去る三月場所14日目、大関照ノ富士が大関
復帰を目指す琴奨菊に変化で勝ったときの
ことである。観客から「モンゴルに帰れ」と
いう野次がとんだ。これはモンゴル人に対す
る差別ではないか、というのである。国会で
文部科学大臣が「まず、事実関係をしっかり
と確認し、スポーツ界における差別の根絶に
取り組んでまいります」と答えた。スポーツ
庁では今後同様のことがないよう、日本相撲
協会と協力して対策を考えたいと表明した。
モンゴル力士の躍進は著しい。それだけに
やっかみがあるのかもしれない。大相撲は
日本人だけで、という極論もある。差別は
見下しから生まれる。そういう意味では外国
人出身力士は1部屋一人という規定があるが、
これは差別か。もともとは外国人だけで固ま
ってしまうことを避けるために生まれた規定
である。
ただし、条件がついていい。例えば外国人
力士が幕内力士になった部屋は新たに外国人
の新弟子を入門できるという規定にすると
いうのも一案である。相撲部屋は時の流れで
減ることもある。入門志願者の日本人は無制
限と比べるとこのくらいの幅はあってもいい
のではないだろうか。
<帰化して親方になった元高見山>
もう一つ外国人力士の大きな壁となっている
のが、年寄は日本国籍を有する者に限ると
いう規定である。なぜ、この規定ができたのか、
今となっては知る者が少なくなってきた。
これは柔道が国際組織によって柔道の原型が
失われ、「JUDO」という別な競技になって
しまったことに始まっている。つまり、大相
撲が外国人によって様変わりするのをおそれ
たのである。
そのため、外国人力士にとってはこれが大き
な障害となって立ちふさがっている。実際
協会を運営しているのは理事会である。例え
ば、大関以上は外国籍のまま年寄になれると
する。ただし、「外国籍のまま理事になれる
のは、2人以下とする」としてはいかがだ
ろうか。
協会を運営しているのは理事会である。例え
ば、大関以上は外国籍のまま年寄になれると
する。ただし、「外国籍のまま理事になれる
のは、2人以下とする」としてはいかがだ
ろうか。
日本代表のサッカーチームでは外国籍の
監督が当たり前になってきている。プロ野球
にも外国人監督がすでに誕生していた。大相
撲における差別の痛みは、当事者になって
みないとわからない、というのではあまり
にも想像力が乏しすぎる。
人の都合に振り回されています。
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