横綱照ノ富士休場で今場所も結びの一番を取る貴景
勝。結びは小結との対戦になるのが慣例。小結は4
人いるがよりによって翔猿になるとは。貴景勝はこ
こ2場所12勝している。逆にいうとここ2場所3敗
していることになる。そのなかで2連敗している
力士が翔猿である。その翔猿との対戦になるとは。
これも運命か。
貴景勝は横綱のチャンスを生かしたい旨の発言をし
ていた。横綱を目指す者は苦手をつくってはいけな
い。
相撲は、貴景勝がいっきの押しに出た。うるさい翔
猿に動きまわらせないためだから、この戦法は悪く
ない。だが、東土俵で前に落ちた。決まり手は翔猿
のはたき込みであった。貴景勝の敗因は出足がとも
なわなかったことである。痛恨の1敗である。
栃錦は初日に負けて3回優勝している。栃錦は相撲
にかける執念が違っていた。本人は初日に負けると
「ああ、今場所は14勝1敗か」と思ったという。貴
景勝はこのあと大丈夫なのか。2回目の優勝のあと
は負けが込んで途中休場してしまった。横綱・大関
がいないとなると大相撲は支柱を失うことになる。
貴景勝は大関の責任を果たすべき立場にある。2日
目は初日若隆景を根負けせずに最後まで粘って勝利
した玉鷲戦である。対戦成績は13勝8敗(不戦敗含
む)と油断はできない。貴景勝の必死の土俵は続く。