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千秋楽全勝決戦2

時代を築いた横綱で栃錦・若乃花ほど拮抗
したライバルはいない。その両横綱の対戦が、
頂点に達したのが昭和35年三月場所であった。
東の正横綱栃錦。先場所14勝1敗で10回目の
優勝。その勢いのまま三月場所は初日から
14連勝で千秋楽を迎えた。14勝のなかに新鋭
大鵬と唯一の対戦がはいっている。一方若乃
花。先場所は途中休場して東張出横綱。2日
目には関脇柏戸と対戦して退けている。こち
らも初日から14連勝で千秋楽を迎えた。

<栃錦のブロマイド>

横綱同士が初日から14連勝で千秋楽に優勝を
かけて激突する史上初のケースとなった。
こうなった背景には西横綱朝潮の途中休場が
ある。栃錦は横綱27場所目(6年目)であっ
た。若乃花が入門し、前相撲を取っていた
とき、栃錦はすでに十両筆頭であった。翌
場所入幕している。ここまで差があったが、
若乃花のスピード出世が両者の間を縮めて
きた。若乃花は横綱13場所目であった。ここ
まで優勝は7回していた。

<若乃花のブロマイド>

栃錦対若乃花戦は初めのころは栃錦がよくて、
終わりは若乃花がよかった。地位は栃錦が
上であることが多かったので常に先行して
いた。横綱同士の対戦となって若乃花が優勢
になってきた。先場所まで栃錦19勝(不戦勝
含む)若乃花15勝(優勝決定戦1勝含む)で
あった。両力士左の相四つだけに力を十分
出し尽くしての攻防があった。

この大一番、「栃若時代 小坂秀二著 光人
社刊」によれば予想は次のようになった。

天竜「気迫は五分だが、若さ体力で若乃花が
五分五厘の有利」
玉ノ海「若乃花の地力がまさる」
秀の山、「ガップリとなれば大相撲。立ち
合いが勝負だ」
神風「離れて取れば栃錦だが、組めば断然
若乃花だ。元気な若乃花が組み止めるのでは
ないか」
浅香山「慎重さ、腰の低さからして若乃花
やや有利」
間垣「けいこ量と若さで若乃花。ほかの点
では五分」

<若乃花のブロマイド>

なお、秀の山=元笠置山、浅香山=元若瀬川、
間垣=元2代目清水川である。全般的に若乃
花有利とでた。その若乃花は「よく寝た、
と思っても3、4時間しか寝ていない。早く
明るくならないか」と当日の思いを語って
いる。

横綱同士による全勝決戦!激突のときは来た。
相撲はこう展開した。You Tube参照

https://www.youtube.com/watch?v=FLmnsa1ZvO8

左の合い四つだから栃錦も十分力を出せる
はずだが、栃錦はこう語っている。「若乃花
とやるときは左四つになるのだが、なにか
具合の悪い組まれ方になってしまう」

こうして世紀の一番は若乃花が全勝して8回
目の優勝となった。そして翌場所栃錦は場所
中に引退したため、これが最後の栃錦-若乃
花になった。

久々に九州の相撲仲間と語りました。
興味深いテーマをこれからもお届けします。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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