異例のなかで七月場所が始まった。異例の
なかに13時開場がある。そのせいか、正門
から南門を曲がって、70メートルほどの列が
できていた。このところ曇りと雨を繰り返し
ていた天気は初日に限って晴れた。おまけに
今日に限って日差しが強い。並ぶのは危険と
判断し、列のようすを木陰で見ることにした。
13時開場してから列は動くが、電車が来る
たびに新たな観客が列に加わる。列が短く
なり始めたのは13時40分を過ぎてからだった。
正門に木戸口はなかった。案内係が誘導し、
消毒、それから小さなまるいレンズのような
ものを見て検温。それが済んでからエント
ランスに入って、手袋をしたもぎり嬢がチケ
ットを切った。館内には大掛かりな空気が
よどまない装置が設置されていた。
今場所の焦点は出稽古禁止がどう相撲に影響
するか、あるいはしないかである。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/07/200719初日幕内-1000-e1595161943114.jpg)
新大関朝乃山の対戦相手は上位初進出の隆の
勝である。残念ながら、隆の勝には横綱・
大関を脅かす要素がまだない。それでも
隆の勝は思い切りよくあたっていった。朝乃
山は後退しない。左上手を取ってあっさり
送り出した。朝乃山は大関初日を白星で飾っ
た。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/07/200719初日幕内-1110-e1595161973668.jpg)
気になったのは鶴竜である。対戦相手は相撲
巧者遠藤である。あたった遠藤の頭をおさえ
ながらまわり込んだとき、仰向けに崩れて
しまった。決まり手はなんと、腰砕けである。
なんだか鶴竜が自滅したように聞こえるが、
見た目はなんとももろい鶴竜の負けっぷりで
あった。もっとも、1敗したからといって
鶴竜は悲観することはない。栃錦は初日に
負けて3回優勝している。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2020/07/200719初日幕内-1177-e1595162004393.jpg)
白鵬は隠岐の海に攻められ左四つに持ち込ま
れた。白鵬あわてずまわり込んで肩すかしで
一蹴した。ベテランの妙が発揮された一番
だった。
会場は2500人の観客だったが、大相撲を待ち
望んだファンの熱気にあふれていた。惜しみ
ない拍手が開場を包んでいた初日だった。
今日1日で5人の相撲仲間と出会いました。
興味深いテーマをこれからもお届けします。
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