大相撲

大相撲外国人差別問題を考察する

2017年4月4日

去る三月場所14日目、大関照ノ富士が大関
復帰を目指す琴奨菊に変化で勝ったときの
ことである。観客から「モンゴルに帰れ」と
いう野次がとんだ。これはモンゴル人に対す
る差別ではないか、というのである。国会で
文部科学大臣が「まず、事実関係をしっかり
と確認し、スポーツ界における差別の根絶に
取り組んでまいります」と答えた。スポーツ
庁では今後同様のことがないよう、日本相撲
協会と協力して対策を考えたいと表明した。
170325十四日目幕内 462
<照ノ富士の変化に回転した琴奨菊>
 
モンゴル力士の躍進は著しい。それだけに
やっかみがあるのかもしれない。大相撲は
日本人だけで、という極論もある。差別は
見下しから生まれる。そういう意味では外国
人出身力士は1部屋一人という規定があるが、
これは差別か。もともとは外国人だけで固ま
ってしまうことを避けるために生まれた規定
である。
20120428高砂一門感謝祭 1170
<外国人横綱はいらないといわれた小錦>
 
ただし、条件がついていい。例えば外国人
力士が幕内力士になった部屋は新たに外国人
の新弟子を入門できるという規定にすると
いうのも一案である。相撲部屋は時の流れで
減ることもある。入門志願者の日本人は無制
限と比べるとこのくらいの幅はあってもいい
のではないだろうか。
20120428高砂一門感謝祭 1133
<帰化して親方になった元高見山>
 
もう一つ外国人力士の大きな壁となっている
のが、年寄は日本国籍を有する者に限ると
いう規定である。なぜ、この規定ができたのか、
今となっては知る者が少なくなってきた。
これは柔道が国際組織によって柔道の原型が
失われ、「JUDO」という別な競技になって
しまったことに始まっている。つまり、大相
撲が外国人によって様変わりするのをおそれ
たのである。

そのため、外国人力士にとってはこれが大き
な障害となって立ちふさがっている。実際
協会を運営しているのは理事会である。例え
ば、大関以上は外国籍のまま年寄になれると
する。ただし、「外国籍のまま理事になれる
のは、2人以下とする」としてはいかがだ
ろうか。
160529旭天鵬引退相撲 675
<帰化した元旭天鵬 鋏を入れる元朝青竜>
 
日本代表のサッカーチームでは外国籍の
監督が当たり前になってきている。プロ野球
にも外国人監督がすでに誕生していた。大相
撲における差別の痛みは、当事者になって
みないとわからない、というのではあまり
にも想像力が乏しすぎる。

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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