大の里が横綱に昇進したとき、初土俵から13場所を要してのスピー
ド出世だった。また新入幕から9場所を要しての横綱昇進もスピー
ド出世だった。大鵬は新入幕から11場所を要しての横綱昇進だった。
ただ、大鵬は大関で連続優勝後、横綱で連続優勝して4連覇を達成
している。大の里ができるかどうかは未知数である。
大の里には別の記録がある。現在デビューから13場所連続勝ち越し
中である。幕下2場所目3勝3敗でピンチのときがあった。7番相
撲を勝ってのり切った。また新入幕から9場所連続勝ち越し中であ
る。

要するに大の里は負け越し経験がないのである。横綱になった今負
け越しは休場がらみしかありえない。太刀山は幕下付け出しだった。
惜しくも幕下2場所目で2勝2敗の五分がある。その翌場所から23
場所連続勝ち越しがある。横綱休場でストップした。
栃木山は序ノ口から24場所連続勝ち越しがある。新入幕から17場所
連続勝ち越しを記録した。横綱休場でストップした。栃木山は休場
の少ない横綱であった。大の里の勝ち越し記録はどこまで続くか見
ものである。

大の里にはもうひとつ記録がある。十両以下で優勝経験がないこと
である。十両優勝がいつ始まったかは定かでない。昭和2年は十両
力士の番数がまちまちである。仮に昭和3年以降を対象とした場合
も大の里のような横綱はいるのか。
双葉山以降の横綱を検証した。それが以下である。
双葉山
栃錦
佐田の山
北の湖
2若乃花
曙
大の里は彼らの仲間入りをしたことになる。