大相撲

続 消えた横綱の部屋 3

2代目若乃花の失敗の始まりは師匠二子山(元初代
若乃花)の娘と結婚したことである。当時、それほ
ど乗り気でない様子がうかがえた。事実、1年2カ
月でスピード離婚している。のちに2代目若乃花は
銀座のママと再婚している。

<2代目若乃花>

2代目若乃花は4回優勝と、素質・素材からは物足
りない実績で引退した。元安藝ノ海は北の富士級の
横綱になれると語っていたが、遠く及ばなかった。
2代目若乃花は間垣部屋をおこした。それも所属
した二子山部屋の所在地杉並区成宗3丁目(現・成
田東3丁目)から離れた両国に部屋を構えた。

若ノ城、五城桜、若ノ鵬などを育てた。五城桜は浜
風として佐渡ヶ嶽部屋の部屋付親方をしている。若
ノ鵬は大麻問題で現役のまま相撲界を去っている。
間垣部屋から三役力士は出なかった。

<若ノ鵬>

間垣に不幸が続いた。2005年末夫人に先だたれた。
さらに2007年3月脳溢血で倒れ、緊急手術を受けた。
2008年弟子への暴行事件が発覚。若ノ鵬の大麻問題
が起きたのもこの年である。2010年の選挙では貴乃
花を指示してニ所一門を破門となっている。

<間垣親方が出したレコード>

体が万全でないことから弟子の指導、部屋の経営が
ままならず、弟子は同郷(青森)の元旭富士の伊勢
ヶ濱に託した。その中に若三勝(のちの照ノ富士)
がいたことがせめてもの救いだった。こうして間垣
部屋は一代で終わりを迎えた。伊勢ヶ濱部屋移籍後、
定年前の60歳で協会を退職した。元2代目若乃花は
2022年7月16日、肺がんのため、大阪市内の病院で
永眠した。69歳だった。

 

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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