五月場所、東小結6勝9敗だった高安が七月場所番付で西にまわっ
ただけには驚愕した。ほかの6勝9敗の力士の番付はどうか。
玉鷲 ▼1,5
平戸海▼1.5
尊富士▼2
翠富士▼2
正代 ▼3
琴勝峰▼1
6-4-5
正代以外は▼1~▼2である。

最初に驚かされた6勝9敗は錦富士である。2024年七月場所東前頭
17枚目の幕尻で6勝9敗だった。十両落ちかと思ったら、翌場所現
状維持であった。6勝9敗の驚きはこれが最初だと思う。
最近では豊昇龍の直前3場所33勝の横綱昇進も意外だった。藤井元
アナも誰一人反対しなかったことに驚いたと語っている。横綱だけ
は周囲の状況に左右されてはいけない。適格者がいなければ欠いて
もいいのである。
双羽黒は優勝と無縁で横綱にあげてしまった。その反動からか旭富
士から日馬富士まで全員2場所連続優勝でなければ横綱にしなかっ
た。極端から極端にいってしまった。貴乃花は5場所中3場所優勝
しても横綱になれなかった。

昭和45年九月場所十両。
東筆頭旭國8勝7敗
東2枚目増位山8勝7敗
翌場所はともに半枚下げられたのである。勝ち越して下げられる。
そこにどんな事情があったのか。
当時幕内から十両に落ちる力士は一人くらいであった。それに対し
十両から上がれる力士は4人くらいいた。幕に上がれたのは琉王一
人だけであった。好成績で上がれなかった輪島を東筆頭、栃富士を
東2枚目にすえた。その結果勝ち越して番付が下がる例ができてし
まった。

番付はまわりの情勢に左右される。番付運のない力士に大山(元松
登)親方は「だから番付の上に御免蒙ると書いてある」とユーモア
ある回答をしていた。次の番付の驚きはいつ何になるだろうか。