大関昇進の条件と成績の目安|直近3場所33勝は慣例、協会の記録でさかのぼれる新大関13人の昇進直前3場所【2026年9月更新】

近年の大関昇進は、直近3場所で通算33勝が一つの目安とされる。昇進直前の場所を10勝で通過して昇進したのは北の富士・貴ノ花・稀勢の里・貴景勝の4人。かつては若羽黒・北の富士・琴風のように、大関が手薄な時期にやや甘い成績で昇進したケースもあった。この記事は歴代の大関が昇進時にどんな成績だったかを、直前3場所(参考までに5場所も)でまとめたものである。

※成績一覧は2023年5月場所(霧馬山の昇進が話題になった時点)に田口がまとめたもの。昇進3場所の成績と昇進後の成績に関連性はない、と田口は記している。

ただし「3場所33勝」は協会が決めた規定ではない。日本相撲協会が公表しているのは、昇進を決めるのが番附編成会議だということまでで、公式サイトには「番附編成会議は、本場所終了後3日以内に開催し、横綱・大関・十両昇進力士は直ちに発表しております。」とある(協会の使命・組織・2026年9月21日取得)。何勝すれば大関に上がれるかという成績条件は、協会の公開ページを探した範囲では見つけられなかった。この記事で目安として挙げている33勝は、相撲記者の田口 通廣が本文で書いている慣例である。

協会の記録でさかのぼれる範囲=平成26年九月場所から令和8年一月場所までに新しく大関に上がった13人の、昇進直前3場所の成績を下の表に並べた。3場所の合計は最多が37勝(栃ノ心)、最少が32勝(豪栄道・朝乃山・正代)。当サイトの集計では、33勝に届かないまま昇進した例が3人いる。合計は当サイトが協会の星取表を足したもので、協会が合計として表示している数字ではない。

目次

大関昇進の条件|協会が決めていること、決めていないこと

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大関に上がる条件を調べると「直近3場所で33勝」という数字がよく出てくるが、これは協会の規定ではなく、慣例として語られてきた目安である。協会が公表しているものと、慣例として語られてきたものを分けて並べる。出典の列を見れば、どこまでが協会の言葉かが分かる。

項目内容出典
昇進を決めるのは誰か番附編成会議。協会は「番附編成会議は、本場所終了後3日以内に開催し、横綱・大関・十両昇進力士は直ちに発表しております。」と書いている日本相撲協会「協会の使命・組織」(2026年9月21日取得)
いつ決まるか本場所が終わってから3日以内。大関昇進はその場で発表される日本相撲協会「協会の使命・組織」(2026年9月21日取得)
何を見て決めるか協会の説明は「日本相撲協会は現在、1年間に6回の本場所(一月場所、三月場所、五月場所、七月場所、九月場所、十一月場所)を挙行しており、力士の成績によって、その昇降を番附として発表しております。」まで。成績のどこをどう見るかは書かれていない日本相撲協会「協会の使命・組織」(2026年9月21日取得)
成績の条件協会の公開ページには見当たらない。近年の目安とされる「直近3場所で通算33勝」は慣例で、本記事の本文で田口は「しかし、近年大関は3場所通算33勝目安が定着してきている」と書いている田口 通廣(本記事の本文)
どの地位からの3場所か協会の記録で確かめられる13人は、全員が昇進直前の場所を関脇で迎えている。この人数は当サイトが下の表を数えたもの日本相撲協会 過去の星取表(2026年9月21日取得)
さかのぼれる範囲協会の過去の星取表は平成25年一月場所まで。それ以前に昇進した大関の直前3場所は協会公式から取れないので、下の表には入れていない日本相撲協会 過去の星取表(2026年9月21日取得)
横綱への昇進は別の仕組み横綱審議委員会という諮問機関がある。協会の説明は「協会外の有識者の委員によって構成され、主に横綱の推薦を行う機関」。大関昇進にこの機関は関わらない。横綱のほうの目安は横綱昇進の条件にまとめた日本相撲協会「協会の使命・組織」(2026年9月21日取得)
降格の条件大関は2場所連続で負け越すと降下する。こちらは協会が明文で書いている日本相撲協会 大相撲クイズNo.1071(大関の降格・陥落の条件に引用)
大関昇進にかかわる条件(2026年9月21日時点)。協会の出典は「協会の使命・組織」と過去の星取表。33勝の目安は本記事本文の田口 通廣の記述

協会の組織の説明では、取組を組んで勝敗を裁くのは審判部で、その役割は「本場所相撲における勝敗の判定及び取組の作成を行う部署」と書かれている。番附編成会議はそれとは別に、場所が終わってから開かれる。降格のほうの条件(角番)は協会が明文で書いており、大関の降格・陥落の条件|2場所連続負け越しと10勝復帰にまとめた。関脇・小結という枠そのものは相撲の三役とはにある。

一月場所11勝、三月場所12勝優勝をなし遂げた霧馬
山の大関昇進は五月場所に持ち込まれた。大関は貴
景勝一人である。こういうときは過去において甘い
成績でも大関に昇進させたケースがあった。若羽黒、
北の富士、琴風などがそうである。

優勝霧馬山
<優勝霧馬山>

しかし、近年大関は3場所通算33勝目安が定着して
きている。霧馬山は3場所31勝である。しかも三月
場所は関脇以下だけの成績である。もっともこれは
霧馬山の責任ではない。

三役の範囲と、昇進・陥落の目安は相撲の三役とはにまとめた。

五月場所霧馬山は10勝で3場所33勝となる。昇進直
前10勝だった力士は4人いる。北の富士、貴ノ花、
稀勢の里、貴景勝である。稀勢の里は千秋楽を迎え
る前に大関が決定していた。千秋楽負けて10勝5敗
になった。10勝は数字あわせであって、霧馬山には
文句なしにあがっていただきたい。

稀勢の里
<稀勢の里>

大関昇進の成績はいいにこしたことはない。初代若
乃花は、内容はいいが、星が足りない、と言われた。
若乃花を大関に押し上げたのは、横綱千代の山との
17分に及ぶ死闘で引き分けたことである。先人の大
関はどのような成績で大関に昇進してきたのか。
それが以下である。

年6場所制なので、いちおう5場所前からの成績を
出してみたが、事実上そこまでさかのぼることはな
い。3場所だけを対象とするのが通常の見方である。
数字は両方だしてみた。また、昇進3場所の成績と
大関昇進後の成績に関連性はない。

栃ノ心
<栃ノ心>

さらに、近年は元大関が多すぎる。大関にあがった
後こそ大切である。大関は三賞がもらえない。それ
は優勝争いをする立場であることを意味する。霧馬
山にはそういう大関になっていただきたい。

歴代大関の昇進直前3場所の成績一覧|協会の記録でさかのぼれる13人

上の一覧は田口が2023年五月場所の時点でまとめたものなので、そこで止まっている。協会の過去の星取表には平成25年一月場所からの幕内全力士の番付と勝敗が残っているので、その範囲で新しく大関に上がった13人について、昇進が決まる直前の3場所を並べ直した。地位と勝敗はすべて協会の表示をそのまま写している。

昇進場所力士3場所前2場所前直前場所3場所合計
平成26年九月場所西大関 豪栄道平成26年三月
東関脇
12勝3敗
平成26年五月
東関脇
8勝7敗
平成26年七月
東関脇
12勝3敗
32勝
平成27年七月場所西大関 照ノ富士平成27年一月
東前頭二枚目
8勝7敗
平成27年三月
東関脇
13勝2敗
平成27年五月
東関脇
12勝3敗
33勝
平成29年七月場所東大関 高安平成29年一月
東小結
11勝4敗
平成29年三月
西関脇
12勝3敗
平成29年五月
西関脇
11勝4敗
34勝
平成30年七月場所西大関 栃ノ心平成30年一月
西前頭三枚目
14勝1敗
平成30年三月
西関脇
10勝5敗
平成30年五月
東関脇
13勝2敗
37勝
令和元年五月場所東大関 貴景勝平成30年十一月
東小結
13勝2敗
平成31年一月
東関脇
11勝4敗
平成31年三月
東関脇
10勝5敗
34勝
令和2年七月場所西大関 朝乃山令和元年十一月
西小結
11勝4敗
令和2年一月
東関脇
10勝5敗
令和2年三月
東関脇
11勝4敗
32勝
令和2年十一月場所東大関 正代令和2年三月
西関脇
8勝7敗
令和2年七月
東関脇
11勝4敗
令和2年九月
東関脇
13勝2敗
32勝
令和4年三月場所西大関 御嶽海令和3年九月
東関脇
9勝6敗
令和3年十一月
東関脇
11勝4敗
令和4年一月
東関脇
13勝2敗
33勝
令和5年七月場所西大関 霧島令和5年一月
東小結
11勝4敗
令和5年三月
東関脇
12勝3敗
令和5年五月
東関脇
11勝4敗
34勝
令和5年九月場所西大関 豊昇龍令和5年三月
西関脇
10勝5敗
令和5年五月
西関脇
11勝4敗
令和5年七月
東関脇
12勝3敗
33勝
令和6年三月場所西大関 琴ノ若令和5年九月
東関脇
9勝6敗
令和5年十一月
東関脇
11勝4敗
令和6年一月
東関脇
13勝2敗
33勝
令和6年十一月場所西大関 大の里令和6年五月
西小結
12勝3敗
令和6年七月
西関脇
9勝6敗
令和6年九月
西関脇
13勝2敗
34勝
令和8年一月場所西大関 安青錦令和7年七月
東前頭筆頭
11勝4敗
令和7年九月
西小結
11勝4敗
令和7年十一月
東関脇
12勝3敗
34勝
平成26年九月場所から令和8年一月場所までに新しく大関に上がった13人の、昇進直前3場所の番付と成績。出典=日本相撲協会 過去の星取表(2026年9月21日取得)。3場所合計は当サイトが3行を足したもので、協会が表示している数字ではない。田口が目安として書いている33勝以上を太字にしている。協会の星取表に令和2年五月場所の行が無いため、その前後は星取表にある場所で3つ数えている

合計が最も多いのは栃ノ心の37勝、最も少ないのは豪栄道・朝乃山・正代の32勝。田口が目安として挙げる33勝に届かずに昇進したのは豪栄道(32勝)・朝乃山(32勝)・正代(32勝)の3人で、33勝以上だったのが10人になる。昇進直前の場所の地位は、13人とも関脇だった。3場所前までさかのぼると8人は前頭か小結からの出発である。これらの人数と最多・最少は、当サイトが上の表を数えたものである。協会はこういう集計を公表していない。

田口が本文で書いている数字は、協会の記録とそのまま合う。本文の「霧馬山は3場所31勝である」は、協会の星取表で霧馬山(のちの霧島)の令和4年十一月場所8勝・令和5年一月場所11勝・三月場所12勝を足した数と一致する。また「昇進直前10勝だった力士は4人いる。北の富士、貴ノ花、稀勢の里、貴景勝である」のうち、協会の記録でさかのぼれる貴景勝は平成31年三月場所が東関脇で10勝5敗。こちらも一致している。

この表に入れていない大関がいる。協会の「歴代大関」のページに並んでいる53人は、大関を務めて横綱には上がらなかった力士で、豊昇龍・大の里・照ノ富士のように大関から横綱へ進んだ力士は載っていない(当サイトが一覧を確認した)。上の表は星取表のほうから「前の場所は大関でなかった力士が大関の位置にいる場所」を拾って作ったので、のちに横綱になった力士も入っている。協会のページをそのまま並べた53人の一覧は歴代大関一覧|53人の在位・優勝・出身地にある。

昇進したときの年齢は、この表には入れていない。協会の歴代大関のプロフィールはブラウザで開かないと中身が出ない作りで、生年月日を取れなかったからである。年齢の並びは田口がまとめた最年少大関ランキングに、大関から横綱までの速さは横綱昇進 最速ランキングにある。

九月場所の熱海富士と大関取り|田口が場所前に書いていたこと

令和8年九月場所、関脇の熱海富士は大関取りと言われていたが、8勝7敗で場所を終えた(日本相撲協会の星取表・千秋楽)。田口が場所前に記名記事で置いた数字は次のとおり。

熱海富士の大関が話題になっているが、正直ハードルは高い。直近33勝をクリアするためには九月場所12勝が求められる。今の12勝は優勝しかねない成績である

田口 通廣「2026年九月場所直前考」(記事55001・2026年9月12日)

熱海富士の大関昇進はあるか。9勝ー12勝ときただけに九月場所、12勝がノルマになる。数字をみるとかなりハードルは高い。これまで上位で連続2ケタ勝利はない

田口 通廣(記事54127・2026年8月5日)

熱海富士の直前3場所の成績と、番付に載った全場所の記録は熱海富士は優勝したことがあるか|番付に載った35場所の成績に、協会の星取表のとおりまとめてある。昇進するかどうかは、場所が終わってから番附編成会議が決めることで、ここでは扱わない。

▶ 十一月場所(九州場所)の番付を、九月場所の成績から当サイトの算出式で組んだ表は「2026年十一月場所(九州場所)の予想番付」にある(協会の発表する番付ではない)。大関昇進は式で決めていないので、その表では誰も大関に上げていない。

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大関昇進の成績についてよくある質問

Q. 大関昇進の成績の目安は?
A. 近年は直近3場所で通算33勝が一つの目安とされる。

Q. 昇進直前の場所を10勝で大関に上がった力士は?
A. 北の富士・貴ノ花・稀勢の里・貴景勝の4人。

Q. やや甘い成績で大関に昇進した例は?
A. 若羽黒・北の富士・琴風など。大関が手薄な時期に起きやすかった。

Q. 大関昇進の条件は協会が決めているの?
A. 協会の公開ページには成績の条件が見当たらない。協会が書いているのは「番附編成会議は、本場所終了後3日以内に開催し、横綱・大関・十両昇進力士は直ちに発表しております。」までで、何勝で上がれば昇進するかは書かれていない(2026年9月21日時点)。33勝の目安は慣例で、田口の記述による。

Q. 誰が大関昇進を決める?
A. 番附編成会議。本場所が終わって3日以内に開かれ、大関昇進はその場で発表される。横綱審議委員会は「協会外の有識者の委員によって構成され、主に横綱の推薦を行う機関」で、大関昇進には関わらない。

Q. 33勝に届かずに大関へ上がった例は?(33勝は田口が書いている目安)
A. 協会の記録でさかのぼれる13人のうち3人。豪栄道(32勝)・朝乃山(32勝)・正代(32勝)。いずれも3場所の合計は当サイトが足したもの。

Q. 昇進直前3場所の合計が一番多かったのは?
A. 栃ノ心の37勝。14勝1敗・10勝5敗・13勝2敗だった。

Q. 昇進直前の場所はどの地位が多い?
A. 13人とも関脇だった。3場所前の地位は前頭や小結のこともある。

Q. もっと古い大関の昇進成績は?
A. 協会の過去の星取表は平成25年一月場所までしかさかのぼれない。それ以前は上の田口の一覧(画像)を見てほしい。当サイトで数字を作り直すことはしない。

▶ 大関・番付のルール:大関の歴代優勝回数ランキングはこちら | 大関の降格・陥落の条件はこちら

出典と取得日

日本相撲協会「協会の使命・組織」(番附編成会議の開催時期と発表、横綱審議委員会と審判部の役割。2026年9月21日取得)/同 過去の星取表(平成25年一月場所から令和8年七月場所までの幕内全力士の番付と勝敗。2026年9月21日取得)/同「歴代大関」(53人の在位。2026年9月21日取得)。

昇進直前3場所の表は、星取表から「前の場所は大関でなかった力士が大関の位置にいる場所」を拾い、その3場所前までの番付と勝敗を並べたものである。3場所の合計、最多・最少、33勝未満の人数、直前の地位の内訳は、いずれも当サイトがこの表を数えた値で、協会が公表している集計ではない。「直近3場所33勝」という目安と、昇進直前10勝だった4人、甘い成績で昇進した例は、本記事本文の田口 通廣の記述による。協会の公開ページに同じ記述は見つけられなかったので「協会によると」とは書いていない。昇進時の年齢、平成25年一月場所より前に昇進した大関の直前3場所、熱海富士の昇進の見通しは、一次資料で裏が取れないか当サイトの判断になるため書いていない。

▶ 協会公式の歴代大関をそのまま並べた一覧は歴代大関一覧|53人の在位・優勝・出身地にまとめている。

▶ 大関の降格・陥落の条件(角番と10勝復帰)/最年少大関ランキング(昇進したときの年齢)/大関昇進スピード ランキング(初土俵から大関まで何場所か)/横綱昇進 最速ランキング(大関から横綱まで)/横綱昇進の条件|歴代32人の直前5場所の成績一覧(横綱のほうの目安)/熱海富士は優勝したことがあるか(九月場所で大関取りと言われた力士)/相撲の三役とは(関脇・小結の枠)

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この記事を書いた人

少年漫画雑誌、日経関連の編集者を経て独立。現在は大相撲を専門に取材するライター。ほぼ毎場所、自ら土俵際で撮影している。にほんブログ村 相撲・大相撲カテゴリでランキング1位。

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