琴櫻戦もなかった。東関脇が3大関戦なしという珍記録を審判部はつくってしまった。 ... -
◆25春3日目 突き押しの破壊力が炸裂した日
カド番琴櫻に阿炎が組まれた。琴櫻の調子をみる上で絶好の相手である。相撲は琴櫻が先に攻めたが攻め切れず、逆襲を許した。残り腰はなく、押し出しで敗れた。今日の相撲は先場所の覇気のない内容に戻った。カド番をのりきらないと元大関をさらに増やすこ... -
◆25春2日目 3強安泰!課題は優勝争いに加われるか
前日まったくいいところなく敗れた豊昇龍。それだけに2日目の相撲が注目された。阿炎から半枚下がった若隆景が相手である。場所前「豊昇龍15番勝負」を記した。そこでは若隆景戦は四つ相撲だけに波乱は少ないとみた。復帰後の若隆景に2勝0敗である。 し... -
◆25春初日 新横綱豊昇龍暗転のスタート
三月場所が始まった。前日まで寒い日が続いた。関東では夜遅く雪が降った。幸い地元では積もることはなかったが、精神的に揺さぶられた。電車・新幹線も時刻通りであった。 しかし、土俵はそうはいかなかった。三月場所最大の焦点は新横綱豊昇龍である。対... -
2025年3月 お知らせ 賢明な読者の皆様へ
土俵の目撃者をいつもご愛読いただき誠にありがとうございます。足を使い、この目で見た生の大相撲をお届けするために、三月場所の初日から千秋楽まで大阪府立体育館で観戦します。 コロナを脱して定宿が決まり、今年も昨年と同じホテルを利用します。観戦... -
2025年三月場所直前考
三月場所の最大の焦点は新横綱の豊昇龍である。初優勝後の新大関の場所は8勝7敗に終わっている。今回は2回目の優勝後の新横綱である。最低限優勝争いが使命になる。気になるのは一月場所後行事が多かったことである。 <豊昇龍> 一月場所は大関と平幕... -
成長著しい王鵬と安青錦
王鵬が幕内上位に進出したのは昨年の三月場所である。ここで大関戦は全敗したが、横綱照ノ富士から金星を獲得している。先場所まで横綱戦1勝、大関戦は優勝決定巴戦を含め、7勝11敗である。対大関の内訳は引退した貴景勝に2敗、霧島に1勝1敗、豊昇龍... -
豊昇龍15番勝負 下
引き続き豊昇龍の対戦予想をみていこう。 8(●〇〇●〇×)5宇良宇良は油断できない相手である。先場所対戦はなかったが、宇良には食い下がらせないことである。宇良対策はその1点に尽きる。 2(×●××××)9高安1不戦勝1不戦敗を含む成績である。豊昇龍... -
70回目を迎える大阪府立体育館
大相撲興行における愛知県体育館使用は昨年で最後になった。愛知県体育館は昭和40年から使用し、定着した。例外が1回あった。コロナウイルスが蔓延した令和2年、七月場所は国技館で開催された。昨年までこの間58回に渡って使用されたことになる。 それに... -
豊昇龍15番勝負 上
三月場所の見所の一つに新横綱豊昇龍の成績がある。横綱となれば常勝・安定・盤石が求められる。豊昇龍は特に不十分な成績で横綱になっただけに注目が集まる。番付による横綱の対戦圏内は東前頭5枚目の宇良までである。15人の勝負予想をたててみよう。 <... -
次の大関は誰か
横綱・大関3人と寂しい状態は続いている。元々照ノ富士がいたが、休場がちで実質は別だった。少ない事情は大関を維持できないことにある。元大関は高安、朝乃山、正代、御嶽海、霧島、貴景勝と多くを数えた。貴景勝は大関降格後引退した。 横綱・大関が少... -
幕下の外国出身力士事情 下
引き続き幕下の外国出身力士に触れていこう。全員モンゴルである。 旭海雄大島(元旭天鵬)部屋 24歳最高位幕下8 幕下成績20勝8敗旭海雄は高校のとき15歳で来日し、高校相撲大会に参加した。大学は日本体育大学に進学した。大学の同期に大の里、阿武剋... -
続く大相撲過熱時代
昨年は6場所ともチケット完売だった。福岡はお茶屋がなく、交通の便もいいところとはいいがたい。さらに福岡県の人口は埼玉県や千葉県より少ない。それでもチケットは完売したのだから偉業といっていい。 それは今年に入っても続いている。一月場所、来た... -
三月場所幕下の年齢構成
幕下に若い新しい力が上がってきた。大斧、大凛山、米沢龍である。大凛山21歳、大斧、米沢龍は19歳である。幕下120人の年齢構成は今どのようになっているのか。調査してみた。年齢は2月26日現在とした。 <大斧> 結果は19歳から上は38歳までだった。さ... -
幕下の外国出身力士事情 上
幕下には外国出身力士が9人いる。といっても全員モンゴル出身である。幕下の一大勢力である。大翔鵬は元関取だが、8人は関取を目指しての戦いが続いている。彼らの可能性をみていこう。 琴拳龍 佐渡ヶ嶽(元琴ノ若)部屋 21歳 最高位幕下8 幕下成績4... -
2025年三月場所番付を読み解く
三月場所番付が発表された。横綱・大関は3人と少数になった。王鵬が新関脇に昇進した。新小結かと思われていたが、一気に駆け上がった。そのため、霧島が小結に留まった。 横綱・大関との対戦圏内は上位に休場がいない場合は東5枚目宇良までである。あら... -
大の里カモと苦手
大の里は大関として2場所経過した。大関2場所とも優勝争いに加われなかった。いわば存在感を示せなかった。成績は9勝6敗、10勝5敗であった。大の里は入幕してまだ7場所である。大の里のカモと苦手を改めて分析してみた。 大の里が3回以上戦って1度... -
豊昇龍未知の領域
豊昇龍の最高成績は昨年十一月場所の13勝2敗である。ほかに優勝成績は関脇時代の12勝優勝と去る一月場所の12勝優勝である。優勝決定巴戦の2番を加えた評価をした者がいたようだが、そもそも13勝以上していたら不要であった。おかしな評価は評価を誤る。 ... -
安青錦の出世街道
三月場所、安青錦の入幕は濃厚である。安青錦の出世街道をみていこう。 安青錦は相撲少年であった。7歳から取り組んだ。ウクライナ出身だが、ヨーロッパの相撲人口は多い。2022年2月ロシアのウクライナ侵攻が運命を変えた。国立大学に合格していたが、戦... -
令和幕内・元幕内力士引退事情
一月場所、照ノ富士の突然の引退には驚かされた。照ノ富士の引退の陰に隠れたが、阿武咲の元幕内力士も引退した。阿武咲は幕下で場所前に引退した。令和に入ってどのくらいのペースで幕内・元幕内力士は引退したのか、調査してみた。 <安美錦の引退相撲>... -
祖父琴櫻のカド番超え横綱昇進
好転から暗転へ。優勝からカド番へ。一月場所の大関琴櫻はまさかの5勝10敗と負け越した。三月場所はカド番として迎える。8勝すればOKだからクリアできるとみるのが自然である。ただ、土俵でケガをして休場になる恐れはある。先代霧島はそれで大関の座を... -
大記録を逃した大鵬の誤審黒星
大鵬の誤審黒星というと連勝記録を45で止められた戸田戦が真っ先に思い浮かぶ。このときは行司のうちわは大鵬。物言いがついて審判5人が戸田の勝ちを主張した。昭和44年三月場所2日目のことだった。 <大鵬> 実は目立たないがまだある。昭和35年一月場... -
最高位関脇力士の在位場所数<現役編>
一月場所、2関脇2小結だった。専門誌の予想番付では2人入れ替わりそうである。小結阿炎は7勝8敗で小結に留まりそうである。関脇で何場所勝ち越しても1場所負け越せばその座を明け渡さなければならない。まことに難しい地位である。 去る一月場所番付... -
令和横綱・大関フル出場事情
去る一月場所で2つの変化があった。1つは横綱照ノ富士の休場からの引退である。もう1つは大関豊昇龍の横綱昇進である。来たる三月場所は1横綱2大関で迎えることになる。 <豊昇龍横綱の土俵入り> それでも横綱・大関陣は3人という手薄時代が続くこ... -
豊昇龍の大関時代を比較する
一月場所後豊昇龍が横綱に昇進した。大関在位は9場所であった。改めて豊昇龍の大関時代を他の横綱と比較してみる。対象は公式の優勝制度ができた大正15年以降横綱に昇進した力士とした。横綱でいうと玉錦以降とした。 <豊昇龍(右)> ◆大関在位双葉山 ... -
優勝20回台朝青龍・北の湖・貴乃花の好成績
朝青龍優勝25回、北の湖優勝24回、貴乃花優勝22回といずれも優勝20回台を誇っている。北の湖・貴乃花は一代年寄となっている。優勝20回以上が一代年寄の条件とささやかれた。 <貴乃花> ここでは優勝好成績及び非優勝好成績を比較してみよう。非優勝好成... -
2025年2月版大相撲Q&A
Q,立浪部屋は名門なのですか。 A,豊昇龍が横綱に昇進しました。これは立浪部屋では双葉山、羽黒山、双羽黒に次ぐ4人目の横綱です。出羽海部屋は9人横綱を出していますが、昭和以降では5人です。双葉山、羽黒山に大関名寄岩で立浪三羽烏と呼ばれました。... -
優勝豊勝龍の相撲内容を採点する 下
引き続き豊昇龍の相撲内容を採点していこう。採点基準は5点満点でどれだけ自分の力を発揮したかを基準とした。細部の点数もいれて0.5単位で採点した。 九日目2●(突き落とし)平戸海 十日目4〇(上手出し投げ)大栄翔 十一日目4,5〇(寄り倒し)千代翔馬... -
優勝豊勝龍の相撲内容を採点する 上
一月場所豊昇龍が優勝決定巴戦を制し、12勝3敗で優勝した。大関在位9場所目の大関初優勝であった。豊勝龍の相撲内容はどうであったか。一番一番をつぶさに採点してみた。 採点は5点満点でどれだけ自分の力を発揮したかを基準とした。細かい点数もいれて... -
相撲部屋への移転 下
引き続き近年の相撲部屋への移転をみていこう。 ◆立浪部屋→千賀ノ浦部屋=常盤山部屋千賀ノ浦部屋は元舛田山が春日野(元栃乃和歌)部屋から独立した部屋である。2004年9月のことである。千賀ノ浦が2016年4月10日で定年を迎えることになり、後継者を探し... -
相撲部屋への移転 上
豊昇龍が横綱昇進の日、集まったファンからこんな声を聞いた。「ここの立浪部屋は元何部屋だったんだろう」相撲ファンだけに立浪(元旭豊)部屋がつくばみらいから移転したことは知っていた。近年相撲部屋への移転が目立っている。改めて整理してみよう。 ... -
異例づくしの大相撲トーナメント
日本大相撲トーナメント第49回大会は異例づくしとなった。フジテレビで生中継されるはずが中止となった。スポンサーがつかなかったと想像したが、その通りの国技館会場であった。それでも大会は開催された。優勝賞金、各力士への支払いが生じるのに決行し... -
福祉大相撲雑感
2年ぶりに福祉大相撲に行ってきた。12時10分開場、13時開演であった。総武線は遅れていた。両国に着いた時はお客さんが並んでいた。並ぶのもバカバカしいので引くのを待った。 相変わらず撮影は禁止であった。歌比べの撮影禁止はわかる。相撲に関して撮影... -
幕内力士の構成
引退した照ノ富士は別として、一月場所の番付を元に幕内力士の構成をみていこう。 ★幕内優勝経験者10人御嶽海玉鷲霧島大の里豊昇龍大栄翔阿炎若隆景正代尊富士混迷の時代は多くの優勝者を生み出した。10人を数える。誰が優勝するかまるで予想がたたない状... -
王鵬実力評価の変遷
去る一月場所王鵬は優勝決定巴戦に進出する活躍だった。惜しくも優勝には届かなかったが、王鵬の実力が認められた場所になった。相撲内容を評価され技能賞を受賞した。これがなんと三賞初受賞であった。 <技能賞受賞> 三月場所、小結が予想される。よう... -
減少し始めた力士数
一月場所、突然三段目の枚数が80枚に変わった。三段目付け出しに碇潟が加わったので161人になったことになる。思えば三段目が100枚から90枚になったのは2022年五月場所からであった。三段目90枚は2年5場所しかもたなかったことになる。 それだけではない... -
豊昇龍とモンゴル5横綱を比較
横綱豊昇龍が誕生した。モンゴル出身では6人目である。ハワイからモンゴルへと言われて久しいが、ついに横綱は6人を数えるに至った。改めて豊昇龍を先輩5横綱と比較してみる。 ★横綱デビュー年齢豊昇龍は25歳で来たる三月場所の土俵に立つ。おじさんの... -
3強のここ1年間の成績
2024年の年間最多勝は琴櫻だった。成績は66勝24敗だった。次点が1勝差で大の里だった。だが、1年間は一月場所から十一月場所に限定しない場合もある。昨年三月場所から今年の一月場所も1年間である。そこで、豊昇龍、琴櫻、大の里の3強の成績を調査し... -
横綱の1年間の休場数14傑 下
5位 照ノ富士72休(令和5年)不戦敗1を加え72休場を記録した。全休が4場所、途中休場が1場所であった。照ノ富士は横綱全休が7場所あり、大半が令和5年に集中した。連続休場は令和4年九月場所からの4場所である。横綱在位21場所中引退した場所を... -
写真で見る徳勝龍引退大相撲
正式名称 徳勝龍引退千田川襲名披露大相撲10時半開場11時半開演 <関係者を迎える徳勝龍> 以下プログラムに沿っていく触れ太鼓十両土俵入り十両取組徳勝龍最後の土俵入り <息子と最後の土俵入り> 髪結い実演相撲甚句ご挨拶 <会長代理がご挨拶> 断... -
横綱の土俵入りの型の名称
豊昇龍が明治神宮で土俵入りを初披露した。武蔵丸直伝である。よくこれを雲竜型、両手を伸ばしたまませり上がる型を不知火型と紹介する。だが、実際は雲竜、不知火がどんな土俵入りをしたかは伝わっていない。 <明治神宮奉納土俵入り> そもそもこれはい... -
照ノ富士の横綱成績
照ノ富士が一月場所中に引退した。これによって照ノ富士の横綱成績が確定した。照ノ富士の横綱成績はどのような数値になったか、検証してみる。 横綱在位 21場所横綱優勝 6回全勝優勝 1回横綱優勝率29%連続優勝 2場所(2回) 横綱優勝率は3場所... -
つくられた横綱
豊昇龍が横綱に昇進した。口上は「横綱の名を汚さぬよう気魄一閃の精神で精進します」だった。横綱昇進成績は3場所33勝、4場所42勝、5場所52勝である。1場所平均11勝、10,5勝、10,4勝である。これのどこが横綱に値するのか。いかにも強引で無理に押... -
2025年一月場所総評
★優勝争いについて 13日目を終えて5人が優勝圏内。まさに誰が優勝するかわからない情勢だった。千秋楽は優勝決定巴戦になってわきにわいた。近来まれにみる面白い展開であった。もう少しレベルが高かったらなおよかった。 <巴戦出場3力士> ★優勝した豊... -
2025年三月場所私製番付
予想番付でなく私製番付である分けは合理性を追及したいからである。横綱・大関との対戦数は0から4とまちまちである。東関脇若元春は大関戦0という珍記録となった。宇良が1番、尊富士は2番だった。番付編成にあたり、横綱・大関戦を除いた。ただし、... -
◆25初千秋楽 終わってみれば実力通り
石破総理が内閣総理大臣杯を渡すという日。午前中から数多くのSPが登場し、警戒や手荷物検査が行われた。缶類は厳禁とのこと。筆者も缶コーヒーを没収された。総理の来館は歓迎すべきか複雑な心境であった。 2敗金峰山か3敗王鵬か。優勝をかけた大一番の... -
◆25初14日目 サバイバル戦!優勝圏内3人
優勝圏内同士の対戦が実現した。2敗単独トップ金峰山と3連敗10連勝の霧島が激突した。突きの金峰山か組み止めて霧島か。霧島が勝てば金峰山を3敗に引きずりこむことができる。 立ち合い突き合って霧島素早く右四つに組み止めた。霧島寄っていくが金峰山... -
◆25初13日目 2敗金峰山3敗4人変化なし
2敗金峰山、3敗豊昇龍・霧島・王鵬・尊富士の5人が優勝圏内で迎えた13日目。この5人が直接戦うことがないだけに取組的には物足りない。 2敗金峰山は大関で7敗の琴櫻と結びで対戦した。大関有利といかないのが現状である。相撲は、金峰山が一気の突き... -
◆25初12日目 優勝圏内に5人が乱立
優勝がからむ三番に注目した。1敗金峰山と3敗大関豊昇龍が激突した。金峰山のパワー相撲が豊昇龍に炸裂すると危ない。豊昇龍が金峰山のパワーを封じて十分の体勢をつくるか。豊昇龍は勝たないと大関の責任は果たせない。 両力士気合十分。勝負は一瞬で決... -
◆25初11日目 一月場所の混迷!責任は大関にあり
1敗金峰山が大関大の里にぶつけられた。ところが相撲は、金峰山が突き上げて先に攻めた。そのまま一気に向こう正面に突き倒した。だが、天下の大関が幕内下位にやすやすと負ける。これではいけないが、現実である。新入幕尊富士に大関琴ノ若が負けたこと... -
◆25初10日目 全勝金峰山、1敗千代翔馬に上位の壁
全勝金峰山を止められるか阿炎。役力士として止め役となった。金峰山は動けていて油断できない。勝負は立ち合い一瞬で決まった。阿炎突き起こすと金峰山はばったり手をついた。決まり手は突き落としであった。阿炎はしてやったりで結果を残した。 <阿炎立... -
◆25初9日目 豊昇龍スキあり相撲で痛恨の連敗
豊昇龍が照ノ富士引退による繰り上げの平戸海と対戦した。相撲はつっかえ棒がはずれたように豊昇龍がばったり両手をついた。平戸海は体を開いての突き落としであった。豊昇龍は連敗で3敗となった。優勝争いはトップと3差になった。 <豊昇龍、平戸海の奇... -
◆25初8日目 上位は混戦模様
好調と思われた豊昇龍がまさかの敗北をきっした。対戦相手は正代である。相撲は、突き合いとなったが、正代の逆襲に豊昇龍は向こう正面下に転落した。この一番で豊昇龍は思ったほど強くはなかったことがわかった。先場所ができすぎただけである。横綱など... -
◆25初7日目 実力差が出た同期生対決
まだ前半だが、1敗豊昇龍対全勝王鵬の同期生対戦が実現した。勝負は、立ち合いから豊昇龍が激しく突き立て攻め立てた。王鵬は残すのがせいいっぱい。横から攻め、うしろについた豊昇龍が最後送り倒した。力強さ・スピード・集中力の勝利となった。 <同期... -
◆25初6日目 歴史的汚点となった琴櫻対熱海富士戦
照ノ富士が引退した。休場したその日の出来事だった。午後10時のNHK番組中にテロップが流れた。ここまで予期していなかったため仰天した。今思うと成績が残せない場合は引退を考えていたことになる。 2勝2敗の成績を良しとしなかったことになる。そして...