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土壇場で決まった有観客

7月13日に臨時理事会がおこなわれた。七月
場所の開催に関して及び中川親方の処分が
話し合われた。観客を入れるかどうか。これ
は予想としては微妙だった。プラス要因と
してプロ野球、Jリーグが観客を入れ始めて
いる。マイナス要因として東京の新型コロナ
ウイルス感染者が急増している点だ。いまや
東京在住者は他県に来ることを拒否される
流れが出てきている。もう一つは本場所まで
日程がなさ過ぎる点である。どっちにころぶ
か、結果は観客を入れての開催だった。

観客は2500人限定で、さじき・ボックスシー
トは使用しない。マス席は一人マス、椅子席
は3席あけての使用だという。通路席は空け
る。開場は13時になる。飲酒禁止、検温、
マスク着用。ほかにも多々あるが、新型コロ
ナウイルスが猛威をふるう現状ではやむを
得ない処置である。

<日刊スポーツの記事>

とにかく観客を入れる以上ファンは混乱した。
「チケットが購入できるか否か、わからない
のでは地方のファンは予定がたたない」、
「君子危うきに近寄らず。リスクのなかで
観戦したいとは思わない」、「下の取組が
見られないのでは面白さ半減」など相撲仲間
から様々な声が聞かれた。無観客の三月場所
は異様だった。音を強調する声はあったが、
大相撲はやはり熱気と声援(今回は拍手のみ)
が欠かせない。なにより観客のいない会場は
なにか不気味な光景に映った。

とにかくチケット購入は特別だから、不慣れ
ななかで全体像を把握しなければならない。
全体の構図、流れから理解するところから
始めなければならない。チケット情報はテレ
ビではわからない。概略は相撲仲間から知ら
された。その後情報を把握するも、次々と
知らない情報が入ってくる。

<スポーツニッポンの記事>

さて、出稽古禁止のなか、実際どんな場所に
なるのか。関取一人の部屋は厳しい。力士が
少ない部屋も苦しい。九月、十一月場所も
東京開催となった。通常開催はまだまだ遠そ
うである。引退した力士が多いなか、引退
相撲も決定できないでいる。先のことだが、
福祉大相撲、大相撲トーナメントも見通せ
ない。

もう一つの臨時理事会の議題は中川(元旭里)
親方のパワハラ問題である。結果は2階級
降格の平年寄となり、部屋は閉鎖された。
引退勧告という見方もあった中で協会に踏み
留まった。具体的な暴言も明らかにされた。
この不祥事は七月場所観客を入れての開催と
いうニュースにかき消された感がする。いつ
までも不祥事は忘れた頃にやってくる、では
いけない。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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