大相撲

千秋楽全勝決戦3

2020年8月20日

柏戸は苦悩していた。大鵬と抱き合わせで
横綱になったものの、横綱昇進時は優勝が
なかった。それだけではない。横綱に昇進
しても優勝がなかった。それどころかケガで
休場を余儀なくされ、4場所連続休場となっ
て追い詰められていた。大鵬はすでに6連覇
を含む11回優勝を達成していた。柏戸は優勝
1回。この差はいかんともしがたかった。

<柏戸>

昭和38年九月場所、4場所連続休場の柏戸は
再起をかけ土俵にあがった。柏戸は土俵を
離れていたから期待はできない。いや、案外
やって10勝はいけるのでは。という声をよそ
に初日潜航艇岩風、2日目出羽錦、3日目
小城ノ花と快調に白星を重ねていった。中盤
9日目北葉山、10日目栃ノ海を撃破。終盤
1敗の豊山、佐田の山、栃光と5大関に勝ち、
14勝と予想以上の成績で千秋楽を迎えた。

一方の大鵬は安定感と強さは誰もが認める
第一人者であった。全勝優勝の経験もあり、
5大関を寄せつけず、柏戸同様14連勝で横綱
決戦となった。

<大鵬>

立ち合い大鵬は両腕をクロスさせ、もろざし
狙い。柏戸は左前褌を取って相手の右を封じ
る。大鵬寄って出るも柏戸右おっつけで右
ざし、両まわしを引きつけ、一気に正面に
寄り切った。

柏戸涙の全勝優勝であった。16場所ぶり2回
目の優勝であった。これに感激するするメデ
ィアやファンがでたほど劇的な優勝であった。
ただ、この一番を作家の石原慎太郎氏が八百
長と書いたことで協会が告訴する騒ぎがあっ
た。石原氏が謝罪したことで協会は告訴を
取りさげた番外編があった。

<大鵬>

柏鵬全勝決戦の第2ラウンドはその4場所後
昭和39年三月場所にやってきた。大鵬はその
前の一月場所全勝優勝し、十一月場所の千秋
楽から30連勝中であった。大鵬充実期のとき
であった。この場所は大鵬がすくい投げで
制して2場所連続全勝優勝した。全勝決戦を
2度実現したのは前にもあとにも柏鵬だけで
あった。

(この項目続く)

週末は猛暑から解放されそうです。
興味深いテーマをこれからもお届けします。

 

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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