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立ち合いの手つき不十分に一考

相撲は一番勝負である。だから下位力士が
横綱を倒すことがありえるわけである。これ
が3本勝負だと番狂わせは極端に減っていく
と想像できる。ところが、五月場所10日目の
栃ノ心対大翔丸戦で3本勝負おこなわれたの
である。東栃ノ心、西大翔丸である。
最初の一番は大翔丸が左へ動いて、下から
栃ノ心を押し上げ、西土俵下へもたれこんだ。
通常なら大翔丸の勝ちである。ところが大翔
丸の手つき不十分でやり直しとなった。実は
正面の藤島審判長(元武双山)が立ち上がっ
た瞬間手を上げていた。つまり両力士は気づ
かず、そのまま勝負が進行したわけである。
170523十日目幕内 160
<栃ノ心(右)対大翔丸一番勝負>

やり直しとなった二番勝負は、同じように
大翔丸が左へ動くも、栃ノ心かまわず正面に
突き出した。ところが、これも大翔丸の手つ
き不十分で、勝負不成立であった。藤島審判
長も再び立ち上がった瞬間手を上げて止めて
いた
170523十日目幕内 188
<栃ノ心(右)対大翔丸二番勝負>

再びやり直しとなった三番勝負は、栃ノ心が
怒りの張り手、大翔丸は再三左へ動く。栃ノ
心組みかけて前へ圧力を加える。大翔丸、右
へ回り込む。だが、栃ノ心は突っ張って追撃
して、寄りたて、勝負あってからすくい投げ
をはなった。こうして三番勝負は栃ノ心が
2本とるカタチとなった。
170523十日目幕内 220
<栃ノ心(左)対大翔丸三番勝負>

しかし、手つき不十分は大翔丸なのだから、
二番勝負で負けたときはやり直しをさせる
ことなく、勝負あったでもいいのではない
だろうか。手つき不十分の力士が勝ったとき
は、やり直しでいい。しかし、手つき不十分
の力士が負けたときは、勝負成立でいい。
そうしないと相手力士はたまったものでは
ない。また、相手の出方を探るため、作戦的
に手つき不十分の力士がでかねない。なり
より、観客の立場からすると、やり直しは
見ていてしらける。

暑さとともにかび対策が必要です。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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