安藝ノ海といえば双葉山の連勝を69でストップした歴史的ヒーロー
であった。新鋭の安藝ノ海の双葉山戦は面白くなるという見方があ
った。安藝ノ海はスピードがあり、向こうづけの体勢になるうまさ
があった。双葉山とは初顔だった。稽古をしたこともない。そうは
いっても、誰も双葉山が安藝ノ海に負けるとは思っていなかった。
英雄双葉山は負けない、100連勝までいく。日本中がそんな話題の
なか、昭和14年春場所が始まった。初日五ッ嶋、2日目竜王山、3
日目駒ノ里を退けてついに連勝は69まできた。運命の日は4日目に
きた。前頭3枚目出羽海部屋の新鋭安藝ノ海戦である。

安藝ノ海突っ張っていくが双葉山下からあてがっていく。安藝ノ海
されば突き放しにいくが、双葉山右差し。安藝ノ海右四つになるも
頭をつけて右下手を浅く引く。安藝ノ海は本来左四つであったため
これではだめかと思えた。しかし、左上手を引き、食い下がる体勢
をつくった。双葉山左は相手のひじをつかんでいたため、右からす
くい投げにいくがきかず。双葉山さらに2度、3度とすくい投げに
いくが、そのとき安藝ノ海の左外掛けの急襲に双葉山がくずれてい
った。
時、昭和14年1月15日日曜日6時32分、ついに双葉山が敗れた。双
葉山確かに負けたねと確認するメディア。観客は誰もが信じられな
い光景を見た。布団が、みかんが、タバコ盆まで飛ぶありさまであ
った。

安藝ノ海は奮起して横綱にまで駆け上がった。横綱フル出場は5場
所であった。優勝はない。平幕との対戦成績は24勝6敗であった。
金星配給率は20%であった。平幕と7番とれば1.4個配球したこと
になる。神風・柏戸に2個配球している。なお、双葉山はその後安
藝ノ海に負けることはなかった。
今日の運勢が気になったら
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