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稀勢の里の変身

今年に入り、稀勢の里は初優勝、横綱初優勝、
連続優勝と達成してきた。これまでは、優勝
に手が届きそうで届かず、逃してきた、ある
いはここ一番に勝てない、といった昨年(平
成28年)までの相撲を一掃し、様変わりして
きた。今後目指すとしたら先代師匠の横綱
隆の里が成し遂げている全勝優勝である。
170326千秋楽パレード 015
<三月場所逆転優勝した稀勢の里 旗手高安>
 
相撲の型の点に関してはどうか。北の湖が
横綱になったとき、玉錦のように出足を生か
した寄り相撲がいいか。双葉山のように安定
感のある相撲がいいか。若くして横綱になっ
ただけに、その未来はあらゆる可能性を秘め
ていた。結局北の湖は体をぶつけるような
立ち合いと出足をいかした相撲を取っていく
ことになった。
稀勢の里は左四つだが、上手を取るのが早い
わけではない。腕(かいな)を返して相手に
上手を与えない相撲が目立つわけでもない。
ひたすら相手に圧力をかける相撲である。
場合によっては、突き押しで圧倒してしまう
相撲である。かつて、四つから突き押し、
さらに四つ身で圧倒して白鵬の連勝を63で
ストップしたことがある。
161122十日目幕内 487
<H28年十一月 稀勢、白鵬を寄り切る>
 
稀勢の里の相撲にスキはないか。昨年(平成
28年)松鳳山が立ち合いの変化からの突き
落とし、栃ノ心が立ち合い変化からの攻めで
勝ったことがあった。しかし、両力士とも
曲者ではない。思いおこせば、横綱朝青龍が
稀勢の里にけたぐりで勝ったことがある。
奇襲はめったにないが、稀勢の里は油断しな
いことである。
160722十三日目幕内 727
<H28年七月 稀勢の里、日馬富士に敗れる>
 
稀勢の里はここ1年で白鵬に3勝1敗と勝ち
越している。その反面、日馬富士に2勝3敗、
鶴竜に1勝3敗と負け越している。稀勢の里
は、鶴竜は最も取り易い横綱である。しかし、
日馬富士のスピード、集中力にたびたび負け
ている。日馬富士対策が不可欠である。その
ため、稀勢の里のさらなる変身が求められる。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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