横綱は選ばれし者、特別な存在というのは錯覚である。その要因は
2場所連続優勝、または準じる成績でなれるからである。年6場所
の現在、たった3カ月の成績を切り取っても強さの証明にはならな
い。かといって横綱審議委員がなかった時代は万全かというとそう
ともいえない。要するに横綱という看板欲しさに安易に横綱をつく
ってきたのが実情である。
公式優勝制度は大正15年から始まった。

横綱優勝0回
3西ノ海
武蔵山
男女ノ川
安藝ノ海
前田山
吉葉山
双羽黒
3若乃花
横綱優勝0は8人もいる。いささか多過ぎる。このなかに強い横綱
は当然いない。前田山は休場中に日米野球を観戦して横綱を辞めさ
せられた。双羽黒は通算でも優勝0である。
横綱優勝1回
朝潮
栃ノ海
琴櫻
大乃国
旭富士
稀勢の里
横綱になって弱くなったともいえる結果である。横綱優勝1回では
いくら何でも面目を保てない。晩年横綱になったのでは遅かった。
不成績で20代での引退例もある。

横綱優勝2回
照國
三重ノ海
隆の里
照國・三重ノ海は横綱で連続優勝及び全勝優勝している。隆の里は
新横綱で15戦全勝優勝している。部分とはいえ少し輝いていた時期
はあった。もう1、2回優勝が欲しかった。
公式優勝制度以降、大横綱・強豪横綱・名横綱は限定される。
常ノ花
玉錦
双葉山
羽黒山
栃錦
初代若乃花
玉の海
北の湖
千代の富士
貴乃花
朝青龍
白鵬
時代を築いたあるいは築かんとした横綱中の横綱であった。

現役の豊昇龍・大の里は果たしてどこまで迫れるか。彼らの戦いは
これから始まる。