三月場所、誰が優勝するか場所前予想がつかないなかで大の里が優
勝した。3回目の優勝であった。優勝インタビユーでもあったが、
五月場所は横綱を目指すことになる。土俵の目撃者では、これまで
年6場所のうち2場所だけを切り取る危うさを指摘してきた。ここ
では五月場所大の里がどんな成績をあげるか検証してみた。

大の里が五月場所12勝3敗で優勝したら横綱か。横綱直前3場所34
勝11敗で豊昇龍より1勝多い。しかし38勝よりはるかに低いレベル
である。大の里はこれまで13勝が幕内最高成績である。13勝で優勝
したら直前3場所は35勝になる。1場所平均11.7勝である。
横綱昇進直前4場所は12勝優勝の場合は43勝17敗になる。5場所だ
と56勝19敗である。13勝2敗で優勝したら1勝は加算され、敗戦が
1つ減ることになる。いずれも1場所12勝平均には到達しない。
それでも横審、協会は大の里を横綱にするのだろうか。したところ
で横綱の力量がなければ通用しない。それは豊昇龍で証明されてい
るはずだ。こりずに再び繰り返すのか。だとすると横綱像をどう考
えているのか。

大の里が横綱になれば輪島に次いで学生出身では二人目になる。輪
島が横綱になるのは時間の問題だった。輪島は横綱直前3場所39勝
6敗、4場所50勝10敗、5場所63勝12敗だった。大の里と比較にな
らないほど文句なしの成績である。
輪島の横綱が決定したときこういわれた。横綱審議委員の石井光次
郎氏は「輪島はマシーンのような強さ」と語っている。神風氏は
「羽黒山の堅実さ、強さと安藝ノ海のうまさをあわせたのが、輪島
の相撲」と評している。

玉の海氏は「すり足、あごがあがらない、腰を落として攻める。大
胆な中に緻密さがある」と賞賛する。大鵬は「攻撃から防御、防御
から攻撃と相撲にリズムがある。輪島の強さの一番のポイントは腰
の中心点に寸分のくるいもないということだ。投げを打つときの体
の開きは天才的」と絶賛である。
今の大の里にこれほど賛辞される要素があるだろうか。大の里が横
綱になるときは文句なしで昇進していただきたい。急ぐ必要はない。