三月場所、霧馬山は千秋楽、本割と優勝決定戦で大
栄翔に連勝して初優勝した。こうした快挙は珍しい。
霧馬山で10例目である。ちなみに過去9例は以下で
ある。なお11勝は優勝ではなく単なる1位である。
霧馬山は、素材はいいといわれながら、大きく花開
くことが少なかった。霧馬山はどのような幕内街道
を歩んできたのか。改めて振り返ってみよう。
霧馬山の新入幕は2020年一月場所であった。徳勝龍
が優勝した場所であった。この場所11勝4敗で敢闘
賞を受賞している。翌場所からコロナの影響を受け、
三月場所は無観客、五月場所は中止になっている。
上位との対戦は七月場所であった。大関貴景勝に1
勝したもののまだ通用しなかった。この年唯一の横
綱白鵬戦があったが、敗退している。九月場所は途
中休場再出場があったが9勝4敗2休と勝ち越した
ものの、十一月場所は3勝12敗と大敗している。
2021年は大勝ちも大負けもなく、年間45勝45敗の五
分で終わっている。大関戦が4勝7敗と勝てるよう
になってきた。朝乃山に2勝、正代・貴景勝に1勝
している。また、十一月場所では新小結になってい
る。九月場所から上位に定着してきた。
2022年はすべて上位で51勝39敗と勝ち越した。大関
に9勝7敗とこちらも勝ち越した。ただ、横綱戦は
勝てない日が続いていた。これは霧馬山だけでなく、
若隆景、豊昇龍も同様である。三月場所から現在ま
で7場所連続勝ち越し中である。
九月場所から4場所連続小結・関脇在位中である。
五月場所は関脇確実で5場所連続となる。2023年一
月場所11勝4敗で技能賞、三月場所は12勝3敗で優
勝と技能賞。霧馬山はようやく開花した。今度は大
関目指してさらに躍進するときである。