先のいいスタートを切った安青錦。5日目の対戦はもう一つ調子が
あがらない若隆景である。ここまで4敗である。安青錦に負ける要
素は見つからない。しかし相撲は取ってみなくてはわからない。ま
して3本勝負ではなく一番勝なのである。
若隆景は変化に出た。予期していなかった安青錦はこれだけで体勢
を大きく崩した。残り腰はなかった。決まり手は送り倒しになった。
安青錦にとって痛恨の1敗となった。これを過ぎ去った過去はどう
にもならないと切りかえる精神力が求められる。

スピードとうまさの平戸海。これが豊昇龍にまともに炸裂したらど
うなるのか。ちょっと想像しただけでわくわくしてくる。だが実際、
豊昇龍もスピードとうまさを持ち合わせている。しかも地力では優
っている。
相撲は平戸海のうまさの上をいった豊昇龍がいなしてたたきつぶす
ように勝利した。決まり手ははたき込みになった。平戸海の力は豊
昇龍に通じなかった。一枚も二枚も豊昇龍が上だった。地元の応援
が空しく響く結果となった。

大の里は一段と強くなっている。対戦相手の若元春を根こそぎもっ
ていったのである。これほどのパワー及び勝負センス。充実の一語
につきる。三役以上で序盤戦をただ一人全勝で飾った。

琴櫻が宇良にいいところなく完敗した。これで序盤戦2勝3敗であ
る。琴櫻が勝ち越せるか否かが今場所の注目点となってきた。大関
としてはいかにも次元が低いが、やむを得ない。まだ、横綱戦・関
脇戦を残している。厳しい戦いが続きそうである。