白鵬が協会退職の記者会見を開いた。モンゴルに帰国していたが7
日戻った。8日伊勢ヶ濱部屋の行事に参加し、9日会見に至った。
横綱には横綱にしかわからない経験がある。それが指導に生かされ
ることなく、機会は永遠に失われた。
白鵬が辞めた最大の理由は宮城野部屋の復興の見通しがたたなかっ
たことである。白鵬の退職意向を受けて十一月場所後が浮上した。
だがそれは決定ではなく、検討であった。これでは生殺しである。
協会の知恵は働かなかった。

これまで暴行事件が公になった部屋・個人は以下である。
伊勢ヶ濱部屋(元旭富士)2度
貴乃花部屋
春日野部屋(元栃乃和歌)障害が残った
千賀の浦→常盤山部屋(元隆三杉)
時津風部屋(元双津竜)暴行死
朝青龍
熊ヶ谷(元金親)
呼び出し 拓郎 ※気の毒な面があるが
琴冠佑 対戦相手の支度部屋で暴行
常の山 土俵で勝負後星安出寿の腹にパンチ
ほかにもおかみさんへの暴力が伝わった件があった。
そもそもこれまで暴行行為はあったが、部屋の閉鎖までいったケー
スはない。白鵬は報告が遅れた面はあるが、1年4カ月以上の部屋
閉鎖が必要なのか。白鵬だけになぜやたら厳しいのか。元高見盛を
東関部屋の後継者にしたが、結局本人が辞退している。師匠の資格
はかなりいいかげんな面がある。

照ノ富士が新伊勢ヶ濱になり、白鵬はその下になるのが辞める原因
か、と言われていきた。しかし、白鵬はそれをきっぱり否定した。
これは白鵬大人の対応とみた。不仲ではないかもしれないが、新米
親方のもとで親方修行はいかにも不自然である。第一弟子が大島部
屋への移籍を希望したとき、モンゴルだからだめだったはずである。
モンゴル出身照ノ富士の場合はいいでは一貫しない。
白鵬の今後はどうか。世界相撲グランドスラム構想を掲げた。相撲
の世界的普及、オリンピック競技化にまい進するという。しかし、
収入はどうするのか。退職で一番気になるのはその点である。白鵬
杯は無料であった。トヨタがバックにいる。さらに新会社を立ち上
げるという。
八角(元北勝海)体制は貴乃花、白鵬を追い込んで退職させた。し
かし、白鵬は協会批判をせず、最後まで大人の対応であった。