三月場所は12勝と自己最高タイの成績を
あげ、大いに場所を盛り上げ、ファンを
わかせた高安。一月場所の11勝に続いての
好成績だけに五月場所は、大関昇進をかけた
場所になる。最近、「大関昇進は、3場所
通算33勝が目安」が一人歩きしている。数字
だけで決まるなら、審議の余地はなくなる。
また3場所だけだと一時的な勢いだけで大関
になることは十分考えられる。改めて考え
れば、年6場所の時代なら5場所は検討した
いところである。
<三月場所 照ノ富士を撃破した高安>
15日制では、実際に3場所30勝未満で昇進
した例がある。初代若乃花、朝汐、北葉山、
北の富士である。3場所前負け越しているの
が、若羽黒、魁傑である。また栃光は、3場
所前横綱・大関との対戦はない。最近では、
さすがにこうしたケースは見られなくなった。
<北葉山のブロマイド>
大相撲は消化試合がない優れたシステムで
ある。プロ野球では優勝できなければ2位も
最下位も一緒であるという。来シーズンは
同じスタートでペナントレースが始まるから
である。しかし、大相撲は成績によって番付
の地位が変わる。それだけに1勝でも多く
勝っておきたいところである。特に幕下以下
は7番しかないので、4勝と5勝、3勝と
2勝は大違いである。
ところが、これにあてはまらない地位がある。
大関である。大関においては、0勝から7勝、
8勝から11勝は同じ意味しかない。実は2場
所連続負け越さない限り、大関の地位を落ち
ないという制度が、大関を弱くしている。
「大関の法則」によって大関になったとたん
1ケタ勝利が目立つようになる。年6場所制
となって、大関で1場所平均10勝以上の勝率
の成績をあげた力士はいない。日馬富士、
鶴竜も大関に昇進したころは同様であった。
<一月場所白鵬から勝利した高安>
高安が大関に昇進したら「大関の法則」に
あてはまってほしくない。兄弟子の稀勢の里
は、大関止まりなら唯一の1場所平均10勝
以上の勝率をあげた力士である。高安は大関
時代の稀勢の里を、いや横綱を目指して邁進
していただきたい。
五月場所のチケットは〇日目が消えています。
日付のみです。
興味深いテーマをこれからもお届けます。
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