denkouriki– Author –
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あるのか御嶽海の優勝争い
五月場所、御嶽海は番付上ナンバー2になる。五月場所の御嶽海は期待できるのだろうか。三月場所の御嶽海は11勝4敗と数字だけ見ると合格のように見える。しかし、つぶさに検討すると物足りない御嶽海が浮かびあがってくる。 まず横綱休場でありながら千秋... -
若隆景の地力を考察
三月場所の若隆景の優勝はまさに予期せぬ出来事であった。新関脇の優勝は双葉山以来といっても双葉山は全勝優勝だし、69連勝へスタートしていた。中身が違いすぎるので双葉山を引き合いにだされても困惑してしまう。若隆景は今まで上位では10勝5敗が最高... -
令和新十両・再十両事情
五月場所は予想に反して新十両・再十両があわせて2人だった。十両から落ちてもおかしくない力士が4人いたが、幕下力士と逆転せずという判断によるものと思われる。 <新十両栃丸> 戦後まもなく、昭和20年秋場所から昭和23年夏場所までは新十両だけで5... -
2022年5月相撲部屋勢力
力士の育成は相撲部屋とともにある。そこは鍛錬の場であり、生活の場でもある。相撲部屋の目標は強い力士を一人でも多く育てることにある。そこで五月場所の番付をもとに相撲部屋の勢力分布を表にしてみた。 <名門出羽海部屋> 幕内は横綱・大関との対戦... -
三賞の4連続以上の受賞4
引き続き4連続三賞受賞者をみていこう。 ■保志 6連続受賞保志は昭和58年九月場所、20歳で入幕した。相撲は突き押しを中心とした。入幕3場所目で小結、なおかつ上位に定着した。入幕9場所目からは関脇・小結に定着するようになった。若さあふれるスピ... -
横綱初休場の翌場所の成績
三月場所は、思いがけず横綱照ノ富士が休場した。横綱になって4場所目の初休場であった。一人横綱であり、場所前の優勝候補として欠かせない存在であった。これまで両膝の心配はあったが、のりこえてきた。それが三月場所は後退するともたなかった。もっ... -
豊昇龍の今後
三月場所、豊昇龍は新小結であった。これは前の場所で、上位で勝ち越しによる昇進ではなかった。幕内中位での11勝4敗という大勝ちによるものである。それだけにどういう結果を残すか気になっていた。千秋楽、優勝圏内の3敗琴ノ若に勝って勝ち越した。小... -
関脇以下の優勝争い6
引き続き千秋楽を迎えて優勝圏内が関脇以下の場所をみていこう。 平成30年一月場所、横綱白鵬・稀勢の里は休場。横綱鶴竜、大関豪栄道・高安が出場。そんななか、前頭3枚目の栃ノ心が初日から6連勝。7日目、鶴竜に敗れたもののその後も連勝。10連勝して... -
令和消えた一番
さる三月場所は大関正代対大関御嶽海戦がなかった。それだけではない。大関正代対関脇阿炎戦、大関貴景勝対関脇阿炎戦もなかった。その背景には幕内中位の高安、琴ノ若が勝ちあがってきたことである。それだけではない。止め役の大関が負けてしまったこと... -
2022年五月場所番付の視点
五月場所の番付が発表された。御嶽海が初めて大関のトップに位置した。 関脇・小結は若隆景、阿炎、豊昇龍の3力士が勝ち越したため、空き枠が1つしかなかった。だが、高安、逸ノ城、霧馬山、琴ノ若、大栄翔と候補者は目白押しである。結局東前頭筆頭で8... -
三賞の4連続以上の受賞3
ここまで7人の4連続三賞受賞者をとりあげ、今回の4人をみると法則性が見えてきた。それは将来横綱・大関になった者が多いことである。 ■千代の富士 5連続受賞千代の富士は脱臼癖がつきまとっていた。そのうえ取り口に投げが多いため、なかなか出世で... -
朝乃山の復帰
朝乃山が土俵から姿を見せなくなって久しい。厳密には2021年五月場所の12日目からである。きたる五初場所まで出場停止が続くから1年以上になるわけである。 朝乃山が出場停止になった理由は以下である。・コロナ禍での外出禁止期間に何度もキャバクラに通... -
関脇以下の優勝争い5
千秋楽を迎えて優勝圏内が関脇以下の場所をみていこう。 平成4年、弟貴花田が2回優勝を達成した。兄若花田が存在感を示したのが平成5年三月場所であった。小結若花田は3日目大関小錦を倒して7連勝。8日目こそ1敗したものの、勢いは止まらず12日目同... -
三賞の4連続以上の受賞2
引き続き三賞の4連続以上の受賞力士をピックアップしていこう。 ■貴ノ花 4連続受賞2回横綱若乃花の弟として注目された角界のプリンス貴乃花。彼は期待に応えて三賞の常連になった。4連続受賞を2回にわたり成し遂げている。 1回目は昭和46年三月場所... -
15日間興行
格闘技は柔道やレスリングのように組むか、ボクシングや空手のように離れて戦うかであった。ところが、相撲は両方の要素があると指摘してきた。今度は別の面から大相撲の特徴をピックアップさせてみよう。 <初日賜杯の返還、千秋楽三役揃いぶみの定例行事... -
関脇以下の優勝争い4
昭和59年九月場所は蔵前国技館最後の興業となった。3横綱、4大関と番付は豪華だが、優勝を争ったのは平幕の小錦と多賀竜であった。千秋楽を迎え、1敗は多賀竜、2敗が小錦であった。横綱・大関は以下の成績だった。 <多賀竜> 北の湖 途中休場隆の里... -
三賞の4連続以上の受賞1
三賞は終戦の翌年、昭和21年に大相撲の人気回復策として報道陣の提案で誕生した。優勝ができる力士は限られているだけに、三賞はファンに新しい関心事として歓迎された。 三賞が施行されたのは昭和22年秋場所からである。今回のテーマは三賞の4連続以上の... -
令和幕内・十両休場事情
三月場所は令和に入って17場所目だった。この場所は幕内・十両の休場力士が3人と最少タイ記録となった。これは昨年の十一月場所と並んだわけである。不戦敗を含み、休場日数は昨年十一月場所33に対し、今年の三月場所は22と上回った。 <三月場所の案内>... -
関脇以下の優勝争い3
昭和50年七月場所、横綱輪島全休、大関貴ノ花途中休場。残った横綱北の湖、大関魁傑は大不調の場所となった。 そんな中で浮上したのが前頭筆頭の金剛と平幕中位の青葉城であった。このときはともに二所ノ関の部屋であったため直接の対戦はなかった。千秋楽... -
2022年五月場所チケット事情
2022年五月場所のチケットが4月9日一般発売されてから一週間経った。大幅な変更は通常マス席S・マス席Aが定員4名になったことである。これは変形同マス席でも定員となる。また、ボックス席も定員4ないし5名となる。2階イス席は全席使用である。 購... -
相撲部屋最新事情
相撲部屋の栄枯盛衰はこの世の常であるが、定年とともに終わりを迎える部屋がある。三月場所はかつての尾車(元琴風)部屋の力士の所属が2通りの場内紹介に変わった。これは尾車親方が定年を前にして、三月場所の大阪宿舎のメドがたたないため、早めに部... -
関脇以下の優勝争い2
引き続き関脇以下の優勝争いをみていこう。昭和47年三月場所、千秋楽を迎えて関脇長谷川は3敗、平幕魁傑も3敗であった。昭和47年の最初の4場所は一人横綱北の富士が不調、大関琴櫻・清國・前の山・大麒麟はあてにならない存在だった。混乱のなかで突如... -
令和新入幕事情
令和に入って17場所が経過した。令和3年、新入幕が2人で極端に少なかったとこれまで書いてきた。だが令和そのものが、新入幕力士が少ないのであった。令和17場所で新入幕が13人である。その内訳は2人が2場所、1人が9場所、0人が6場所である。 <豊... -
大相撲通常開催の意味
五月場所のチケットが9日発売された。五月場所からマス席S・マス席Aは端など特別な区域以外は4人マスとなる。ボックス席も従来通り4人または5人となる。 たまり席は以前からフル使用であった。イス席は間隔を開けずにフルに使用する。イス席フル使用... -
関脇以下の優勝争い1
三月場所は関脇若隆景、平幕高安・琴ノ若の優勝争いになった。横綱・大関は何をしていたのか。横綱照ノ富士は途中休場、大関正代は9勝、貴景勝は8勝に終わり、御嶽海は4敗して優勝圏外だった。 <若隆景> ここでいう優勝争いとは千秋楽を迎え、優勝圏... -
大麒麟と酷似する高安
14日目正代、千秋楽阿炎、優勝決定戦若隆景と3連敗し、優勝をのがした高安。優勝のチャンスを土壇場でものにできなかった。実はこれが初めてではない。これで3度目である。 <三月場所優勝決定戦 高安、若隆景に敗れる> 前回は2021年三月場所であった... -
阿炎の上位戦を分析
三月場所の見どころの1つに関脇に上がった阿炎の戦いぶりがあった。幕内に復帰しての2場所は12勝、12勝と大活躍した。横綱・大関戦もあった。 ただ、これらはあくまでも幕内下位、中位での成績だった。横綱・大関戦も部分対戦だった。三月場所は連日上位... -
揺れた三月場所大相撲中継
三月場所は関脇、平幕の優勝争いという予想がつかない展開となった。それは大相撲中継にもいえることだった。BSは13時から始まり、土日・祝日はBS102、平日はBS101というのが通例だった。三月場所の放送は以下となった。 初日 BS~15時30分 総合左... -
横綱審議委員会の存在意義って何
綱審議委員会のメンバーに池坊保子氏と俳優の紺野美沙子氏が加わることになった。メディアでは女性という点が協調されていたが、特別こだわらないほうがいい。 ただ、これまで横綱審議委員会というと有名人・社会的地位のある方で占められてきた経緯がある... -
危惧される年間最多勝
昨年は照ノ富士が77勝13敗とハイベネルな数字で年間最多勝に輝いた。優勝は4回だった。それまで低レベルな年間最多勝が続いた。 2017年 白鵬56勝9敗25休2018年 栃ノ心59勝23敗8休2019年 朝乃山55勝35敗2020年 貴景勝51勝21敗3休 年5場所 <照ノ... -
関脇優勝をめぐる記録
三月場所は予想外の展開となって関脇若隆景が初優勝した。大正15年始まった優勝制度以降では32例目であり、28人目であった。若隆景は関脇1場所目であり、その前は8勝7敗、9勝6敗であり、大関昇進とはいかなかった。 <三月場所関脇優勝した若隆景> ... -
優勝若隆景の相撲内容を採点 下
8日目までを32.5点の相撲内容となった若隆景。引き続き9日目からの8番の相撲内容を採点してみる。 9日目 逸ノ城若隆景左へ動くも逸ノ城かまわず白房下土俵へ攻め込む。若隆景右が入って頭をつける。逸ノ城小手をかかえるも若隆景くいさがる体勢となる... -
優勝若隆景の相撲内容を採点 上
三月場所の若隆景はうまさに速攻が加わった。またパワー相撲に一気にもっていかれることが減り、長足の進歩を遂げた。その結果予想を超えて優勝した。その相撲内容を改めて採点してみた。採点基準は若隆景がどのくらい自分の力を発揮したかである。採点法... -
横綱の初休場番付
三月場所、照ノ富士は横綱で初休場をした。横綱4場所目の6日目であった。4場所目というといかにも早い感じがするが、実際はどうなのか。 そこで戦後場所数が増えた時代からの横綱の初休場を番付にしてみた。横綱の代では前田山から照ノ富士までである。... -
3大関の大関優勝率
三月場所の優勝争いは面白かったという声が多い。しかし、優勝争いをしたのは関脇若隆景であり、平幕高安・琴ノ若であった。大関は3人いたが、誰も優勝にからめなかった。横綱照ノ富士が途中休場したにもかかわらず。 <貴景勝> 大関は協会の看板であり... -
2022年三月場所十両を目指す幕下の戦い
幕下の上位は十両を狙える地位である。だがお互いに星をつぶし合うのだから、上位全員が勝ち上がることはない。相撲は7番しかないのだからそこでは熱い戦いが繰り広げられる。 先場所惜しくも十両昇進がならなかった栃丸は西筆頭に位置した。同じ春日野(... -
番付の矛盾
三月場所照ノ富士が途中休場したことがあって関脇以下の横綱・大関対戦数は以下となった。後の数字は関脇以下の成績+横綱・大関勝利数である。 若隆景 3番 12勝1敗阿炎 1番(御嶽海戦のみ)8勝6敗隆の勝 2番 4勝10敗豊昇龍 4番 8勝4敗... -
2022年三月場所総評
★2019年以来久々に戻ってきた大阪場所だが。ファンは待ち望んだが、コロナ禍ではまだまだ人気回復まではいっていない。大阪場所は常に15日間最初の取組から結びまですべて観戦する友人がいる。その彼にしても通常開催を待つという。酒、弁当、声援が御法度... -
■22春千秋楽 大波乱のなか若隆景が初優勝
優勝争いは2敗若隆景・高安、3敗琴ノ若という思いもよらぬ面々で千秋楽を迎えた。ところが、千秋楽は波乱の連続となった。 まず、琴ノ若対7勝7敗の新小結豊昇龍戦から始まった。激しい攻防の中、豊昇龍の鋭い下手出し投げが瞬時に決まった。スピード・... -
■22春14日目 見応え十分!必死の力の激突
1勝5敗からの6連勝。正代必死の土俵が続く。13日目は琴ノ若に負け7勝6敗となるも勝ち越しまであと1勝と迫った。だが、今日14日目に負けると7勝7敗と追い詰められる。連敗中は魂ここにあらずのような負け方だった。だが、気迫がともなってようやく... -
■22春13日目 貴の押しをもちこたえた高安が単独トップ
本日は最初の一番から観戦した。琴勝峰の弟、6勝の琴手計が序ノ口ながら序二段5勝1敗力士と対戦した。圧勝だった。同じ佐渡ヶ嶽(元琴ノ若)部屋の序ノ口のモンゴル力士琴拳龍も6勝で序二段5勝1敗力士と対戦した。こちらも問題にしないほどの強さで... -
■22春12日目 意気込みが失われた御嶽海
1敗高安と2敗大関御嶽海が結びの一番で対戦した。しかし、御嶽海には大関の責任からほかに優勝は渡せないとか、確率の低い新大関優勝をやってやる、という意気込みは感じられなかった。だからいやな予感がした。高安戦にかける闘志がないということは負... -
■22春11日目 若隆景の予想を超える急成長
11日目、優勝争いをする者同士の対戦が実現した。全勝高安対1敗若隆景戦である。高安の昨日の豊昇龍戦は上位戦手始めであった。残りの日数が少ないからいきなり若隆景戦でもおかしくなかった。 しかも、この一番若隆景が有利とはいい切れなかった。高安は... -
■22春10日目 思いもよらぬ展開となった優勝争い
雨プラス底冷えの大阪。蔵前国技館に冷暖房設備がなかった時代、時の時津風(元双葉山)理事長は「熱戦で温まってくれ」と語った。10日目は熱戦で温まったのだろうか。 1敗で優勝圏内の大関御嶽海が北勝富士にあっけなく負けた。北勝富士の真っ向からの寄... -
■22春9日目 優勝戦線上位2敗組が後退
優勝戦戦に変化があった。2敗阿炎は突いて出てはたく癖が抜けない。これでまた自滅で負けた。相手は必ずしも好調といえない宝富士であった。かつて竜虎という力士が思い切って突っ張ってはたいた相撲を取った。これがよく決まった。この竜虎の戦法を「あ... -
■22春8日目 明暗を分けた上位クラス
8日目を終えて上位の明暗がはっきりしてきた。優勝争いの1敗組御嶽海・若隆景は明である。大関御嶽海は小結豊昇龍をまったく問題にしなかった。新大関優勝はまれだが、ひょっとするとあるかもしれない。 <豊昇龍を寄せ付けず1敗を守った御嶽海> 2敗... -
■22春7日目 高安の上位戦のタイミングを誤るな
場所が始まった当初関取休場は皆無だった。それがこの日千代の国が休場してたちまち3人となってしまった。結びの一番が正代ではなぜかすっきりしない。 1敗御嶽海は先場所不覚を取った阿武咲と対戦した。阿武咲は果敢の攻めて出たが、御嶽海はまわり込み... -
■22春6日目 照ノ富士休場の波紋
大阪は朝から雨だった。気温も急激に冷え込んできた。天候の変化が虫の知らせになったわけではないが、この日から横綱照ノ富が休場した。土俵の上から最高峰がきえた。この穴は大きい。ほかの力士では埋まらない。 <2日目大栄翔に敗北> 照ノ富士は横綱... -
■22春5日目 照ノ富士衰退が意味するモノ
この日全勝の御嶽海が霧馬山に負けて土がついた。波乱はそれだけでは済まなかった。結びの一番でも再びおこった。 <霧馬山に敗れた御嶽海> 照ノ富士にとって玉鷲戦は先場所のリベンジになるはずだった。ところが相撲は、先場所の再現をみるような展開に... -
■22春4日目 番付ナンバー2が4連敗
4日目の役力士同士の対戦は大関御嶽海対小結隆の勝だけである。この一番先場所14目に組めたのに結局対戦なしの幻となってしまった。今場所は早々と実現した。御嶽海が4連敗後4連勝している。ともにパワー相撲だけにどっちが勝るかが勝負のカギである。 ... -
■22春3日目照対宇良・貴対豊昇!微妙な勝負に揺れた日
幕内後半で微妙な勝負が二番あった。まず、貴景勝対豊昇龍戦である。貴景勝、一気に押して出るが、豊昇龍東土俵で右から投げにいった。だが、体が傾きながらなので豊昇龍が下かと思われた。だが貴景勝の体が飛んで足が土俵の外に先についた。カド番貴景勝... -
■22春2日目 照ノ富士の序盤の鬼門となった大栄翔戦
幕下で思わぬ拍手がおこった。ウクライナ出身の獅司が登場したからである。ロシアの一方的なウクライナへの侵略で町は破壊されてきた。相撲は対戦相手の濱豊に攻め込まれたが、投げで逆転した。 幕内で波乱が起きるとしたら、結びの照ノ富士対大栄翔でない... -
■22春初日 上位戦阿炎の動向 押しに迷いなし貴景勝
大阪に大相撲が帰ってきた。会場に着いたのは12時半であった。入場口は3つくらいに分かれていた。イス席は空けることなくフルに入れるせいか、幕内後半になっても空席が目立った。幸い十両以上に休場はいない。尾上(元濱ノ嶋)部屋が部屋ごと休場になっ... -
2022年3月お知らせ 賢明な読者の皆様へ
土俵の目撃者をいつもご愛読いただき誠にありがとうございます。大相撲においては足を使い、自分の目で確かめることを方針としています。大阪は相撲仲間が最も多い場所です。昨年、名古屋でその一人と偶然お会いした時は驚きました。この目で見た大阪場所... -
2022年三月場所の視点
2019年以来の有観客による大阪開催である。人気はどうか。マス席は土日祝日、13日目は完売である。イス席は15日間購入できる。ただ、千秋楽はイスCが残りわずかである。大阪の相撲仲間の一人は通常開催になるまで観戦にいかないという。今の情勢だと、通... -
2022年3月横綱・大関に挑む12人のサムライ
3人の横綱・大関に新たに御嶽海が加わった。まずは休場がないことを願わずにはいられない。上位に休場がなければ、横綱・大関の対戦圏内は4枚目の遠藤までである。 12人のサムライで、ここ1年上位でフルに横綱・大関と対戦した力士は4人いる。まず、新... -
2022年三月場所御嶽海15番勝負 下
引き続き、御嶽海15番勝負をみていこう。 5(●●●●●〇)12照ノ富士先場所、御嶽海は気合がもう一つの照ノ富士を寄り切って優勝を決めた。それまでは7連敗していて、照ノ富士は立ちふさがる対戦相手であった。それも照ノ富士がはさみつけるような寄りにな... -
2022年三月場所前幕内年齢番付
幕内年齢番付を作成した。引退、新入幕、再入幕で顔ぶれは一部変化した。20代は22人、30代は20人となった。30代をベテランとすると、幕内は半分近くがベテランということになる。29歳の御嶽海、北勝富士、宇良、翔猿は今年中に30歳を迎える。 最年少は再入... -
次の大関は誰
次の大関は誰か。御嶽海が大関に昇進して、なるべき者はなってしまったという感じである。それに御嶽海と関脇以下の力士とは差がある状態だ。 それでは将来の大関候補として誰がピックアップされるのか。大関へのステップは関脇・小結定着から始まる。2021... -
2022年三月場所御嶽海15番勝負 上
御嶽海が新大関で迎える大阪場所。先場所優勝しているだけに周囲の力士の御嶽海をみる目が違ってくる。御嶽海の対戦相手は上位に休場がなければ前頭4枚目の遠藤までである。御嶽海の15番勝負はどのように展開するのか想定してみた。成績は御嶽海からみて... -
荒篤山の出世街道
荒篤山が入幕を果たした。苦節約12年というから大変な辛抱の相撲人生だった。荒篤山はいったいどのような出世街道を歩んできたのか。振り返ってみた。 <荒篤山> 荒篤山は本名を寺井ジャスパー ケネスという。出生地はフィリピンである。御嶽海や高安同様... -
照ノ富士のリベンジ
大相撲本場所において、優勝候補をあげるとすれば照ノ富士一人しかいない。その照ノ富士は一月場所珍しく11勝で終わった。かかとをいためていた事情はあるにせよ、4敗もするとは予想できなかった。 <照ノ富士の土俵入り> 照ノ富士は非常に相撲が安定し... -
数字でみる新大関
新大関御嶽海の稽古ぶりが伝えられた。場所後まもなく新型 コロナウイルスに感染して心配したが、回復したようである。ただ、稽古不足は否めない。あと10日でどこまで戻せる のか。本人はどうにかさせると言っているが。 <御嶽海> これまで新大関はどの... -
立ち合いの妙
相撲ほど勝負時間が短い格闘技はない。ボクシングや剣道でもあっという間に勝負がつくことはまれである。短時間でもひいき力士が立つときは緊張が走る。朝青龍が現役のとき、日本に留学していた妹が、兄の取組をみてドキドキしたという。 格闘技は柔道やレ... -
消えた横綱の相撲部屋5
花籠(元大ノ海)部屋から独立したのが元初代若乃花の二子山であった。龍虎が「自分も連れて行ってください」と嘆願したが、二子山は「それよりも早く強くなって花籠親方を安心させろ」と諭している。 <若乃花のブロマイド> 元初代若乃花の二子山は一代... -
2022年三月場所番付を読み解く
コロナ禍が懸念されるなか、三月場所の番付が発表された。新大関御嶽海は負け越し大関正代・貴景勝の風下という第3の大関に立たされた。昭和22年秋場所から定着した系統別総あたり制。それから平成12年九月場所に及ぶ約52年10カ月の番付編成なら、成績本... -
土俵の花
北の富士と玉の海が横綱のとき、次代のホープは角界のプリンス貴ノ花と蔵前の星輪島であった。貴輪は黄金カードであった時期があった。大関以降は地力に差がつき、輪島は横綱に昇進した。輪島が上に立ち、貴ノ花は差をつけられた。それでも人気は貴ノ花の... -
勝てなくなった炎鵬
炎鵬が十両に落ちて久しい。2020年一月場所からになるので1年と1場所になる。十両で活躍しているかというとそうでもない。十両落ちしての成績は32勝43敗30休である。休場は新型コロナウイルスによる部屋ごと休場によるものである。十両落ち7場所のうち... -
消えた横綱の相撲部屋4
伊勢ヶ濱部屋は清瀬川がのちに所属した楯山(元友響)部屋から部屋ごと譲りうけたときの名称である。この部屋を継いだのが元横綱照國であった。師匠存命中は荒磯部屋という名称だったが、のちに伊勢ケ濱部屋とした。大関清國はじめ関脇開隆山、小結黒瀬川... -
力士育成手腕が反映されない理事選
一月場所後、理事に立候補する親方が10人ちょうどとなり、無投票で決まる流れとなった。それだけにそれほど話題にはならなかった。10人の立候補者は下記である。 出羽海(元前頭小城乃花)春日野(元関脇栃乃和歌)境川(元小結両国)芝田山(元横綱大乃国... -
関脇優勝直後大関になれなかった力士
御嶽海は3回目の関脇優勝だった。過去2回は関脇優勝しても大関に直結しなかったわけである。 1回目 7勝-9勝-13勝優勝-9勝2回目 9勝-9勝-12勝優勝-6勝 優勝直後の場所の成績も2ケタではない。これでは大関は無理だった。だが、3回目の... -
消えた横綱の相撲部屋3
宮城山は四股名から宮城県出身と思いがちだが、岩手県出身である。さらに東西合併により大阪から来た横綱である。けれども、入門は出羽ノ海(当時は「ノ」の字があった)部屋であった。入門当時の師匠は常陸山寅吉だが、横綱常陸山谷右衛門の名声で多くの... -
輪島横綱までの出世街道2
昭和46年十一月場所、輪島は再び横綱・大関と対戦した。横綱は北の冨士一人。横綱戦の勝利はなかったが、大関には不戦勝を含め、3勝1敗と奮戦した。この場所11勝4敗で敢闘賞を受賞した。黒姫山、富士桜、輪島、三重ノ海の4人が大活躍した場所となった... -
2022年三月場所チケット事情
力士をはじめとする協会員に新型コロナウイルス感染者が続出した。相撲部屋だけに濃厚接触者の数はそれ以上になった。そのため、2月6日のトーナメント大会、11日の福祉大相撲が突如中止されたほどである。三月場所の開催を危ぶむ声があがるのは当然であ... -
消えた横綱の相撲部屋2
3人目は鳳である。鳳は元大関鳳凰の宮城野部屋に入門した。その鳳凰は宮城野馬五郎の部屋に入門した。宮城野部屋は江戸天保年間から3代に渡って継がれた。大関鳳凰の師匠である宮城野馬吾郎が明治22年に亡くなって部屋は消滅している。鳳凰は元刺扠の錦... -
輪島横綱までの出世街道1
2年連続学生横綱を引き下げて相撲界入りしたのが輪島であった。ただ、胸が薄く、相撲が小さいから大成を疑問視する見方はあった。 <ザンバラ時代の輪島> だが、昭和45年一月場所、三月場所、輪島は幕下付出でデビューすると2場所連続幕下優勝してしま... -
消えた横綱の相撲部屋1
横綱ともなると継承するにせよ、独立するにせよ部屋をもって弟子を育てたいと思うのは当然である。しかし、相撲部屋の栄華盛衰は常にあり、相撲部屋が消滅することさえありえる。ここでは消えた横綱の相撲部屋として横綱が実質地位化した常陸山以降の東京... -
続5年後の番付はどうなる
5年後幕内入りしている力士は果たして誰なのか。十両で5年後30歳未満は3人しかいない。 琴勝峰元幕内だが、5場所と長い間十両に低迷していた。明日のホープらしくない足踏みだった。一月場所十両優勝して再入幕を決定的にした。幕内でどれくらい活躍で... -
5年後の番付はどうなる
5年後の番付を予想することはなかなか難しい。まず、5年前の番付、すなわち2017年一月場所の番付をみていこう。 白鵬、日馬富士、鶴竜が横綱で、稀勢の里は場所後に横綱に昇進した。照ノ富士はまだ大関だった。照ノ富士が大関から降格するのは2017年十一... -
御嶽海あの日あの時
大関に昇進した御嶽海。ここまでの道のりは長かった。デビュー場所は2015年三月場所だから7年かかったわけである。ここまでを写真で振り返ってみよう。 幕下10枚目付出で初土俵を踏んだ御嶽海。本名は大道(おおみち)だが大道(だいどう)という力士がす... -
阿炎の幕内対戦成績
きたる三月場所、阿炎が上位に帰って来る。ここ2場所は12勝3敗と大活躍であり、横綱・大関との対戦があるものの、平幕相手の白星がほとんどであった。三月場所は関脇が予想されている。横綱・三役との対戦は避けられない。 <2022年1月照ノ富士に勝利> ... -
大関の総合力3
部門ごとの好成績者をピックアップしてみよう。まず、大関勝率8傑。 朝乃山 0.68高安 0.665把瑠都 0.658琴風 0.658豊國 0.656清水川 0.649霧島 0.647貴ノ浪 0.645 6割4分以上は8人いる。ここにきて出場停止の朝乃山が高安を抜いて1... -
新大関のポジション
下記は昭和20年夏場所の大関・関脇の成績である。関脇千代ノ山は大関に昇進する。翌場所の大関の番付を予想せよ。 佐賀ノ花7-8大関増位山13-2優勝千代ノ山12-3関脇 答は増位山 大関 千代ノ山佐賀ノ花張出である。 <千代ノ山のブロマイド> も... -
大関の総合力2
引き続き大関の総合力をみていこう。 大関の総合力= 大関勝率+大関出場率+大関2ケタ勝利率 -大関負け越し率 注 引き分け等は0.5勝0.5敗 出場率は不戦敗を含まない 2ケタ勝利は11日制では7勝4敗以上、13日 制では8勝5敗とさせていただいた。 4位... -
横綱にしてみたが
横綱に対して大相撲ファンは畏敬の念を抱く。 横綱は特別な存在である。 <横綱中の大横綱双葉山のブロマイド> 昭和25年春場所、東富士・照國・羽黒山の 3横綱が次々に休場し、5日目から横綱不在 になってしまった。横綱への批判に対し協会 は横綱も2... -
大関の総合力1
最高位大関の大関時代の総合力を算出して みた。なにをもって総合力というのかは難し いところだが、以下とさせていただいた。 1.大関勝率 2.大関出場率 3.大関2ケタ勝利率 4.大関負け越し率 成績がよくなくては話にならいし、同時に 10勝以上が... -
かつてあった国技館株式会社
日本相撲協会は現在公益財団法人である。 公益財団法人に認定されたのは2014年1月の ことである。公益法人財団法人になるにあた って、年寄名跡の売買を禁止した。だが、 実態は指導料、顧問料という名で取引がおこ なわれているようである。 <両国国技... -
開催するも地獄、しないも地獄のトーナメント大会
大相撲トーナメント大会が急遽中止された。 嘉風引退相撲中のなかですでに相撲仲間から 聞いていた。下記が嘉風引退相撲の取組で ある。 琴恵光-矢 後 琴ノ若-平戸海 石 浦-琴裕将 佐田の海-北の若 妙義龍-白鷹山 高 安-美ノ海 東白龍-阿 炎 阿... -
嘉風引退大相撲レポート
2月5日嘉風引退大相撲は激震にみまわれた。 ここにきてコロナ陽性力士が続出し、さらに 同部屋の力士が濃厚接触者として嘉風引退 大相撲に参加できなくなったのだ。何しろ 三役以上の力士が皆無になったのだから異常 事態である。十両の土俵入り、取組は... -
注目されなかった新聞社の最高成績制度
現在の大相撲は優勝、正式には幕内最高優勝 に最大の注目が集まる。優勝はときには様々 なドラマをみせてきた。関脇双葉山が玉錦を 倒して初優勝したとき、覇者交代の一番と 言われた。栃錦が初優勝したときは感極まっ て涙が止まらなかった。 <北の冨士... -
栃ノ心は限界なのか
栃ノ心の負け越しが止まらない。昨年1年間 は6場所すべて負け越した。そして2022年 一月場所も負け越して現在7場所連続負け 越し中である。7連続負け越しの成績は43勝 59敗3休である。昨年一月場所前頭東4枚目 だった番付はきたる三月場所、前頭16枚... -
3連覇以上の優勝2
速攻北の富士、天才輪島でも3連覇はでき なかった。怪童北の湖の出現を待つしかなか った。北の湖は若くして横綱になった。最初 は輪島に太刀打ちできない時期があった。 5連覇を達成したのは横綱21場所目からだっ た。昭和52年のことであった。にくらし... -
新型コロナウイルスの感染続く大相撲
優勝して新大関。勢い、自信、2大関の弱体 のなか御嶽海の優勝確率は高まる環境にある。 しかし、新型コロナウイルスは止まらない。 昨日新大関御嶽海の感染ニュースが入って きた。御嶽海は39度の発熱があり、抗原検査 で判明したという。気になるのはい... -
3連覇以上の優勝1
一月場所、終盤かかとを痛めたことで優勝を 逃した照ノ富士。結局3連覇はならなかった。 3連覇というのは意外と難しい。栃錦、若乃 花、玉の海でさえ、達成していない。 それでは大正15年優勝制度がスタートして、 最初に3連覇を達成した力士は誰か。そ... -
栃煌山引退大相撲レポート
栃煌山が引退したのは2020年7月15日、七月 場所前であった。あれから1年7カ月半の 時を経て、実現した断髪のとき。栃煌山は 九月場所中から引退大相撲をPRしてきた。 筆者はすぐに引退事務局にチケットを申し 込んだ。だが、予定より遅れて届いたのは 1... -
豪栄道引退大相撲レポート
2020年一月場所後の豪風引退大相撲以来、 観客を入れての引退大相撲が実現した。 豪栄道引退大相撲である。コロナ禍では初 である。もちろん、この間関係者だけで実施 した引退大相撲はあった。 開場は10時半と早い。豪栄道と夫人が挨拶に 立つが、そこは... -
大相撲人気に水さす不祥事
賭博店への出入りで一月場所を謹慎していた 英乃海と十両紫雷の処分が正式に決定した。 英乃海は1場所出場停止と2カ月の20%報酬 減となった。紫雷は付け人として同行した としてけん責処分となった。英乃海は掛け金 10万円以下で、常習性はないという判... -
十両昇進をめぐる幕下の戦い
幕下力士が目指すのはまず十両である。十両 は一人前扱いされ、月給が支払われる。一月 場所は十両昇進をめぐる幕下力士の戦いが 見応えあった。十両から幕下へ降格する力士 は全休の朝乃山・紫雷、途中休場の千代ノ皇 が確定していた。 11日目、幕下西2... -
新大関御嶽海論
出羽海部屋を訪れるのは実に久しぶりである。 師匠が元佐田の山、現役に舞の海、小城ノ花、 小城錦がいた当時、稽古見学をして以来で ある。その時のことは遠い昔のことになって しまった。出羽海部屋の前には胡蝶蘭で彩ら れていた。出羽海部屋OBの鷲羽... -
2022年三月場所私製番付
三月場所の私製番付を作成した。基準は以下 である。 1.番付は基本関脇以下を編成するため、 関脇以下の成績を基本とした 2.ただし、横綱・大関からの勝ち星は加算した その理由は、幕内は横綱・大関との対戦圏内 とそうでないクラスの2部構成だから...