各段の優勝が概ね決まる13日目。幕内優勝戦線にも
変化があった。2敗トップタイの大栄翔は明生と対
戦した。すでに4勝8敗と負け越している明生は敵
ではなかった。大栄翔の突き押しにあっさり突き出
された。大栄翔は2敗を守って14日目翠富士を迎え
うつことになった。
2敗翠富士は関脇豊昇龍と対戦した。前日霧馬山に
敗れ、優勝戦線から後退した豊昇龍の心の有り様が
気になった。優勝戦線脱落という落ち込みが1つ。
もう1つは2ケタ勝利を目指す意欲。相撲は、翠富
士十分に組むも豊昇龍少しも慌てず、最後は下手投
げでほうむった。豊昇龍の心理は後者であった。
それにしても上位の壁は翠富士にとって思った以上
に厚かったのか。14日目は2敗大栄翔と優勝圏内初
対戦となる。大栄翔に1差をつけられての対戦にな
るとは夢にも思わなかった。取組編成のちぐはぐさ
が招いた汚点である。
結びの一番は3敗優勝圏内の小結琴ノ若と勝ち越し
がかかる6勝6敗の関脇若隆景の一番である。相撲
は、果敢に攻めた琴ノ若。西土俵、懸命にうっちゃ
る若隆景。この一番は物言いがつき、同体で取り直
しになった。取り直しの一番は若隆景の一方的相撲
となり、琴ノ若を押し出した。3敗琴ノ若は4敗と
なり、優勝から後退した。
13日目を終えて2敗大栄翔、3敗翠富士・若元春・
霧馬山と変わった。14日目は2敗大栄翔と3敗翠富
士がようやく対戦をする。ここまでくると翠富士は
三役で一番弱い翔猿に勝ったものの、あとの三役に
は3連敗している。つまり上位には通用しない状態
が続いている。
遅きに失した大栄翔対翠富士がようやく14日目で実
現する。翠富士が追いかける立場になって実現する
とは思わなかった。盛り上がるのか否か、定かでは
ない中で両力士が激突する。