元横綱琴櫻の佐渡ヶ嶽のとき4人の優勝者をだしている。琴風につ
いてはすでに触れた。次が思いもよらない優勝者であった。前頭13
枚目の琴富士であった。平成3年七月場所のことであった。

琴富士は大関霧島、横綱旭富士、大関小錦、関脇貴闘力を倒して初
日から13連勝した。琴富士を止めたのは小結貴花田であった。千秋
楽曙に勝って14勝1敗の成績をあげた。横綱北勝海戦はなかった。
横綱旭富士・北勝海はそろって不調であった。今年(2025年)8月
に琴富士の死去が伝えられた。まだ60歳であった。
琴富士優勝の翌場所、F1相撲の2代目琴錦が平幕優勝した。先場所
4勝11敗だけに起死回生となった。成績は13勝2敗で2敗は貴花田、
若花田の花田兄弟だけに負けたものだった。佐渡ヶ嶽部屋は連続平
幕優勝という珍記録となった。

この場所横綱北勝海は全休、横綱旭富士は途中休場だった。琴錦は
大関小錦・霧島を倒しての初優勝だった。琴錦は7年1場所後に2
回目の平幕優勝を達成している。優勝間隔としては最長であった。
琴錦は間違いなく強豪関脇であった。
琴光喜は平成13年九月場前頭2枚目で優勝した。入幕6場所後のこ
とであった。成績は13勝2敗であった。横綱貴乃花は全休であった
が、横綱武蔵丸に勝利した。大関戦は2勝1敗だった。1敗は武双
山であった。もう1敗は千秋楽で平幕時津海に敗れている。

琴光喜はこのあと苦労して大関に昇進した。優勝した場所から6年
後であった。その間13勝は3回あるが、いずれも優勝とはいかなか
った。最後は野球賭博で解雇になり、引退相撲もできなかった。