元白鵬の宮城野が協会を辞める、という報道が週刊誌に記載された。
これだけみるとかなり衝撃的である。協会から宮城野部屋を閉鎖さ
れ、伊勢ケ濱部屋へ親方修行に出されて1年以上経った。弟子の暴
力事件の発生と報告が遅れたことが原因だが、部屋復興のメドはた
っていない。

伊勢ヶ濱(元旭富士)は「聞いていない。ウソだろう」と語った。
何より宮城野本人がはっきり否定した。白鵬は弟子を育成する夢の
ため、帰化までして親方になった。辞めてどうなる。
先代宮城野(元竹葉山)から預かった弟子、白鵬を慕って入門した
弟子を見放すことになる。これは絶対やってほしくない。師匠定年
とか死去とか体の自由がきかなくなったとかの事情とはわけが違う。
あるいは弟子数が少数で部屋を閉鎖せざるを得なくなったのとも違
う。
ところが、弟子を見放した親方がいた。貴乃花である。ある日突然
協会を離職した。その経緯はこうだ。自分の弟子が暴行を受けてか
たくなな態度を取り続けた。内閣府へ訴え、協会を危うい立場に追
い込んだ、

それが自分の弟子が暴行事件をおこすとブーメランのようにかえっ
てきた。貴乃花親方は追い込まれた。貴乃花一門を自ら解消した。
ついていった親方たちの対場はなかった。貴乃花親方は元隆三杉の
千賀ノ浦に弟子を託して去った。
古くは元太刀山の東関も検査役(現審判)の選挙に負け協会を辞め
た。弟子は高砂(2代朝潮)部屋に預けた。太刀光、太刀ノ海、太
刀若は元々太刀山の弟子だった。

物事の判断は短気な方ほど誤る。ただ、耐えられない場合はある。
玉音放送では耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍びと訴えた。元白
鵬の宮城野は弟子を強くする使命がある。月にむら雲花に風。要は
精神的に負けないことである。