千秋楽、久々に優勝を争わぬ日となった。焦点は14戦全勝の大の里
が全勝優勝するかである。大の里の千秋楽の相手は豊昇龍である。
大の里は分が悪いと前日書いた。具体的数字はどうか。それが以下
である。
豊昇龍5勝(〇■●〇〇×)大の里1勝1不戦勝
豊昇龍の派手な下手投げが大の里に決まったことがあった。柔道技
かと錯覚するほどだった。とったりや首投げなど思い切りのよさで
勝ったことがあった。まさに大の里にとってはやりにくい相手であ
る。
今回の相撲は、大の里の突きを豊昇龍は右四つに組み止めまわりこ
んだ。これが素早く、正面土俵豊昇龍は上手捻りで決めた。大の里
は焦って攻めたことが敗因だった。大の里の全勝優勝は達成できな
かった。これは豊昇龍の意地というより勝つべくして勝ったといえ
る。



大の里の横綱昇進はどうか。3場所直前36勝、4場所直前45勝、5
場所直前58勝である。これは果たして力量抜群か。この問いにあな
たならどう答えるか。筆者はどうもしっくりこない。それでいて横
綱になると横綱の弱体化、格下げにつながりかねない。
ただ、大の里は現役最強と言える。豊昇龍は大の里に差をつけられ
た。豊昇龍はどうしても取りこぼしがつきまとう。また横綱になっ
たいきさつが大の里よりはるかにしっくりこなかった。いささか強
引過ぎた。
早くも二人の時代がくるようなフレーズをきいたが、気が早い。二
人が毎場所優勝を争ってからの話である。栃若時代、北玉時代、輪
湖時代どういう時代であったか。まだ二人が時代を築いていける保
証はない。
五月場所は無事終了した。筆者個人は2度帰りの電車の発車が遅れ
る憂き目にあった。また場所は早くきて8時間は国技館にいた。最
後は疲れがたまった場所だった。ただ、今後の動きから疲れをいや
す時間はなさそうである。