~の・ノ・乃海に限定した四股名ついて調査してみた。対象は江戸・
東京相撲の最高位幕内力士である。現役では2代目佐田の海、英乃
海、志摩ノ海、湘南乃海、美ノ海である。令和に入幕した力士は志
摩ノ海以降である。まだ誰も小結に到達していない共通点がある。

◆江戸
記録に見られる~の・ノ・乃海は伊勢ノ海である。現在は年寄名と
して名を残している。番付は宝暦7年10月から判明しているが、伊
勢ノ海は資料のなかに見られる四股名である。従って最高位などは
分かっていない。京・大阪相撲にいたことがある。
上段一人目越ノ海 最高位前1
御所ノ海 最高位前2
鷹ノ海 最高位大関
看板大関・看板力士で取組記録はない。
筆ノ海 最高位前1
出羽ノ海 最高位前1
年寄名としてまた名門部屋として名を残している。幕末のころ年寄
名跡となった。ただ、元両國=前名国岩の代から出羽海として「ノ」の
字はない。

荻ノ海 最高位小結
小結付け出しであった。幕内成績は8勝11敗3分3預だった。
由良ノ海 最高位前4
幕内2人目越ノ海 最高位前1
十万ノ海 最高位前3
とまのうみと読む。
幕内3人目越の海 最高位前3
これまですべて「ノ」の字であった。ここに初めて「の」字が登場
した。
房の海 最高位前6
幕内一人目広の海 最高位前6
幕内4人目越の海 最高位前6
ここまでが江戸期である。馴染みの名は少々あってもビッグネーム
はない。だが、明治に入ると横綱の免許を受けた力士が登場する。
(この項目続く)