denkouriki– Author –
-
不滅の?満員御礼連続666日
現在は相撲ブームである。チケットは過熱競争で、会場は連日満員札止めである。しかし、今とは比べ物にならないほどの空前の相撲ブームがかつてあった。昭和63年、元大関貴ノ花の藤島部屋に2人の息子が入門してきた。それは、がぜん相撲ファンの関心を高... -
変わりつつある宇良の相撲
変幻自在の相撲が見せ場であった宇良。アマチュア時代はあざやかな反り技を駆使してきた。そんな相撲、今までに見たことがなかっただけに、宇良への期待と注目が集まった。これまで、腰投げ、首ひねり、たすき反りなどでわかしてきた。成功しないまでも、... -
突破力が必要な遠藤
優勝できない稀勢の里、ここ一番に勝てない稀勢の里というイメージが稀勢の里にはついてまわった時期があった。しかし、今年の一月場所初優勝、さらに新横綱で優勝してもはや完全に払拭している。稀勢の里は2つの壁を突破したといえる。過去に惜しいと思... -
高安・照ノ富士の横綱先陣争い
現4横綱はいずれも30歳以上。今年はそろいもそろって途中休場がある。それだけに新しい力が欲しいところである。期待を担うのは勢いのある新大関高安と復調の兆しが見える照ノ富士である。稀勢の里は初優勝だけで横綱に昇進した。長い苦節の結果といえる... -
平成29年年間最多勝レース中間地点
今年、早くも半分の3場所が終了した。昨年の年間最多勝は、大関稀勢の里が獲得したが、今年はどうなるか。3場所までの中間経過をまとめてみた。そこには意外な結果が待ち受けていた。それが以下である。なお、対象は3場所幕内にいた力士とさせていただ... -
知られざる旧両国国技館
沖縄で開催されるAKB総選挙が、悪天候のため公民館で無観客選挙になった。開催場所はビーチだが、すでに田んぼのような状態だという。さらに天候は連日雨だという。いまさらながら野外興行の難しさを感じさせる。以前、大相撲史を真二つに分けるとした... -
スーパー人気力士貴ノ花
日刊スポーツによる人気力士アンケート「第6回大相撲総選挙」は稀勢の里に決定した。稀勢の里は第1回から6回連続トップである。稀勢の里の行く所、人が常に集まる。それも尋常でない数である。今日の相撲人気は稀勢の里人気といっても過言ではない。<... -
平成29年七月場所チケットネット事情
七月場所のチケットが発売されてから3週間が過ぎた。初日まで3週間余りとなった。およそ中間点となった今である。チケットは公式にはもちろん完売だが、ネットはそうでもない。そこで、中間地点の大相撲チケットネット事情を調べてみた。ネットはいくつ... -
相撲のバイブル わが回想の双葉山定次
双葉山といえばどんなイメージをもつだろうか。片目でうちたてた69連勝、年2場所時代に12回の最高優勝回数、相手が立てばいつでも立つ立ち合い、信念の人。69連勝は4分の3世紀以上たった今でも破られていない。後の先の立ち合いは誰もマネできない。双... -
成績で決まる十両優勝賞金考
五月場所の十両の土俵は混戦というかどんぐりの背比べというべきか。終わってみれば錦木の単独10勝5敗の優勝となった。先場所も10勝5敗だったが、巴戦であった。十両は抜群の力士がいなければこういうこともあり得るのだろうが、成績としては寂しい限り... -
白鵬独走の元凶
五月場所は優勝争いらしい優勝争いがなく、13日目を迎えて事実上の白鵬の優勝が決定的だった。そして終わってみれば白鵬の独走であった。白鵬はここ5場所優勝がなく、しかも不調であった。だから、優勝できるかどうか定かでなかった。そういう意味で白鵬... -
ライバル差がつくとき 玉の海 北の富士
昭和44年、長く続いた大鵬時代は陰りを帯びてきた。大鵬より後から横綱になった栃ノ海、佐田の山は先に引退していた。同日横綱に昇進した柏戸は、昭和43年頃から衰えが目立ってきた。9勝6敗の成績が多くなってきた。しかし、柏戸は辞めるに辞められなか... -
一人大関の時代
今年(H29年)の一月場所、大関は4人いた。稀勢の里が横綱に昇進し、琴奨菊が関脇に落ちて、三月場所・五月場所は大関が2人に減った。そこへ五月場所後に高安の大関が確定し、七月場所は3大関となる。3大関の中から将来2人が早い時期に横綱に昇進すれ... -
大相撲中継さまざま
五月場所がぶじ終わって2週間近くになる。五月場所はあるものがなかった。それは今思うと奇跡だったのかもしれない。そのあるものとは相撲ファンの天敵国会中継である。これが五月場所は1度もなかった。1月から6月までは通常国会中である。1月は始ま... -
プロと学生相撲の差
現代の大相撲の勢力図を大きく描くのは、モンゴルと学生出身であろう。五月場所では小柳改め豊山が入幕し、矢後、水戸龍が幕下15枚目格付け出しでデビューした。技能賞を受賞した嘉風、人気の遠藤・宇良も学生出身である。ほかに松鳳山、徳勝龍、豪風、正... -
稀勢の里の苦悩
稀勢の里の稽古のようすが伝えられている。現段階ではまだ、試行錯誤の状態である。下の者をつかまえて左を試してみたりする段階である。だが、時は刻々と過ぎゆく。東京での稽古時間はあと2週間半になった。五月場所は嘉風に左を攻められて負けたり、遠... -
高安の相撲内容を採点する
五月場所の話題の一つに高安の大関昇進なるか、があった。高安は地力と自信をつけ、場所に臨んだ。15日間、高安はどんな相撲を取ったのか。相撲内容を採点してみた。採点の基準は、自分の力をどれくらい土俵で発揮したかである。勝ち負けではない。点数は... -
立ち合いの手つき不十分に一考
相撲は一番勝負である。だから下位力士が横綱を倒すことがありえるわけである。これが3本勝負だと番狂わせは極端に減っていくと想像できる。ところが、五月場所10日目の栃ノ心対大翔丸戦で3本勝負おこなわれたのである。東栃ノ心、西大翔丸である。最初... -
高安を追う者
高安が大関に昇進したことで、4横綱3大関となった。7人は数としては多い部類に入る。早い話、7人に負けたら関脇以下には1番も落とせないことになる。横綱大関は飽和状態といえる。それでも相撲ファンは新しい力を求めてやまない。高安に続く者ははた... -
新版 新大関の通信簿
五月場所後、高安が文句なしに大関に昇進した。いささか過熱気味の報道の中、話題はつきない。新大関は、近く七月場所に向けて始動すると思われる。新大関の場所は、今後の高安を見通す上でも大事な場所となる。これまで、先輩大関はどのような成績を残し... -
高安大関までの出世街道
高安の大関昇進とともに、様々なエピソード、家族、地元の盛り上がり、名店などが、これでもかこれでもかと連日テレビで紹介された。かつて大関昇進でここまでニュースになったことがあっただろうか。高安フィーバーともいうべき現象がわきおこった。<幕... -
相撲専門誌3誌競合時代
今日相撲専門誌3誌が発売された。先日千秋楽を迎えた五月場所の決算号である。相撲専門誌は五月場所展望号から3誌競合時代に入っている。表紙は雑誌の顔と言われる。表紙を何にするかは、重要なポイントである。優勝した白鵬単独にしたのは、スポーツ報... -
新大関高安論
高安が正式に大関に昇進した。まずはおめでとうと祝福したい。高安の口上は「大関の名に恥じぬよう正々堂々精進します」であった。高安は下のころだけでなく、入幕してからも将来の大関候補として期待されてきたわけではない。大関になれるのでは、と思わ... -
平成29年七月場所チケット事情
七月場所のチケットが、五月場所中の12日目に発売された。ここ数年は12日目に発売だが、以前は五月場所の5日目であった。なぜ、七月場所のチケット発売日だけ場所中、しかも平日なのか。これは中日新聞社が共催していて、その意向が働いているからのよう... -
平成29年五月場所総評
★大相撲は稀勢の里人気五月場所はチケット発売当日に1時間半で15日間完売になるほどの人気だった。これは三月場所で負傷をおして逆転優勝した稀勢の里への感動と稀勢の里が横綱として国技館初登場が重なった人気である。それでなくても稀勢の里の行くとこ... -
■夏千秋楽 横綱第一候補に浮上した照ノ富士
優勝が決まった千秋楽。注目は大関照ノ富士対関脇高安戦である。ともに11勝3敗の成績で勝ったほうが12勝となる。それは同時に連続12勝以上の成績となる。11勝を何場所続けても横綱にはなれない。しかし、12勝は横綱へのステッにつながる。高安は関脇とは... -
■夏14日目 白鵬の優勝の位置づけ
白鵬全勝。次点とは2差ある。白鵬が優勝を逃すケースは、優勝決定戦を入れて3連敗したときである。全勝でここまできた横綱が負け続けるとは考えにくい。白鵬の優勝は事実上決まって迎えた14日目。どうしても盛り上がりが乏しくなりがちである。<白鵬、... -
■夏13日目 高安堂々たる大関への勝利
優勝に関る一番として1敗横綱日馬富士、2敗関脇高安が組まれた。高安の大関昇進ムードは高まっている。だが、日馬富士は強敵である。12勝をあげた先場所でさえ日馬富士には負けている。地力は日馬富士が上である。しかし、今の高安には現役大関を越える... -
■夏12日目 盛り上がりに欠けた日あれこれ
稀勢の里休場の影響がもろこの日の取組にでた。小結以上同士の対戦は、御嶽海対琴奨菊戦のみという寂しさである。優勝がかかる白鵬の相手は平幕栃煌山。同じく日馬富士の相手は平幕貴ノ岩。おまけに休場で日馬富士の不戦勝。大関をかける高安の相手は負け... -
■夏11日目 稀勢の里と魁傑・横綱玉の海の比較
<稀勢の里>稀勢の里がとうとう休場した。これは最も見たくない結末である。負けが込んで休場するくらいなら、最初から休場したほうがはるかにスッキリする。そうしなかったのは明らかに判断の誤りである。途中休場したことは稀勢の里にとって、何も残ら... -
■夏10日目 相撲人生最大のピンチに陥った稀勢の里
琴奨菊は今場所立ち合いからのあたりを受け止められ、あるいは受け流され、さらに、はじき返されてきた。星があがらず苦戦相撲が続いていた。その琴奨菊相手に稀勢の里は立ち合いからあたられ、後退してあっけなく土俵をわったのである。稀勢の里は勝てる... -
■夏9日目 方向性が見えてきた三番
今日の森永賞は日馬富士対玉鷲の横綱関脇戦ではない。照ノ富士対豪栄道の大関対決でもない。稀勢の里対栃煌山の横綱対平幕戦である。本来ならこの取組は組まれる予定がなかった一番である。鶴竜の休場によって急遽繰り上げられて実現したわけである。この... -
■夏8日目 平成29年五月場所のゆくえ
稀勢の里は碧山相手に攻めた。といってもけして攻め急がなかった。攻め急いで土俵際の突き落としを用心したのか、慎重な上にも慎重な攻めで土俵をまわる碧山を追い立てた。慎重だが、止まることなく最後は寄り切った。防御にまわることはなかった。この点... -
■夏7日目 戦える体になってきた稀勢の里
稀勢の里対御嶽海。稀勢の里はこれまで一度も負けたことがないとはいえ、それは負傷前のことである。御嶽海の立ち合いのあたり、押しは型にはまれば威力を発揮するいやな相手である。かなり油断はできない。だが、御嶽海は組みにいった。左四つ頭をつけ上... -
■夏6日目 恐るべき玉鷲!高安を粉砕
稀勢の里の対戦相手は、全敗の大栄翔である。連日勝っても一苦労の稀勢の里にとっては、比較的取りやすい相手ではないだろうか。相撲内容は、稀勢の里が圧倒し、大栄翔はまわり込むのが精一杯。最後は、稀勢の里が体を預けての完勝であった。好調高安は玉... -
■夏5日目 相撲内容がいい日馬富士・高安
今日の稀勢の里の対戦相手は、新鋭の千代翔馬である。千代翔馬は考えた相撲を取った。素早く右へ動いて上手を取って、投げ、足技で揺さぶりをかける。稀勢の里は上手が取れず、ひたすら相手の攻撃を忍ぶ。体勢が大きくくずれることはないが、攻め手に欠け... -
■夏4日目 稀勢の里の左四つを封じた遠藤
遠藤はときどき目の覚めるようないい相撲を取ることがある。この日の稀勢の里戦がまさにそうだ。遠藤が離れて突きで攻めたてる。稀勢の里とて突き押しなら通常ひけをとらないはずだが、この場合通常とはいかなかった。稀勢の里の左の威力の差か、遠藤の突... -
■夏3日目 白鵬から消えた磐石の体勢
今日の稀勢の里の対戦相手は前日鶴竜を倒した千代の国である。千代の国はあたって、突き合いに持ち込んだ。そして左へ左へと動いて、揺さぶりをかける。離れて取る考えた戦法である。ここぞとばかりに出て稀勢の里を青房下土俵へ追い詰める。稀勢の里は立... -
■夏2日目 現役大関よりはるかに強い高安
今日の注目は初日負けた稀勢の里の相撲である。ここで連敗するようだと、先行きは暗澹たるものになってくる。対戦相手は隠岐の海。油断はできないが、嘉風よりは取り易いかもしれない。稀勢の里は立ち合い踏み込んで、左四つ。圧力を加えて前に出て、ここ... -
■夏初日 出場裏目の敗北!不安1敗の稀勢の里
初日結びの一番、注目の稀勢の里対嘉風の対戦は嘉風が右おっつけで、稀勢の里の弱点を攻めるとともに、上体を起こしてさらに出た。稀勢の里はなにもできずに土俵を割った。館内に失望の声が響いた。座布団を投げる者もいた。稀勢の里の左のテーピングがい... -
五月場所展望
・本命なき優勝争い本来なら連続優勝の稀勢の里が第一候補であるのだが、そうは言えないところに悩ましさがある。この1年間(平成28年五月場所から平成29年春場所)74勝16敗と抜群の成績と安定感である。こうみてくると稀勢の里の負傷は相撲界にとって大... -
未知数稀勢の里
三月場所で重症をおった稀勢の里が五月場所の出場を決めた。春の巡業を休み、横綱審議委員会の稽古総見を欠席してきた。出稽古は6日からだが、手探りからある程度まで戦える内容だった。その間出場すると断言することはなかった。取組編成が行われる12日... -
高安の15日間を推測する
五月場所、高安の大関を狙う戦いがいよいよ始める。高安は15日間どんな戦いをするか、推測してみた。なお、成績は高安からみた数字で( )はここ1年間の成績である。▼強敵1.白鵬2勝16敗(×●×●○×)高安にとって最大の強敵は横綱陣になる。なかでも白... -
平成29年夏!横綱・大関に挑む10人のサムライ
五月場所、横綱・大関全員あるいは1人足りない準対戦するのは、番付でいうと関脇玉鷲から前頭東3枚目の大栄翔までである。ただし、横綱稀勢の里の出場が未だはっきりしない。仮に出場しても最後まで取れる見通しはない。そのため西3枚目の碧山まで対戦... -
白鵬を待ち受ける記録
三月場所前、白鵬が稀勢の里を指名して稽古していたから、やる気満々だと思った。それがよもやの途中休場だから意外だった。特に4日目、勢の出足に、なすすべなく後退したのには驚いた。勢の立ち合いは、本来白鵬を脅かす要素はほとんどない。それが勢に... -
大関昇進 その成績
一月場所11勝、三月場所12勝をあげた高安の大関昇進が現実味を帯びてきた。高安にとっては2度目の挑戦になる。前回は昨年の七月場所11勝、九月場所10勝をあげたが、十一月場所7勝に終わってしまった。かつて大麒麟は12勝-10勝-10勝-4勝、11勝-11勝... -
カド番に挑む豪栄道と真価を問われる照ノ富士
五月場所、先場所途中休場した豪栄道はカド番で迎えることになる。大関在位16場所を終えて、5度目のカド番である。約3場所に1回はカド番である。全勝優勝してまだ1年たってないが、そのイメージは時とともに薄れつつある。今の豪栄道は横綱を狙うどこ... -
高安 カモと苦手
五月場所、注目されるのが高安の大関昇進なるか、である。高安は入幕して5年5場所経過した。その間、三賞は殊勲賞3回、敢闘賞4回、技能賞1回、計8回受賞している。三役は小結4場所、関脇3場所務めている。現在5場所連続三役である。それでは5年... -
低空飛行を脱却できるか鶴竜・日馬
52勝23敗15休60勝22敗8休これは鶴竜と日馬富士のここ1年間(平成28年五月場所から平成29年三月場所)の成績である。稀勢の里がここ1年間74勝16敗の成績をあげているのと比較すると、いかにも低空飛行の数字である。鶴竜と日馬富士は横綱としての責任を... -
阿武咲・小柳改め豊山の出世街道
五月場所、阿武咲・小柳改め豊山が新入幕を果たした。両力士とも期待される逸材として下のころから注目を集めてきた。阿武咲・小柳改め豊山はここまでどんな出世街道を歩んできたのかみていこう。阿武咲はわずか11場所で十両昇進を決定した。2年かかって... -
稽古総見見聞記
今日5月3日は1年ぶりの稽古総見の一般公開日である。国技館には昨年同様5時半に着いた。並んでいる列は南門を越えて大江戸博物館方向に伸びている。だが、4列に並び直すと南門あたりに縮んだ。ここから方向を変えて国技館横に並ばせた。昨年は櫓あた... -
佐田の山死去 その現役と理事長時代をふり返る
元横綱そして元理事長であった佐田の山が、肺炎で4月27日に都内の病院で亡くなられたことがわかった。79歳であった。協会退任後は、ほとんど消息を聞くことがなかった。横綱の没年順は以下である。佐田の山の四股名は、旧姓の佐々田からきている。現在「... -
平成29年五月場所新番付の視点
平成29年五月場所の新番付が発表された。第一横綱は先場所優勝した稀勢の里。第4横綱は白鵬だから、1年前では考えられなかった立場の逆転である。稀勢の里の充実、白鵬の衰えがこのようなカタチとなった。<稀勢の里 本場所初の土俵入り> 関脇は... -
横審誕生以前の横綱の昇進5
昭和14年春場所4日目は安芸ノ海の運命を変えた日だった。双葉山の連勝を69でストップした日である。安芸ノ海は英雄であった。誰もが双葉山の牙城に挑み、誰もがはね返されていた。双葉山が負けることはおよそ考えられなかった。安芸ノ海は一番相撲に強く... -
右往左往の外国人初優勝
今でこそ外国人の優勝は当たり前の時代になっている。いや、それどころか、琴奨菊の平成28年一月場所の優勝は、日本出身の日本人優勝としては10年ぶりであった。その間モンゴル、ブルガリア、エストニアと外国勢の独占であった。そうした外国人の優勝にも... -
横審誕生以前の横綱の昇進4
このテーマはすっかり間が開いてしまって誠に恐縮だが、改めて再開したい。なお、以前どのようなことが書かれていたか、思い出していただくため、下記をクリックして参照していただければ幸いである。横審誕生以前の横綱の昇進1横審誕生以前の横綱の昇進... -
新横綱場所を上回る横綱2場所目の成績
稀勢の里が横綱2場所目を迎える。通常横綱の2場所目は力が発揮しやすく、優勝率も高まる。先人の横綱はどういう成績を残してきたか。15日制が定着した千代の山以降の横綱を調べてみた。それが以下である。新横綱の優勝は15日制で、大鵬、隆の里、貴乃花... -
四股名あれこれ 春日野部屋編
春日野部屋の四股名で誰しも思い浮かべるのは、四股名の頭に「栃」の字がつくことであろう。あるいは一昔前のファンなら、栃錦-栃ノ海-栃東と続く小兵名人の系譜であろうか。春日野部屋の力士の四股名に「栃」がつくのは、出羽海部屋から独立した大正の... -
稀勢の里の変身
今年に入り、稀勢の里は初優勝、横綱初優勝、連続優勝と達成してきた。これまでは、優勝に手が届きそうで届かず、逃してきた、あるいはここ一番に勝てない、といった昨年(平成28年)までの相撲を一掃し、様変わりしてきた。今後目指すとしたら先代師匠の... -
小兵力士の戦法
相撲を面白くする要素に小兵の存在がある。現代なら宇良、石浦、里山、照強などである。今は特に重量級が勢ぞろいしているだけに、小兵の生きる道はひときわ厳しいといえる。135キロの横綱日馬富士さえ小さい部類にはいってしまうほどである。北の富士、玉... -
横綱の休場あけ優勝
白鵬が優勝に苦しんでいる。三月場所は新横綱稀勢の里に立ちふさがるかと思われたが、予想に反して途中休場してしまった。白鵬は元々横綱休場の少ない力士だった。横綱連続皆勤48場所の最高記録をもつ。続くのが北の湖の42場所である。白鵬は横綱になって... -
照ノ富士の全盛期
三月場所優勝同点に終わったが、久々に積極的で元気あふれる相撲を取った照ノ富士。照ノ富士がいたからこそ、稀勢の里の逆転優勝が感動を呼んだともいえる。三月場所は照ノ富士にとって実はカド番であった。それも4度目のカド番であった。昨年(平成28年... -
問題点を探る 大相撲チケット販売のあり方
大相撲は好況が続いている。というより異常とも思える過熱ぶりである。協会員にとっては喜ばしい限りだが、ファンにとっては悪戦苦闘することが多い。悪戦苦闘をこえてギブアップするしかないケースも出ている。特にアナログでしか購入できない方は、八方... -
スーパー力士大鵬
将棋界は、中学生プロ棋士藤井聡太四段の誕生・活躍が話題になっている。頭脳を駆使し、幼少の頃から取り組めばありうることである。といってもこれまで4例しかいないのだから、偉業には違いない。相撲は体作り、稽古の積み重ねが必要だから、こうはいか... -
玉鷲32歳からの急成長
玉鷲といえばこれまで目立つ存在ではなかった。十両には5度転落している。つい最近まで三賞とは無縁であった。横綱・大関にはもしかしたらという恐さを与えられるような相撲ではなかった。このままではインパクトの薄い力士に終わっても不思議はなかった... -
高安の上位戦を分析する
先場所12勝をあげて大活躍した高安。五月場所はいよいよ大関昇進をかける場所になる。それだけ高安が焦点になる。実は、幕内は2つある。横綱・大関全員と対戦(あるいは1番少ない準対戦)するクラスとそうでないクラスの2つである。高安はこれまで上位... -
差がついた御嶽海と正代
三月場所、御嶽海は横綱・大関全員と対戦する小結で9勝6敗と勝ち越した。横綱戦は1勝3敗(1勝は白鵬からの不戦勝)、大関戦は1敗、関脇以下に8勝2敗であった。一方正代は横綱・大関全員と対戦する小結で4勝11敗と大敗した。横綱戦は1勝3敗、大... -
大相撲ポスター余話
五月場所でちょっとした変化があった。それは場所のポスターが稀勢の里の土俵入りであることだ。これまでは奇をてらったようなポスターがメインでずっと続いていた。それだけに目に付いた。思い起こせば1年前も稀勢の里のポスターだった。もっとも七月場... -
栃錦・若乃花(初代)の出世街道
相撲史に類をみないほど拮抗した栃錦と若乃花。それも、ともに小兵で(後年栃錦は体重が増加した)ありながら、大型力士を相手にして、時代を築いた。千代の富士が2人いるようなものだから相撲は面白かった。2人の活躍はよく知られているところだが、出... -
大相撲冬の時代を支えた白鵬
このところ白鵬が弱くなった、衰えたという話ばかり書いてきた。人間照る日があれば曇る日もある。また「白鵬のかちあげ、ダメ押し、懸賞金の取り方が嫌いという方」がいるかもしれないが、人間には功罪がある。ということで白鵬が、実は大変な功労者であ... -
高安大関近しで改めて考えたこと
三月場所は12勝と自己最高タイの成績をあげ、大いに場所を盛り上げ、ファンをわかせた高安。一月場所の11勝に続いての好成績だけに五月場所は、大関昇進をかけた場所になる。最近、「大関昇進は、3場所通算33勝が目安」が一人歩きしている。数字だけで決... -
ライバル差がつくとき 輪島・貴ノ花
貴ノ花が22歳年の離れた兄二子山(元初代若乃花)に入門したのは、昭和40年であった。兄二子山(元初代若乃花)は最初入門に反対した。実の弟若緑で失敗していたし、何より水泳で中学記録を出していたから、将来オリンピックを目指せる逸材であった。なお... -
幕内外国人力士の年寄事情
現代の幕内力士で、外国人はすぐに全部あげられない程、進出は多くなっている。白鵬、鶴竜、日馬富士、照ノ富士、玉鷲、蒼国来、貴ノ岩、荒鷲、碧山、逸ノ城、千代翔馬、魁聖、栃ノ心、旭秀鵬である。元幕内では臥牙丸、大砂嵐、阿夢露、朝赤龍、翔天狼、... -
千秋楽 本割・優勝決定戦連勝しての優勝5
第7号は千代大海である。千代大海は当時(平成11年一月場所)まだ関脇であった。横綱3代目若乃花は横綱4場所目であった。横綱としての優勝はまだなかった。千代大海は7日目土佐ノ海、11日目安芸乃島に負けて2敗で千秋楽の若乃花戦を迎えた。若乃花は... -
宇良8番勝負
三月場所は稀勢の里の負傷をおしてのまさかの逆転優勝のインパクトが強すぎた。もう一つの話題新入幕の宇良がかすんだカタチだが、どんな相撲を取るか本来ならもっと注目が集まっても不思議ではない。奮闘宇良の勝利の8番をふり返ってみよう。初日 佐田... -
平成29年五月場所チケット事情
4月8日土曜10時、五月場所の前売りが始まった。大阪場所、負傷稀勢の里の本割・優勝決定戦を連勝した感動シーンで、いっそう人気は高まることが予想された。大阪場所は、2時間十数分で15日間分のチケットが完売した。大阪府立体育会館が7800人のキャパ... -
千秋楽 本割・優勝決定戦連勝しての優勝4
第6号は曙である。曙と貴乃花は同期の桜だ。2人は激しい出世争いをしてきた。初優勝は貴乃花(当時貴花田)が先行し、2場所後曙が追いかけるカタチで初優勝した。しかし、大関、横綱への昇進は曙が先行し、貴乃花が追いかけるカタチとなった。<曙>&nb... -
巡業での稽古のあり方
春巡業が始まって、巡業の様子が伝えられている。負傷した稀勢の里は休場している。負傷に関して新たな情報がはいると、短期間に直ると考えるのは、楽観的すぎると思えてくる。また、無理に出場しても、百戦錬磨及び若手力士は今度間違いなく稀勢の里の弱... -
千秋楽 本割・優勝決定戦連勝しての優勝3
第4号は大乃国である。北勝海と大乃国はともに北海道出身。横綱に昇進した時期も近かった。北勝海が2場所早い。大乃国は新横綱の場所を8勝7敗、翌場所肝臓機能障害などで途中休場した。横綱として窮地であった。3場所目の昭和63年三月場所大乃国は2... -
大相撲外国人差別問題を考察する
去る三月場所14日目、大関照ノ富士が大関復帰を目指す琴奨菊に変化で勝ったときのことである。観客から「モンゴルに帰れ」という野次がとんだ。これはモンゴル人に対する差別ではないか、というのである。国会で文部科学大臣が「まず、事実関係をしっかり... -
記録遠のく白鵬
三月場所、横綱らしい相撲が取れず、早々と途中休場した白鵬。これで5場所連続優勝なしと、初優勝以降ワースト記録となった。成績もよくない。34勝16敗25休である。勝率6割8分である。記録男白鵬もここへきて急激に衰えが忍び寄っている。<三月場所4... -
千秋楽 本割・優勝決定戦連勝しての優勝2
第3号は横綱輪島である。輪島は昭和48年七月場所に横綱になった。その4場所前、貴ノ花と同日大関に昇進したが、次第に差がついていった。突如輪島に対抗するように出現したのが北の湖であった。昭和49年一月場所、関脇で優勝した北の湖はその勢いのまま... -
稀勢の里の相撲内容を採点する
三月場所は稀勢の里で始まり、稀勢の里で終了した。その間、稀勢の里はどんな相撲を取ったのか。相撲内容を採点してみた。採点の基準は、自分の力をどれくらい土俵で発揮したかである。勝ち負けではない。点数は1点から最高5点までとし、小数点0.5まで区... -
千秋楽 本割・優勝決定戦連勝しての優勝1
去る三月場所、左の負傷をおして出場した新横綱稀勢の里2敗。先頭を走るのは1敗大関照ノ富士。負傷稀勢の里が照ノ富士を本割・優勝決定戦と2番勝利するとは誰が想像できただろうか。<栃錦のブロマイド> 千秋楽の本割、優勝決定戦で逆転優勝した... -
稀勢の里の本当の価値
稀勢の里が春巡業を休場して、治療に専念するという。治療は1ヶ月を要する。巡業で稀勢の里に会うことを楽しみにしていたファンには残念なことかもしれない。しかし、稀勢の里の力士生命を大切に思うなら、ケガを直すことが第一である。<モンゴルに対抗... -
稀勢の里の初休場
三月場所、重症をかかえながら最後まで出場した稀勢の里。その不屈の精神力に頭が下がる思いである。それほどの稀勢の里が、実はこれまでたった1度だけ休場したことがある。それも稀勢の里にとっては不本意な休場であったと記憶している。いったいどんな... -
稀勢の里涙の表彰式
傷だらけの優勝。負傷稀勢の里の予想もできない本割・優勝決定戦での逆転優勝は、まさにまさかの展開で、大相撲ファンの心に強烈な感動を刻んだ。テレビは千秋楽の放送を10分延長したが、表彰式の模様は冒頭のみであった。改めて主な表彰を稀勢の里の表情... -
平成29年三月場所総評
★稀勢の里で始まり稀勢の里に終わった場所だがまず、三月場所のチケットが発売当日2時間十数分で15日分が完売した。これ以上ないと思えるほどのスピード完売だった。今、大相撲の人気の源は日本人横綱になっている。話題性、期待度は大きい。<君が代斉唱... -
■春千秋楽 大波乱!稀勢の里が逆転優勝
ついに千秋楽をむかえた三月場所。しかし、期待がふくらむとはいかない。1敗照ノ富士、2敗稀勢の里。直接対決で優勝を争うのだが、稀勢の里の左肩は、重症だからまず相撲にならない、と誰しも思う。筆者も思う。しかし、稀勢の里は昨日の鶴竜との敗戦から... -
■春14日目 稀勢の里休場のすすめ
14日目は取組開始は遅い。10時ごろ体育館前でスポーツ紙記者が、お客さんに稀勢の里の出場をどう思うか。という声が耳に入ってきた 。なんと稀勢の里は出場するのか。そこへ10大ニュースや場所の展望で回答をくださるM氏とばったり。稀勢の里は出場は驚き... -
■春13日目 暗転の新横綱
日馬富士の速攻に稀勢の里は、土俵下へ転落。日馬富士の集中力とスピードはすばらしかった。先場所白鵬が逆転を許したような微塵の甘さもなかった。土俵下に落ちた稀勢の里はしばらくおきあがれない。左肩をおさえているようだ。脱臼かと心配する向きもあ... -
■春12日目 優勝のゆくえ
ここへ来て優勝戦線は大きく様変わりした。高安は日馬富士にいいところなく敗れ、連敗。幾分優勝から後退した。高安は残り3日を勝ち抜き、13勝にしておきたいところである。稀勢の里は荒鷲を問題にしなかった。それにしても12日目に負け越している荒鷲を... -
■春11日目 最高の相撲で高安を撃破した鶴竜
全勝高安、最初の横綱戦は鶴竜であった。この一番、鶴竜は最高の立ち合いをした。前褌を取って食い下がった。これで高安は突き押しを封じられた。それでも高安の抵抗はすさまじく、鶴竜は簡単に攻めきれない。これが横綱対関脇戦か。鶴竜は有利な体勢をを... -
■春10日目 稀勢、高安優勝に近いのはどっち
全勝高安対貴ノ岩戦 何とか勢いのある高安を止めようとして貴ノ岩は変化に出た。だが、高安はくずれない。逆にあわてる貴ノ岩をはたき落としてしまった。変化をくうのは立ち合いが斜め上に向けて立たないからである。高安に奇策は通じなかった。全勝... -
■春9日目 不発に終わった二の矢、三の矢
全勝高安対豪風戦豪風は何をするかわからない側面をもっている。 それが高安相手に立ち合いの奇襲に出た。高安、大きく泳いだが、そこまでだった。 足が出ず、ばったり倒れこんだ。曲者ぶりはみせたが、惜しかった。全勝稀勢の里対琴奨菊戦琴奨菊は先場所... -
■春8日目 後半の見所は誰が稀勢、高安を倒すか
7戦全勝で、同じ田子ノ浦部屋の稀勢の里と高安が快進撃を続けている。新横綱、関脇ということからいえば、予想以上の成績である。この日高安は地元大阪出身の勢戦に勝ち越しをかける。しかし、出足が止まり、互いに上手が取れず、探り合いの状態。一瞬、... -
◆お知らせ 賢明な読者の皆様へ
土俵の目撃者をいつもご愛読いただき誠にありがとうございます。足を使い、この目で見た生の大相撲をお届けするため、8日目から千秋楽まで大阪入りします。同時に大阪情報もお届けする予定です。(ホテルにパソコンがあるので大丈夫だと思います……)原則... -
■春7日目 場所のゆくえ
7日目が終了し、場所は思わぬ展開をみせてきた。思わぬとは予想を超えているということである。まず、白鵬がもろい負け方をし、早々と休場していまったことである。場所前、稀勢の里を指名して稽古した横綱とは思えない結果である。稀勢の里に対抗できる... -
■春6日目 高安への大いなる期待
白鵬に続き、4連敗の豪栄道が今日から休場した。これによって横綱・大関リーグ戦は5番しか行われなくなった。このままいけば12日目までに横綱・大関リーグ戦はないことになる。先場所は12日目と14日目という終盤戦に横綱・大関リーグ戦が2日間もなかっ... -
■春5日目 予想を超えた稀勢の里
2敗白鵬が今日から休場した。4横綱の皆勤は、最初の場所から崩壊した。豪栄道が4連敗で今後どうするか気になる。負けが込んだから休場するのはおかしいし、みっともない。悪いところがあるなら最初から休むべきである。「休場は試合放棄である」と言っ...