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白鵬協会退職考
白鵬が協会退職の記者会見を開いた。モンゴルに帰国していたが7日戻った。8日伊勢ヶ濱部屋の行事に参加し、9日会見に至った。横綱には横綱にしかわからない経験がある。それが指導に生かされることなく、機会は永遠に失われた。 白鵬が辞めた最大の理由... -
元横綱退職事情 続戦前編
武蔵山は横綱になったものの休場が多く、フル出場はわずか1場所だけだった。それも7勝6敗だった。昭和14年夏場所限りの引退後は年寄出来山→不知火となった。だが昭和20年11月、途中で離職した。農機具販売業を営み、さらに鶏肉店とパチンコ店を経営した... -
大嶽部屋の行方
今年定年になる親方は元旭富士だけではない。大鵬道場の大嶽部屋の大嶽(元大竜)もである。9月下旬までである。大嶽部屋には部屋付の親方はいない。後継問題はどうなるのか。 大嶽部屋は大横綱大鵬がおこした部屋である。一代年寄大鵬部屋としてスタート... -
琴櫻の復活はあるのか
大の里の優勝、横綱昇進にわく大相撲界。そのなかですっかり忘れられた存在になった琴櫻。大阪場所では千秋楽に大の里と対戦した。しかし、筆者の見方は万に一つも琴櫻に勝ち目はないと思っていた。そして結果はその通りになった。 大の里対琴櫻 三月場所... -
多いままの再雇用者
最近元貴景勝の湊川の激ヤセが話題になった。湊川の年寄株は元大徹が再雇用の途中で譲ったカタチになった。同様に尾車は元琴風が再雇用中に琴恵光に、荒磯の元若嶋津は再雇用のときに琴勇輝に移行した。以前、再雇用元竹葉山が石浦に間垣を譲ったことがあ... -
写真でみる栄光の白鵬
白鵬ほど数々の記録に彩られた横綱はいない。優勝45回、7連覇、63連勝、年間最多勝10回、通算勝利数1187勝、48場所連続横綱フル出場。まさに大横綱といっていい。白鵬は協会を追われるカタチになった。写真で栄光を振り返ってみよう。 初優勝2007年五月場... -
元横綱退職事情 戦前編
元横綱の協会退職はショッキングなことである。貴乃花、白鵬と目の当たりにしただけになおさらである。横綱を体験した者にしかわのらないことを弟子や新横綱に伝えられる。これまで途中退職した横綱はどれだけいるのか。実質横綱が地位化した常陸山以降の... -
元白鵬協会退職の波紋
元白鵬の宮城野の退職が決定した。6月9日付で協会を離れることになる。4月に週刊誌報道で辞めると書かれた。そのとき元白鵬は否定した。それは本心だったかもしれない。 スポーツニッポンの記事 しかし、五月場所後も宮城野部屋復活の話は出なかった。... -
2025年年間最多勝レース中間地点
五月場所が終了したことで今年の場所も半分消化した。混迷の時代を脱し、年間最多勝は低レベルから飛躍しそうな雰囲気である。昨年は琴櫻が66勝でトップになった。 今年の年間最多勝レースはどのように展開しているのか、調査してみた。それが以下である。... -
大の里が狙える大記録
大の里は連続優勝で横綱に昇進した。来たる七月場所優勝すれば3連覇の偉業を成し遂げることになる。3連覇は大変な記録で栃錦、初代若乃花、北の富士、玉の海、輪島でさえ達成できなかった。最近では優勝10回の照ノ富士も達成できなかった。3連覇以上達... -
琴恵光引退大相撲レポート
琴恵光引退大相撲にいってきた。行って驚かされたことがある。長蛇の列ができていた。長さは400メートルあるいは時間によって500メートルくらいあった。 筆者が両国に着いた時はとっくに開場時刻を過ぎていた。列の人の流れが悪い。しかも雨の中だからたま... -
問題点を探る!横綱土俵入りの型の名
5月30日は大の里の奉納土俵入りの日である。あいにく前日から降りしきる雨のため公開はなくなったようだ。神殿のなかつまり建物なかでおこなうらしい。途中で雨がやんでも決定事項のようだ。係員、3人くらい並んでいた方の話を総合すると以上になる。実... -
3強ここ1年の成績
まずここ1年というのは2024年七月場所から2025年五月場所までである。1年間大の里、豊昇龍、琴櫻はどういう成績を築いていったのか。あらためて検証してみよう。 大の里新横綱として勢いが増している。期待も大きく成長途上である。しかし、それは今後の... -
新横綱大の里論
新横綱大の里が正式に誕生した。すでに横審の諮問は済、番付編成会議及び臨時理事会で承認された。国技館から茨城のニ所ノ関部屋は遠い。使者がニ所ノ関部屋に到着したのは10時10分頃であった。使者は出羽海(元小城ノ花)と秀ノ山(元琴奨菊)だった。 伝... -
2025年五月場所総評
★優勝争いについて いつも千秋楽までもつれるが、珍しく13日目に決まった。大の里の独走状態なった。対抗できなかった豊昇龍の責任は大きい。相撲人気の原動力は誰が優勝するか予想できない点にあった。その流れが変わるかもしれない。 ★優勝した大の里は ... -
2025年七月場所私製番付
予想ではなく、私製としたのは横綱・大関との対戦の有無があるからである。幕内は一律ではない。それを無視して数字だけで番付を作成することにどれほどの合理性があるのか。ちなみに五月場所の関脇以下の横綱・大関戦は以下である。 大栄翔 1勝2敗霧島... -
◆25夏千秋楽 現役最強大の里全勝ならず
千秋楽、久々に優勝を争わぬ日となった。焦点は14戦全勝の大の里が全勝優勝するかである。大の里の千秋楽の相手は豊昇龍である。大の里は分が悪いと前日書いた。具体的数字はどうか。それが以下である。 豊昇龍5勝(〇■●〇〇×)大の里1勝1不戦勝豊昇龍... -
◆25夏14日目 全勝大の里大栄翔を粉砕して14勝
全勝大の里に関脇最強の大栄翔が挑んだ。大の里のパワーに対抗できるとは思えない。むしろ攻め合いのなかから横攻めができれば面白くなる。かすかなチャンスである。過去大の里が優勝した場所はすべて負けている。 相撲は、両力士当たった後大の里がはたい... -
◆25夏13日目 大の里現役最多4回目の優勝
13日目は10時40分取組開始だった。それでいて開場は10時30分と比較的余裕のない時刻だった。かつては30分前開場のときがあった。なぜこんな窮屈な設定になったのだろうか。これは14日目も同様である。 各段の優勝が決まった。幕下は大辻である。先場所新十... -
◆25夏12日目 場所の焦点は大の里の全勝優勝
館内のお客さんに尋ねられた。「炎鵬はいつ登場しますか」筆者は「14時15分十両土俵入りです。そのあと14時半から審判が入場して幕下上位5番が始まります。そこに炎鵬が3番目に登場します」と答えた。 炎鵬は善戦したが最後敗れた。2勝4敗となった。そ... -
◆25夏11日目 若隆景のうまさを粉砕した大の里
幕下では福崎と大辻が勝ち上がって6勝とした。13日目は両力士の対戦が組まれることが予想される。かつては6勝で勝ち上がった力士が同部屋でそれぞれ1敗力士と組まされたことがあった。6勝力士がともに敗れ、6勝1敗力士による優勝決定戦となった。た... -
◆25夏10日目 全勝大の里2差つけ終盤戦へ
幕下の上位5番に朝乃山、炎鵬が出場した。朝乃山が勝ち、炎鵬が惜敗した。その結果朝乃山が勝ち越し、炎鵬が負け越した。明暗を分けた結果になった。十両は草野が1敗で単独トップ。次点に2差をつけた。草野の十両連続優勝なるか。 幕内では2人の若手力... -
◆25夏9日目 取組的興味の少ない日
後半に突入した五月場所。だが、取組的興味が少ない日となった。1敗伯桜鵬の相手が3勝5敗の正代戦であった。これではわきようがない。伯桜鵬が寄り切りで勝って1敗を守った。勝ち越しを決めて10日目は関脇大栄翔戦である。 続く1敗の安青錦は2勝6敗... -
◆25夏8日目 大の里快調の全勝進撃
幕下では朝乃山、炎鵬が出場した。朝乃山は強さの勝利で3勝1敗となった。炎鵬は敗れ2勝2敗となった。幕下以下は原則相星で取組が組まれるため、朝乃山対炎鵬はまだ実現しない。十両では草野が1敗、2敗で欧勝海・東白龍が続いている。 幕内中位で全勝... -
◆25夏7日目 全勝大の里・伯桜鵬、1敗若隆景・安青錦の展開
朝から雨が降りしきる首都圏。普段なら家にこもって雨を避けるのだが、今はそうはいかない。大相撲が開催されているなら雨中でも朝早く国技館に向かった。救いは帰るときやんでいるという予報である。 新横綱で休場した豊昇龍は出直しの場所である。2勝2... -
◆25夏6日目 大の里の今後
幕下では炎鵬の取組が幕下上位5番で行われた。勝負は西ノ龍に突き落としで敗れ、1敗となった。十両では草野はじめ4力士が1敗である。幕内では初日から休場中だった琴勝峰が今日から出場した。隆の勝相手に1勝した。 大の里は馬力相撲の豪ノ山と対戦し... -
◆25夏5日目 試練続く!豊昇龍
本日は大阪から来られたIZ氏、佐度ヶ嶽部屋で出会ったS氏及びその友人のI氏と観戦した。S氏及びその友人のI氏とは面識はあったが、一緒に観戦したのは初となった。楽しい日々となった5日目であった。 幕下では前日敗れた朝乃山が登場した。今日は積... -
◆25夏4日目 豊昇龍の力量は大関の延長
幕下では朝乃山が登場した。対戦相手は東誠竜である。玉ノ井(元大関栃東)部屋25歳である。東誠竜は正攻法で朝乃山を攻め立て、堂々と勝利した。 炎鵬は千代丸相手に体重差をものともせずに寄り切った。朝乃山は1勝1敗。炎鵬2勝。幕下以下は原則相星で... -
◆25夏3日目 同期生対決で豊昇龍敗れる
幕下で川副が大ケガをした。くの字にひざが曲がったまま倒されたのである。非常に痛々しい現場になった。車イスが運ばれ川副は乗せられた。休場がやむを得ない状態である。川副ファンには心配な結果となった。 幕内では2番物言いがついた。まず遠藤対熱海... -
◆25夏2日目 見ごたえ十分!大栄翔対豪ノ山戦
幕下では幕下最下位付け出し同士が組まれた。花岡対浦山の一番は上手投げで花岡が勝利した。十両土俵入り後の幕下5番に炎鵬が登場した。堂々たる勝利だった。なお川副は惜敗した。 新十両同士の一番に注目した。宮乃風対夢道鵬戦である。夢道鵬が押し出し... -
◆25夏初日 大の里・豊昇龍が最高の相撲
大相撲五月場所が始まった。雨あがりの後気温は高まった。通称夏場所と呼ぶにふさわしい暑さになっていきそうだ。知った顔が国技館に戻ってきた。佐渡ヶ嶽(元琴ノ若)部屋で出会った方と南門あたりで話し込んだ。昔相撲友の会で共にした方と久々に会った... -
2025年五月場所直前考
前日から降り注ぐ雨の中、優勝額贈呈式に行ってきた。土俵祭りもあるが、今は三役以上の力士は参加しない。コロナウイルスのときなくなったが、それが今も続いている。相撲塾が以前教習所であったが、これもコロナウイルスとともに消えたままである。国技... -
大の里の勝負ポイント
大の里はこれまで優勝後の成績が芳しくなかった。9勝6敗が2回あった。2度あることは3度あるか。あるいは3度目の正直か。大の里の勝負ポイントを対戦相手別に検証してみた。 まず先場所負けた相手からみていこう。4(〇●〇〇×●)2若元春先場所、若... -
横綱昇進基準に物申す
五月場所、大の里の横綱昇進が話題になっている。なぜだろうか。先場所優勝したからである。優勝といってもピンキリがあって12勝のスキあり優勝だった。大の里は初優勝したときも12勝だった。そのとき師匠のニ所ノ関(元稀勢の里)は「12勝で優勝と思うな... -
栃大海の出世街道 下
2022年は23勝19敗であった。勝ち越し4場所であった。3場所が幕下1ケタの地位であった。幕下東2枚目で惜しくも3勝4敗だった。獅子に2勝、豪ノ山に1勝、湘南乃海に1勝1敗の成績。時疾風に1敗、狼雅に2敗した。 <幕下時代> 2023年は23勝20敗... -
待ったなし!豊昇龍
絶対休まない。と公言していた豊昇龍が早くも新横綱で休場した。その結果は金星3個を配給して4敗した。勝ち星は5勝であった。ケガの理由というより負けが込んでの休場の印象が強い。新横綱の休場は大正15年の公式優勝制度以降5人目であった。 来たる五... -
栃大海の出世街道 上
栃大海は小学生から相撲を取っていた。出身地の越谷から入間の相撲教室に通っていた。中学は途中転向して相撲部のある学校へ通っている。高校は相撲の名門埼玉栄高校へ進学した。同期には王鵬、琴勝峰がいた。 <新所出世披露> 高校在学中のまま春日野(... -
横綱の1ケタ勝利 6
数字は場所数横綱 横綱在位 7勝以下 8勝 9勝朝青龍 42 7 0 1白鵬 84 17 0 0日馬富士 31 6 0 3鶴竜 41 19 0 2稀勢の里 12 10 0 0照ノ富士 21 ... -
横綱昇進を検証する2
直前3場所38勝直前4場所48勝直前5場所60勝上記のいずれかを満たして初めて審議対象にすると過去の横綱はどうなるか。再び検証する。 柏戸はいずれの条件も満たしていない。直前3場所は33勝で豊昇龍の先例にあたる。横綱昇進は時期尚早といわざるを得な... -
公開稽古総見記
5月2日、公開稽古総見が行われた。あいにく天候は雨になる予報であった。ただ、8時入場予定まではもちそうであった。両国に着いたのは6時50分くらいであった。相撲仲間のKM氏と南門で一緒になった。列は南門を曲がって長蛇の列であった。天候が思わ... -
四股名あれこれ ~の・ノ・乃海5
◆続昭和戦後 3代目玉の海 最高位横綱大関までは玉乃島であった。横綱昇進にあたって玉の海の四股名を希望した。当時NHKの解説者だった玉の海梅吉氏は、玉乃島で慣れ親しんできたのに今さら玉の海にしなくても、と諭した。 <玉の海> だが、横綱の意... -
嘉陽の出世街道
嘉陽は相撲少年であった。沖縄県出身になっているが、生まれは千葉県市川市である。そこで相撲教室に通っていた。沖縄県は両親の出身地である。中学・高校は新潟県で相撲留学した。大学は日本体育大学に進学した。 入門はニ所ノ関(元稀勢の里)部屋だった... -
横綱の1ケタ勝利 5
数字は場所数横綱 横綱在位 7勝以下 8勝 9勝旭富士 9 3 1 0曙 48 12 0 1貴乃花 49 15 3 13若乃花 11 7 0 1武蔵丸 27 19 0 1 旭富士は大関のとき... -
2025年五月場所番付を読み解く
五月場所の番付が発表された。祝日にかかっていないために予定通り月曜となった。なぜ月曜か。スポーツ新聞は火曜に記事が掲載される。月曜はプロ野球がない傾向があったからである。もっとも現代はメジャーリーグがあるからそうはいかない面がある。 関脇... -
横綱昇進を検証する1
豊昇龍の直前3場所33勝横綱昇進はショッキングな出来事だった。これを受けて、筆者は考察した。直前3場所38勝直前4場所48勝直前5場所60勝上記のいずれかを満たして初めて審議対象になるとしてはどうか。それでは過去の横綱昇進でこの条件を満たした者... -
四股名あれこれ ~の・ノ・乃海4
◆昭和戦後 2代目玉乃海 最高位関脇荒法師と呼ばれ、金色のまわしで戦後最初の九州本場所で優勝した。ただし、横綱・大関戦は皆無であった。栃錦をよく負かし、11勝16敗の対戦成績だった。片男波部屋をおこし、横綱玉の海を育てた。 玉乃海には空白の約9... -
新横綱休場のその後
3場所33勝で横綱に昇進した豊昇龍のデビュー戦は無残な結果に終わった。5勝5敗5休で金星配給3個である。豊昇龍の今後はどうなるのか。前例から検証してみる。 <豊昇龍> 横綱が実質地位化した常陸山以降では新横綱休場は7人いた。国技館開設以前、... -
横綱の1ケタ勝利 4
数字は場所数横綱 横綱在位 7勝以下 8勝 9勝三重ノ海 8 4 0 0千代の富士 59 10 0 1隆の里 15 7 0 0双羽黒 8 2 1 1北勝海 29 8 0 2大乃国 23 ... -
2025年年間最多勝さわり
豊昇龍が三月場所を途中休場した、そのため一月場所、三月場所の成績は17勝8敗5休となった。年間最多勝に休場は禁物であり、難しくなった。それでも横綱の面目である勝率8割は可能かもしれない。68勝17敗5休なら勝率8割になる。1場所平均12.75勝を4... -
豊昇龍と大の里!幕内最強は誰?
幕内最強は誰か。横綱だから豊昇龍とは単純にいかない。豊昇龍は成績不十分の3場所33勝12敗で横綱になった。横綱成績は5勝5敗5休で終わった。金星を3つも配給した。これは大きなマイナス要因である。 <豊昇龍の土俵入り> かつて4横綱千代の山・鏡... -
四股名あれこれ ~の・ノ・乃海3
◆昭和戦前晴ノ海 最高位前12 幕内5人目の越ノ海 最高位前6 初代玉ノ海 最高位関脇怪力でならした力士。横綱双葉山に勝ったことがある。師匠玉錦亡きあとニ所ノ関を継いで二枚鑑札となった。玉ノ海の二所ノ関は一大方針を打ち出した。幕内にまでなっ... -
横綱の1ケタ勝利 3
横綱の1ケタ勝利の検証は3回目を迎えた。 数字は場所数横綱 横綱在位 7勝以下 8勝 9勝北の富士 27 7 2 2玉の海 10 0 0 1琴櫻 8 2 1 1輪島 47 8 0 2北の湖 63... -
四股名あれこれ ~の・ノ・乃海2
引き続き江戸・東京相撲の最高位幕内力士の四股名~の・ノ・乃海をみていこう。 ◆明治鯱ノ海 最高位小結幕内上位に位置し、小結に10場所在位した。幕内成績99勝78敗30分9預を残した。 初代西ノ海 番付に横綱が載るきっかけをつくった横綱である。横綱は... -
横綱の1ケタ勝利 2
引き続き横綱の1ケタ勝利を検証していこう。 数字は場所数横綱 横綱在位 7勝以下 8勝 9勝1若乃花 25 5 0 0朝潮 16 7 0 2大鵬 58 12 0 1柏戸 47 12 0 7栃ノ海 1... -
横綱の1ケタ勝利 1
三月場所、新横綱として登場した豊昇龍は5勝に終わった。途中休場の結果である。横綱として最初の躓きであり、五月場所は待ったなしである。横綱はこれまでどういう成績を残してきたのか。15日制における千代の山以降の横綱の1ケタ勝利を検証してみた。 ... -
四股名あれこれ ~の・ノ・乃海1
~の・ノ・乃海に限定した四股名ついて調査してみた。対象は江戸・東京相撲の最高位幕内力士である。現役では2代目佐田の海、英乃海、志摩ノ海、湘南乃海、美ノ海である。令和に入幕した力士は志摩ノ海以降である。まだ誰も小結に到達していない共通点が... -
失速する琴櫻
三月場所は大の里と高安の優勝争いで盛り上がった。その裏で琴櫻は8勝7敗とカド番を脱出した。これをよくやった、とは誰も思わない。最低の線でなんとかしのいだ、というのが実情だ。千秋楽7勝7敗で大の里と対戦してたら注目の取組になった。 <13日目... -
靖国巡業にみた大相撲人気
靖国神社の相撲場で14日巡業が行われた。靖国神社相撲場は地下鉄の九段下からいった。けっこう距離があって歩く。すでに長蛇の列であった。8時25分に並んだが先頭ははるかかなたであった。 今までは木々に囲まれた自然のなかに並んだことはある。そこを出... -
横綱の大関時代 豊昇龍編
これまで横綱の大関時代には触れてきた。横綱になりたての豊昇龍は当然そのなかに入っていない。あらためて豊昇龍の大関時代を振り返ってみよう。 豊昇龍の大関時代は9場所である。成績は91勝41敗3休である。休場を除くと勝率6割8分9厘である。1場所... -
元白鵬報道の結末
元白鵬の宮城野が協会を辞める、という報道が週刊誌に記載された。これだけみるとかなり衝撃的である。協会から宮城野部屋を閉鎖され、伊勢ケ濱部屋へ親方修行に出されて1年以上経った。弟子の暴力事件の発生と報告が遅れたことが原因だが、部屋復興のメ... -
番付10年ひと昔
人生では10年ひと昔という。それは番付においてもいえるかもしれない。来たる五月場所の10年前は2015年の五月場所である。照ノ富士が関脇で初優勝した場所である。場所後大関に昇進した。横綱は白鵬、日馬富士、鶴竜であった。 <照ノ富士初優勝> 幕内は... -
時津風(元双葉山)の指導
現役時代の双葉山は相手が立てばいつでも立つ立ち合いをした。双葉山の立ち合いは異口同音で褒めたたえられた。「1日のうち10分(仕切り制限時間)だけ集中しればいいんです」と本人はこともなげに言っていた。無駄な動作を避けた。信念の人だった。 <双... -
今は昔大相撲冬の時代
今は大相撲過熱時代である。チケットの販売開始日に短時間で完売する。これが続いている。来たる五月場所も例外ではない。ファンクラブの先行予約は場所の開催中に始まっている。まさにチケット受難時代である。 大相撲にも冬の時代はあった。国技館でも当... -
11人の全勝優勝力士
全勝優勝。それは完全優勝といっていい。元安藝ノ海の永田氏は言う。「全勝と1敗は大変な違いだよ」その全勝優勝を3回以上達成した力士は11人しかいない。公式優勝制度は大正15年からである。そのため常ノ花は優勝8回全勝2回とした。 双葉山 8回羽黒... -
2025年4月幕内年齢番付
幕内の年齢番付を作成した。幕内は来たる五月場所番付で幕内が予想される力士とした。年齢は2025年4月30日現在とした。同年齢は生まれた年月日が遅い力士を上位にした。それが以下である。 20代が24人、30代以上が18人である。幕内はけっこう若返った。若... -
大の里をめぐるif
三月場所、誰が優勝するか場所前予想がつかないなかで大の里が優勝した。3回目の優勝であった。優勝インタビユーでもあったが、五月場所は横綱を目指すことになる。土俵の目撃者では、これまで年6場所のうち2場所だけを切り取る危うさを指摘してきた。... -
伊勢ヶ濱部屋継承の行方
元旭富士の伊勢ヶ濱は今年の7月6日で65歳を迎える。定年である。伊勢ヶ濱部屋はどうなる。照ノ富士が引き継ぐことになるとみるのが常識的である。ところがすんなりいくとは限らない。条件面で折り合いがつかないという。 <照ノ富士と伊勢ヶ濱> もう一... -
豊昇龍の平幕対戦成績
0.375。これは豊昇龍の何の数字かおわかりか。金星配給率である。金星とは平幕力士が横綱に勝った場合の星である。豊昇龍は去る三月場所平幕と8回戦い5勝3敗だった。3÷8=0.375というわけである。 <千代翔馬に敗れ初金星> 力士には関取の月給と力士... -
安藝ノ海昭和50年の相撲界を斬る
安藝ノ海といえば双葉山の連勝記録を69でストップした力士である。それまで稽古をしたことがなかった。双葉山から声がかかったが、盲腸炎で稽古どころではなかった。盲腸炎のおかげで双葉山に勝てたというわけだ。 <安藝ノ海のブロマイド> 双葉山の連勝... -
高安の12勝3敗 下
高安の大関は平成29年七月場所から令和元年十一月場所までである。15場所在位した。12勝3敗は大関昇進前に1回、大関在位中に3回あげている。優勝争いをしたのは1回であった。そのときは千秋楽負けて逃している。 <高安> 令和2年一月場所からは大関... -
3場所33勝横綱昇進!柏戸の苦悩
豊昇龍は3場所33勝で横綱に昇進した。これには先人がいた。柏戸である。10勝-11勝-12勝で横綱に昇進した。ただし直前4場所45勝、5場所58勝だった。豊昇龍の直前4場所42勝、5場所52勝よりは上であった。5場所前は13勝で初優勝した。 柏戸は直前3場... -
増加する本名関取
元栃錦の春日野理事長時代、本名力士にりっぱな四股名をつけるよううながしたことがあった。当時蔵間,板井などがいた。冗談だが、蔵間山(鞍馬山)、大板井(大痛い)にでもしますか、と言われた。また北尾を双羽黒と名づける方向性を示したのは春日野だ... -
高安の12勝3敗 上
去る三月場所、高安はまたも優勝を逃した。やはり14日目、美ノ海に負けたのが痛かった。下位だし、勝っていれば優勝決定戦をやる必要はなかった。何度も優勝のチャンスを逃してきた。高安12勝3敗の歩みを振り返ってみよう。 最初の12勝3敗は平成29年の三... -
98年目に突入した大相撲放送
今年は放送100年にあたるという。大正14年3月22日にラジオ放送が東京放送局によって始まった。といっても放送が聞けた方はわずか3500人くらいであったという。まだラジオがどういうものか認識がなかった。同時に高価であった。 大相撲の本場所がラジオ中... -
2025年三月場所放送事情
三月場所は15日間満員御礼、チケット完売御礼の場所だった。大相撲は過熱時代に入っている。大の里と高安が優勝決定戦で激突したのだから面白い場所だった。誰が優勝するか予想もつかない展開がわくわくさせている。 会場で観戦できる方は限定されてしまう... -
豊昇龍を検証
三月場所、豊昇龍は新横綱として登場した。豊昇龍には未知の領域があった。それは14勝以上の成績と新横綱優勝だった。新横綱優勝は稀勢の里-照ノ富士と続いてきた。ただ17%と確率は低かった。 ところが場所が始まるとそれどころではなかった。金星3個を... -
3強1年間の成績
三月場所は大の里の3回目の優勝で幕を閉じた。大の里の優勝はここ1年で3回達成したことになる。優勝は小結・関脇・大関と出世のたびに優勝したわけである。ここ1年は昨年の五月場所から今年の三月場所までの6場所である。 <大の里> 3回優勝したら... -
2025年三月場所総評
★優勝争いについて 誰が優勝するかまったく予想できないなか大の里と高安が浮上した。千秋楽最後までもつれた。大関大の里と高安がともに勝って優勝決定戦になった。優勝争いは大いに盛り上がった。できればこれが3敗ではなく、せめて2敗だったらなおよ... -
2025年五月場所私製番付
これは予想番付ではなく私製番付である。幕内には横綱・大関と対戦する力士とそうでない力士の2種類が存在する。三月場所は以下の結果になった。 大栄翔0勝2敗関脇王鵬 1勝1敗霧島 0勝2敗小結阿炎 2勝1敗若隆景0勝3敗筆頭若元春2勝1敗豪ノ... -
◆25春千秋楽 3敗決戦の中大の里が3回目の優勝
高安か大の里か。優勝の行方はこの3敗2力士に絞られた。高安・大の里ともに敗れれば4敗力士にもチャンスがある理屈になる。しかし、4敗はもはや優勝とはいえない。単なる1位に過ぎない。それに大の里が琴櫻に敗れるのは考えにくかった。 時系列で追っ... -
◆25春14日目 高安まさかの敗北!13勝の壁高し
2敗単独トップの高安は意外にも幕内前半最後に登場した。これまですべて後半で1度もなかった。対戦相手は4敗美ノ海である。なんと初対戦である。そうはいっても今場所の勢いから高安優位は動かない。 ところが相撲は、高安が突き立てると、美ノ海後退す... -
◆25春13日目 大の里意外な敗北で後退
13日目は各段の優勝が決まるケースがある。三月場所の序ノ口・序二段・三段目・幕下優勝が決まった。優勝決定戦はない。三段目は朝乃山が優勝した。十両はすでに新十両の草野の優勝が決まっている。全勝優勝なるかが注目されたが嘉陽に敗れて1敗した。 さ... -
◆25春12日目 大の里、内容なき勝利
優勝争いは佳境にはいってきた。残念ながら横綱・大関からは大の里一人である。本来は最低二人が絡んだ争いが見たい。だが、今場所も無理だった。 まず、2敗の高安が登場した。高安は関脇王鵬と対戦した。前日負けているだけに連敗はできない。相撲は左四... -
◆25春11日目 高安の壁
高安はこれまで何度か優勝のチャンスはあった。最大のチャンスは令和4年大阪場所の優勝決定戦である。若隆景と最後まで優勝を争った。あと一歩というところで逃している。ほかには堅くなって勝てない場所があった。 高安には2つの壁があった。優勝と13勝... -
◆25春10日目1敗同士の激突!高安、大の里を撃破
5勝4敗の新横綱豊昇龍が10日目から休場した。場所前「何があっても休まない」と言っていた豊昇龍だけに意外な感じがした。理由はひじや首を痛めていたことだと伝えられている。しかし、最も大きな理由は負けが込んだことだろう。しかも大関ならカド番だ... -
◆25春9日目 横綱豊昇龍の瓦解
豊昇龍は一山本とぶつかった。幕内では初顔になる。これまで一山本が上位に上がることがなかったためである。善戦はしても勝利は難しい、と予想した。しかし、土俵は思わぬ展開になった。豊昇龍の相撲は荒く、まるですぐに終わらせようといきなり投げにい... -
◆25春8日目 早くも3敗!豊昇龍の横綱実力に疑問
結びの一番は2敗豊昇龍対1敗高安の対戦となった。豊昇龍にしてみれば1敗高安を引きずりおろすチャンスである。ただ、気になる点がある。それは豊昇龍と高安の対戦成績である。1不戦勝1不戦敗を含み2勝9敗の成績である。豊昇龍は意外と高安に大きく... -
◆25春7日目 予想外の三月場所
まだ7日目が終了したばかりであるが、ここまでで予想外のことを記していく。まず、新横綱の豊昇龍である。7日目は気合い十分で隆の勝を一気に攻めきった。それも離れての相撲で突き出した。完璧な取り口であった。その横綱豊昇龍が7日目までで2敗した... -
◆25春6日目 豊昇龍連敗阻止も試練続く
前日負けた豊昇龍が結びの一番で土俵に上がったとき、「連敗するなよ」という声援とも怒りとも捉えられる叫びが聞こえてきた。横綱は要、中心的存在であるにも関わらず、序盤で2敗。連敗するようならどこまで負けるか想像がつかなくなる。横綱批判はさら... -
◆25春5日目 優勝争いは混沌
新横綱豊昇龍がまさかの千代翔馬に敗れた。同時に横綱初の金星を献上することになった。先場所久々の対戦となった。そこで豊昇龍は危なげなく勝っていた。それだけに千代翔馬には豊昇龍を脅かす要素がみあたらないはずだった。 千代翔馬は変化にいってまわ... -
◆25春4日目 軽さ負けが気になった大の里
豊昇龍1敗、琴櫻2敗で迎えた4日目。大の里に早くも土がついた。対戦相手は若元春である。先場所は東関脇にも関わらず大の里戦はなかった。それだけではない。豊昇龍・琴櫻戦もなかった。東関脇が3大関戦なしという珍記録を審判部はつくってしまった。 ... -
◆25春3日目 突き押しの破壊力が炸裂した日
カド番琴櫻に阿炎が組まれた。琴櫻の調子をみる上で絶好の相手である。相撲は琴櫻が先に攻めたが攻め切れず、逆襲を許した。残り腰はなく、押し出しで敗れた。今日の相撲は先場所の覇気のない内容に戻った。カド番をのりきらないと元大関をさらに増やすこ... -
◆25春2日目 3強安泰!課題は優勝争いに加われるか
前日まったくいいところなく敗れた豊昇龍。それだけに2日目の相撲が注目された。阿炎から半枚下がった若隆景が相手である。場所前「豊昇龍15番勝負」を記した。そこでは若隆景戦は四つ相撲だけに波乱は少ないとみた。復帰後の若隆景に2勝0敗である。 し... -
◆25春初日 新横綱豊昇龍暗転のスタート
三月場所が始まった。前日まで寒い日が続いた。関東では夜遅く雪が降った。幸い地元では積もることはなかったが、精神的に揺さぶられた。電車・新幹線も時刻通りであった。 しかし、土俵はそうはいかなかった。三月場所最大の焦点は新横綱豊昇龍である。対... -
2025年3月 お知らせ 賢明な読者の皆様へ
土俵の目撃者をいつもご愛読いただき誠にありがとうございます。足を使い、この目で見た生の大相撲をお届けするために、三月場所の初日から千秋楽まで大阪府立体育館で観戦します。 コロナを脱して定宿が決まり、今年も昨年と同じホテルを利用します。観戦... -
2025年三月場所直前考
三月場所の最大の焦点は新横綱の豊昇龍である。初優勝後の新大関の場所は8勝7敗に終わっている。今回は2回目の優勝後の新横綱である。最低限優勝争いが使命になる。気になるのは一月場所後行事が多かったことである。 <豊昇龍> 一月場所は大関と平幕... -
成長著しい王鵬と安青錦
王鵬が幕内上位に進出したのは昨年の三月場所である。ここで大関戦は全敗したが、横綱照ノ富士から金星を獲得している。先場所まで横綱戦1勝、大関戦は優勝決定巴戦を含め、7勝11敗である。対大関の内訳は引退した貴景勝に2敗、霧島に1勝1敗、豊昇龍... -
豊昇龍15番勝負 下
引き続き豊昇龍の対戦予想をみていこう。 8(●〇〇●〇×)5宇良宇良は油断できない相手である。先場所対戦はなかったが、宇良には食い下がらせないことである。宇良対策はその1点に尽きる。 2(×●××××)9高安1不戦勝1不戦敗を含む成績である。豊昇龍... -
70回目を迎える大阪府立体育館
大相撲興行における愛知県体育館使用は昨年で最後になった。愛知県体育館は昭和40年から使用し、定着した。例外が1回あった。コロナウイルスが蔓延した令和2年、七月場所は国技館で開催された。昨年までこの間58回に渡って使用されたことになる。 それに... -
豊昇龍15番勝負 上
三月場所の見所の一つに新横綱豊昇龍の成績がある。横綱となれば常勝・安定・盤石が求められる。豊昇龍は特に不十分な成績で横綱になっただけに注目が集まる。番付による横綱の対戦圏内は東前頭5枚目の宇良までである。15人の勝負予想をたててみよう。 <...