関脇陣がもう一つぱっとしない。4日目まで5勝
7敗である。霧馬山は3勝1敗だから特に悪いわ
けではない。豊昇龍は2連勝で2勝2敗と調子を
戻してきている。若隆景は4連敗とこれ以上ない
ワースト成績である。それが5日目で関脇陣が暗
転することになるとは。まったく想像できなかっ
た。
まだ白星がない若隆景は1勝3敗の御嶽海と対戦
した。両力士あたって、若隆景が組みにいくが、
御嶽海がパワーで前にどんどん出ていく。若隆景
左へまわり込むが、かまわず御嶽海は圧力をかけ
る。実はこのとき、若隆景のひざがついたが、相
撲は続いた。
若隆景は体勢を持ち直し、上手出し投げを連続し
てしかけた。御嶽海は土俵にくずれた。若隆景、
今場所の初勝利かと思ったら物言いがついた。髷
でないので途中で勝負があったとしか思えなかっ
た。長い物言いの末、若隆景につきひざがあり、
御嶽海の勝ちになった。観客はこの結末に唖然と
した。
好調霧馬山は阿武咲に圧倒され、後手にまわった。
圧力をかけ続ける阿武咲が突き落とすと、霧馬山
はくずれるように土俵に沈んだ。まるで両力士の
力の差がありすぎる一番にさえ映った。
3番手で登場した豊昇龍。対戦相手は4連敗の錦
木である。誰もが豊昇龍の楽勝を予想した。だが、
実際は勇んで出る豊昇龍を錦木が小手投げでほう
むった。豊昇龍がもろかった印象のほうが強かっ
た。
3関脇は5日目を終えて5勝10敗になった。優勝
争いどころではない。負け越し者が出ても不思議
ではない。関脇の強い場所は面白いというが、今
は逆現象である。関脇といっても今場所は一人大
関の場所である。混迷中の混迷場所になりかねな
い展開である。