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2022年一月場所総評
★一月場所の特徴は 千秋楽を迎えて優勝争いをする力士が御嶽海・ 阿炎・照ノ富士・琴ノ若の4人となって話題 となった。これは近年にない盛り上がりと なった。その反面関取休場は先場所よりはる かに増えて10人に及んだ。このなかには部屋 ごと休場が2人... -
■初 千秋楽巴戦回避!御嶽海が本割で勝って優勝
千秋楽は優勝色に彩られている。それも4人 が優勝圏内という最近にない展開となって いる。幕内前半に3敗同士の阿炎対琴ノ若戦 が組まれた。優勝への生き残りをかけての 一番である。相撲は熱戦となった。攻防激し く、勝負は簡単につかない激しい相撲と... -
■初 14日目優勝戦線激変!御嶽海が単独トップへ
13日目を追えた時点で2敗同士の照ノ富士対 御嶽海の相星決戦かというムードがあった。 だがそんな流れを一変させたのが阿炎である。 急遽不調正代に代わって照ノ富士と対戦する ことになった。阿炎は先場所照ノ富士に善戦 したがあと一歩足りなかった。 ... -
■初 13日目御嶽海2敗対決を制する
序ノ口、序二段、幕下の各段の優勝が決まっ た13日目。幕内の優勝争いは思いもかけぬ 三つ巴戦となった。その中で、2敗同士で 御嶽海対阿炎戦が組まれた。いわば星のつぶ し合いである。前日の敗戦を引きずっていな いか御嶽海。勢いにのり、調子をあげて... -
■初 12日目優勝争いは急遽三つ巴に
終盤戦の12日目、優勝戦線に異常があった。 1敗でトップを走る御嶽海が阿武咲のあたっ ての引き技に土俵にばったり倒れた。あっと いう間の出来事だった。御嶽海の勝ちパター ンは微塵もなかった。自分の相撲を失っての 敗北だった。御嶽海のもろさがこの... -
■初 11日目御嶽海・照ノ富士共に1敗死守
前日思わぬ1敗をきっしただけに、11日目は 負けられない御嶽海。連敗したら優勝も大関 もなくなるくらい印象が悪くなる。といって も対戦相手は勝てなくなった大関正代である。 4勝6敗と重症。それでも正代は気力をふり 絞って御嶽海と対戦した。この日... -
■初 10日目御嶽海1敗!大関の行方は?
全勝御嶽海が思わぬ相手に思わぬ相撲で負け た。思わぬ相手というのは北勝富士である。 以前ほどの馬力はなくなっている。御嶽海 勝利へのパターンで北勝富士を土俵際へ追い 込むかと思った。だが、この日は相撲が違っ た。別の展開をみせた。立ち合い両力... -
■初 9日目場所の行方
全勝御嶽海は2勝6敗の隠岐の海と対戦した。 それほど難しい対戦相手ではない。御嶽海の 勝利のパターンで隠岐の海を西土俵に追い 込み、寄り切った。1敗照ノ富士は北勝富士 と対戦した。北勝富士には以前ほどの立ち 合いの怖さや馬力がない。組みとめた... -
■初 8日目全勝御嶽海1敗照ノ富士のマッチレース
この日最大の好取組は御嶽海対大栄翔戦で ある。大栄翔は押し相撲だけに御嶽海をくず すチャンスがある。大栄翔は果敢に突き押し で攻めたてた。御嶽海踏みとどまってこらえ、 大栄翔の引きにつけ入って押し出した。御嶽 海は初日から8連勝とした。これは... -
■初 7日目勝利遠のく正代は重症
大関正代は7日目隠岐の海と対戦した。正代 ここまで3勝3敗と星が五分とはいえ、隠岐 の海は1勝5敗ともうひとつ調子がでていな いだけに、正代の勝利は堅いと思われた。 しかし、相撲は、隠岐の海が先に左四つ十分 になると上手が取れない正代はなす術... -
■初 6日目波乱!玉鷲が照ノ富士を強襲
ここまで強固な守りでピンチをしのいできた 照ノ富士。6日目は玉鷲戦であった。予想 では、玉鷲は善戦しても勝利までは難しい のでは、と思われた。相撲は玉鷲の強烈な 突き上げを繰り出し、照ノ富士を後退させて 追い込むと突き落としの強襲に照ノ富士が... -
■初 5日目盛り上がりに欠けた相撲
5日目は取組的にも相撲内容でももうひとつ 盛り上がりに欠けた日になった。その中で 阿炎ははつらつとした相撲を取っている。 手が伸び、前へ前へと出る相撲が続いている。 一段と強くなり、危なげがない。序盤戦を 5勝と快調である。休場した貴景勝に代... -
■初 4日目照の恐るべき一撃に宇良ふっとぶ
貴景勝が4日目から休場した。これで大関に なって15場所中6場所休場である。負け越し は6場所に及ぶ。1度大関を落ち、復帰して から4度めのカド番になる。今回の休場は 休場率、負け越し率の数字をあげる結果に なった。ここに貴景勝の限界を見る思い... -
■初 3日目照ノ富士が見せた攻め相撲の迫力
貴景勝は上位初挑戦の宇良と対戦した。貴景 勝は曲者相手のせいかよくみて押すが、宇良 まわり込んで突き合い。宇良右前褌から両 まわし取って頭をつける絶好の体勢をつくる。 宇良ひきつけて前に出る。しかし、貴景勝、 引きながら上からはたく。貴景勝重... -
■初 2日目守備力ますます堅固な照ノ富士
若隆景は照ノ富士に1不戦勝があるだけで、 土俵上で勝ったことはない。若隆景としては 動いて照ノ富士のスキをついて攻めたいとこ ろである。相撲は、若隆景があたって照ノ 富士の腕をたぐってから右おっつけで攻め 込む。照ノ富士上体がおきかかるが、左... -
■初 初日危機のなかで勝利を見出した照ノ富士
2022年の大相撲がスタートした。初日から 相撲仲間7人と出会った。初日驚いたことは 観客数であった。コロナ禍後の東京場所初日 2階イス席は最も入った。出だし好調の入り であった。 照ノ富士は初日早々いやな相手を迎えた。 九月場所で負け、十一月場... -
2022年一月場所直前考
十一月場所、千秋楽は番付通りなら、照ノ 富士対正代なるところ、優勝争いを優先して 照ノ富士対貴景勝になった。しかし、2差 あったため、優勝は14日目全勝照ノ富士に 決定していた。千秋楽は照ノ富士が全勝優勝 できるかどうかに焦点が移っていた。とい... -
2022年1月横綱・大関に挑む13人のサムライ
横綱・大関3人体制によって挑戦者は13人に なった。上位に休場者がいない場合、横綱・ 大関との対戦圏内は前頭東5枚目の阿武咲 までである。 ここ1年横綱・大関と対戦してきた力士は 3人いる。御嶽海は上位常連というより関脇 以下最強である。2021年... -
期待しがたい両大関
十一月場所、横綱・大関3人体制のなかで 貴景勝は12勝3敗と好成績を残した。痛恨は 下位で勝ち込んできた阿炎に負けたことで ある。こういう弱さ、頼りなさがなくなら ないと横綱は遠いといわざるを得ない。 <貴景勝> 正代は横綱・大関3人体制にもか... -
若元春の出世街道
ご存知、大波3兄弟=若隆元、若元春、若隆 景の次男。母方の祖父は時津風(元双葉山) 部屋の若葉山であり、昭和26年に殊勲賞を 受賞している。父は、元幕下の若信夫という 相撲一家である。 プレビュー(新しいタブで開く) 福島県出身で地元の高校相撲部... -
幕内最強照ノ富士にスキはあるのか
十一月場所、照ノ富士は初の全勝優勝を達成 した。それは必ずしも万全という相撲内容 ではなかった。大栄翔には攻め込まれ、1本 足で残しての逆襲だった。また阿炎に攻め 込まれて踏みとどまった。そうかと思えば 明生の外掛けを掛け投げで跳ね返した。照... -
2022年はどうなる! 出場停止・休場
2021年の出場停止・休場は以下となった。 横綱 6人 大関 4人 幕内 24人 十両 23人 このほかに大麻使用で貴源治が解雇になって いる。新型コロナウイルスで部屋ごと休場が あったとはいえ、数字は大きい。ただ、横綱 鶴竜・白鵬が引退したことで横綱... -
2022年はどうなる! 大相撲人気
2021年は観客人数を制限してもなかなか満員 につながらない日々が続いた。掛け値なしに 入るのは14日目・千秋楽であった。特に平日 はガラガラであった。国技館の2階は埋まら ないし、地方は経費がかかるだけに深刻さは 増してくる。地方場所は生活に必要... -
2022年はどうなる! 優勝
2021年、照ノ富士が4回優勝した。今年も そのくらいはいきそうである。なにしろ場所 前の優勝候補は照ノ富士以外あげにくいのが 実情である。となるとあと2回は誰になる のか。 <強者照ノ富士> 昨年はほかの2回は大栄翔と白鵬だった。 大栄翔は実力者... -
今年(2021年)1年ご愛読ありがとうございました
賢明な読者の皆様、今年1年ご愛読いただき 本当にありがとうございました。今年も、 ランキング上位に位置できましたのもご愛読 いただき、ご支持いただいた皆様のおかげ です。 昨年2月に既成のブログを脱してオリジナル のブログへと移転しました。今... -
2021年の土俵の目撃者を振り返って
2020年に引き続き、今年も新型コロナウイ ルスの影響を受け続けた相撲界でした。 入場制限は続いています。指定場所以外 での飲食は禁止です。土俵祭り・優勝額 授与式の公開はなく、優勝力士を囲んでの 万歳、優勝パレードは変わらずありません でした。 ... -
一人横綱の優勝率
十一月場所、照ノ富士は優勝したことで、 新横綱から連続優勝したことが話題となっ た。だが、もう一つの側面がある。それは 一人横綱で優勝したことである。横綱一人 なのだから優勝して当然かもしれない。 それではこれまで一人横綱はどれくらい 優勝し... -
実力者を比較する
関脇以下の実力者というと次の7人をあげる と異論が少ないことだろう。 御嶽海 大栄翔 高安 明生 若隆景 隆の勝 逸ノ城 彼らの今年(2021年)1年間を比較してみよ う。まず、関脇・小結の在位場所数だが、 以下のようになった。 1.御嶽海 6場所(関... -
少数化する横綱・大関陣
十一月場所、横綱・大関陣は横綱照ノ富士、 大関正代・貴景勝と3人体制だった。これは きたる一月場所も変わることはない。いか にも少数化したという印象である。それでは 横綱・大関陣はどのくらいが適切の人数なの か。東西に横綱、大関がそろえば十分... -
王鵬の出世街道
王鵬は大鵬の三女と貴闘力の間に生まれた 納谷4兄弟の三男である。相撲一家の環境で あることから小学校から相撲道場へ通う少年 だった。さらに進学した中学、高校と相撲部 に所属した。特に高校は相撲の名門埼玉栄 高校である。大関豪栄道・貴景勝などが... -
2021年大相撲10大ニュース2位・1位
■2位 復活照ノ富士が横綱に昇進 照ノ富士が大関の座を去ったのは、2017年 十一月場所だった。そこからの転落は急速 だった。ケガを直すための休場であった。 1年半で序二段まで番付を下げた。そもそも 元大関が十両で相撲を取ることさえはばかれ るのが... -
2022年一月場所の番付を読み解く
2022年一月場所の番付が発表された。通常は 初日の13日前の月曜だが、12月は年の瀬と いう事情があり、24日(金)となった。先 場所は41人という定員不足だったが、今回は さすがに解消された。 先場所前頭西2枚目11勝4敗で敢闘賞を受賞 した隆の勝が関... -
違法賭博疑惑と井筒株の行方
年の瀬になって大きなとんでもないニュース が飛び込んできた。英乃海と芝改め紫雷が 違法賭博に関与しているという疑惑である。 暴力団がらみなのか否か。詳細は調査中と いうことで伝えられていない。ただ、一月 場所の両力士の休場は避けられず、決定的... -
2021年版幕下のホープ2
引き続き以下の基準から幕下のホープ厳選 10人のうち残り5力士に触れていく。 1.22歳以下(2021年12月31日時点) 2 .幕下成績が勝ち越していること 3 .元関取は対象外とした 狼雅 ロシア出身 二子山(元雅山)部屋 最高位幕下2枚目 幕下成績57... -
2021年大相撲10大ニュース4位・3位
■名古屋・九州で2年ぶり開催 コロナ禍の影響で2020年三月大阪場所は急遽 無観客になった。静まり返った館内に音や声 が響く。しかし、大相撲は音で楽しむ競技 ではない。熱気がないのは寂しかった。その 後五月場所は中止し、すべて東京場所開催と なった... -
新版二所ノ関の系統
二所ノ関の系統に変化があった。定年が迫っ ている元若嶋津の二所ノ関が弟子の松鳳山、 一山本らを部屋付きの親方である元玉乃島に 託したのである。ただし、部屋名は元玉乃島 の年寄株である放駒部屋となる。 <元若嶋津の二所ノ関> 元三重ノ海の武蔵川... -
2021年大相撲10大ニュース6位・5位
■6位 5場所連続休場後鶴竜引退 4場所連続休場していた鶴竜は三月場所も 休場し、再起にかけることになった。ところ が場所中引退を表明した。鶴竜の稽古ぶり から出場は難しいとは容易に想像できた。 鶴竜は日本国籍が取得できないため、やめる にやめ... -
2021年版幕下のホープ1
昨年(2020年)12月の幕下のホープから平戸 海、今度の一月場所で北の若が十両入りした。 また、昨年12月時点では三段目だったため、 取りあげられなかった北青鵬がスピード出世 で関取になった。彼らに続く幕下の有望株は 誰か、探ってみた。基準は以下と... -
2021年大相撲10大ニュース8位・7位
■8位 照ノ富士ハイレベルの年間最多勝77勝 低レベル年間最多勝が4年続いた。それを 打破したのが照ノ富士であった。77勝13敗。 年6場所制となって64年。77勝以上の年間 最多勝は22回しかない。照ノ富士の偉業が いかにすばらしいもであったか。照ノ富... -
2021年大相撲10大ニュース10位・9位
■次点 貴源治大麻使用で解雇 七月場所後十両の貴源治の大麻使用が発覚し、 解雇になった。九月場所の番付は空白になっ ていた。忘れがちな事件なので、少々触れて みた。 ■10位 竜電出場停止!女性問題発覚 五月場所後の理事会で、新型コロナウイルス 感... -
2021年大相撲10大ニュース 前文
今年も新型コロナウイルスの影響を受けての 本場所開催であった。それでも2020年とは 様相が異なった面が見られた。そんななか、 土俵上だけでなく、土俵外のニュースが相次 いだ。まったく予期しないニュースも飛び 込んできた。 <スポーツニッポンの記... -
御嶽海の思いがけない記録
十一月場所、御嶽海は11勝4敗と久々に2 ケタ勝利をあげた。これで一月場所の関脇は 確定した。これは何を意味するか。関脇・ 小結連続10場所在位となった。内容は関脇 7場所、小結3場所である。三賞は殊勲賞が 1回ある。9場所の成績は81勝54敗である... -
大関規定改造論
今年(2021年)1年間大関正代は52勝48敗 1カド番、大関貴景勝は45勝28敗17休2カド 番とさんざんな成績だった。貴景勝は一月 場所、明らかに負けが込んでの休場だった。 悪いところがあるのなら初めから休場する。 負けが込んでの休場ほどみっともないも... -
回避!すれ違いの優勝争い2
しばらく間があいてしまったが、昭和48年 から再スタートする。昭和48年九月場所、 新入幕の大錦が好成績。といっても横綱輪島 が12戦全勝、大錦は9勝3敗で優勝を争う には差がついていた。それでも大錦は13日目 大関貴ノ花、翌14日目は横綱琴櫻と対戦し... -
幕内力士の十両在位場所数番付
力士はまず十両を目指す。十両に到達すると 次は幕内を目標とする。ところが十両に在位 する場所数は力士によってまちまちである。 また、幕内に入ったとしてもいつ十両に落ち るかわからない。段位は落ちることはないが、 大相撲の番付はそうはいかない。... -
大相撲専門誌のポジション
大相撲に触れる機会はテレビ中継からであろ う。人によってはラジオ中継になると思われ る。大相撲中継は当然ながら取組中心になる。 それでも明快神風、重厚玉の海の解説は聞い ていっそう中継が楽しくなったものである。 大相撲をさらに掘り下げて知ろう... -
30歳照ノ富士の戦い
2021年は照ノ富士の年だった。優勝4回。 関脇から大関へ、大関から横綱へのぼりつめ、 年間77勝13敗だから快進撃の1年であった。 幕内に復帰したのは昨年(2020年)の七月 場所だから、急速な地力向上と序二段から はいあがってきた精神力に感服せざるを... -
現代相撲部屋関取事情
現在幕内は42人、十両は28人である。関取は 合計70人である。これに対し、親方は最大 105人である。スポーツ界では珍しい構図で ある。それはさておき、力士はまず十両入り を目指す。相撲部屋も十両力士を育てたい。 現在相撲部屋の関取事情はどのように... -
2021年大相撲の特徴
まず、照ノ富士が大関復帰を果たした。さら に復帰大関2場所で横綱に昇進した。これが 1年間でおこなわれた。照ノ富士は千代の 富士のように関脇から大関さらに横綱まで 1年で経験したことになる。 <横綱照ノ富士> しかも序二段まで転落しての大関復... -
大関貴景勝の2勝4敗
貴景勝が大関になって14場所が経過した。 1度大関から降格したが、優勝同点の成績で すぐに復帰している。大関復帰をかける場所 で優勝したのが御嶽海である。 今年(2021年)の十一月場所、貴景勝は久々 に好調だった。優勝を争えるという期待が 高まっ... -
鶴竜親方の今後
5場所連続休場していた鶴竜は5場所目途中 で今年3月引退を表明した。休場を重ねて きたが復活はならなかった。35歳だった。 横綱は5年間現役名で年寄になれるという 規定により、鶴竜親方として後進の指導に あたることになった。鶴竜親方でいられる ... -
2021年架空年間三賞
2021年は引き続き新型コロナウイルスの影響 で、大相撲の入場観客を制限した1年だっ た。そのなかで昨年はなかった名古屋と福岡 で地方場所が開催された。1年間を通した 賞には最優秀力士賞、新人賞の新聞社表彰が ある。かつて日刊スポーツは年間三賞を... -
2021年入門者数と引退者数
これまで力士数の変遷というテーマで取り あげてきた。今回視点変えて入門者数と引退 者数から捕らえてみた。力士数は何人が適切 か。本来は十両昇進のメドがたたなくなった ら、野球でいう無駄飯をいつまでも食べる べきではないという見方がある。あるい... -
2021年年間最多勝最終形
今年納めの十一月場所を終了したことで、 幕内力士の年間成績が確定した。年間最多勝 はすでに九月場所終了時点で照ノ富士が62勝 で決定していた。最終的に何勝にまでいくか が焦点であった。また、休場が多かった鶴竜、 白鵬の2横綱が引退した年でもあっ... -
照ノ富士、15日間の戦いを採点する
十一月場所、横綱照ノ富士は初の全勝優勝を 達成した。七月場所では惜しくも逃していた だけに堂々たる優勝だった。さらに新横綱 からの連続優勝であった。大正時代の横綱の 栃木山が新横綱から3連覇しているという 報道があったが、まだ優勝制度はなかっ... -
2022年一月場所私製番付
恒例の2022年一月場所の私製番付を作成した。 番付は通常関脇以下を編成する。そこで私製 番付は関脇以下の成績をベースとした。ただ し、横綱・大関からの勝利は加えた。横綱・ 大関と対戦するとしないのでは大変な違い なのである。もっとも今回は横綱か... -
2021年十一月場所総評
★大相撲人気をどうみるか 大相撲はコロナ禍で観客数を5000人以下と 制限しながら、満員にならない日々が続いた。 十一月場所は悲惨だった。コロナ禍とは別な 面から捉えると、次世代のホープが見当たら ない点があげられる。栃若時代に大鵬が出現 した。北... -
■福岡千秋楽 1強他弱時代の中照ノ富士全勝優勝
マス席は原則2人、イス席は互い違いに座る というコロナ禍ならではの特殊事情のなかで 満員御礼の垂れ幕が下がった。東京でも名古 屋でもコロナ禍満員でもそんなことはしな かった。福岡では観客数に苦しんできただけ に千秋楽満員御礼としたのか、かなり... -
■福岡14日目 阿炎予想をはるかに超える大健闘
全勝照ノ富士対1敗阿炎。誰が場所前この 二人の優勝争いを予想できただろうか。14日 目両者が結びの一番で激突する。阿炎は前日 貴景勝を真っ向から倒して勢いにのっている。 照ノ富士もここまで全勝とこれ以上ない成績 できている。てこずった相手は左上... -
■福岡13日目 貴景勝に下位の好成績者は止められない
遅まきながら実現した1敗同士の貴景勝対 阿炎。13日目最大の注目の一番である。相撲 は、貴景勝が先に攻め込むことこそが勝利の 方程式であった。それが、阿炎との攻め合い からまわり込んだため、押されっぱなしに なって赤房下土俵に押し出された。ひ弱... -
■福岡12日目 好取組が失われた終盤2日目
12日目、好取組を作成しようと思えばできた。 観客は貴景勝対高安、正代対霧馬山より貴景 勝対阿炎の1敗同士、正代対阿炎のほうが 見たいはず。それをもっと早くやればなお、 よかった。1敗阿炎は2敗玉鷲をなんなく 退けた。いくら阿炎が平幕相手に白星を... -
■福岡11日目 変化なき優勝争いの終盤1日目
十一月場所の関取休場は現時点で3人である。 最近の傾向からもっと十両以上の休場が出る のではと懸念したが、今年(2021年)最低の 数字になるかもしれない。うれしい誤算に なる可能性が出てきた。このあともケガなく 無事場所を務めていくことを願いた... -
■福岡10日目 優勝戦線に異常あり
祝日の日の大相撲、優勝戦線がまさかの展開 を迎えた。まず、1敗の御嶽海。対戦相手の 宝富士は3勝6敗と好調なわけではない。 相撲も左四つ寄りと取りにくい相手のわけ ではない。それでも負けるときがあるのが、 御嶽海の御嶽海たるゆえんか。相撲はあた... -
■福岡9日目 優勝のカギを握るか御嶽海
福岡入りして初めての雨となった。以前2回 福岡入りしたことがあるが2回とも雨だった ことがある。それだけではない。羽田に戻っ た時も2回雨だったのだからめぐりあわせが 悪かったとしかいいようがない。幸い9日目 の雨は出かける時刻にはあがっていた... -
■福岡8日目 貴景勝予想外の貴重な1勝
日曜の大相撲、空席はそれなりにあるが、 それでも平日よりは入った。新序出世披露が おこなわれたが2人という寂しさであった。 大相撲は冬の時代と書いてきたが、コロナ禍 が沈静化して本場所は人気回復の兆しがでそ うである。ただし、これから冬に入る... -
■福岡7日目 優勝戦線力士各者各様の戦い
7日目、チケット売り場はイス席売り切れの 紙がはられていた。マス席はまだ売られて いたが、それでも平日とは比べものになら ないくらい、お客さんが入った土曜となった。 やはりお客さんが入ると館内の熱気が違う。 優勝戦線力士はどう戦ったか。幕内下... -
■福岡6日目 重量級大相撲全盛時の中の技能相撲
かつて春日野部屋には栃錦、栃ノ海、栃東 (父)と続く小兵技能力士の伝統があった。 技の相撲は見るだけでわくわく感がある。 ところが現代は重量級大相撲の全盛期。うっ ちゃりと吊り出しさえ消えつつある。そんな 中で6日目、技能相撲が土俵で発揮され... -
■福岡5日目 照・貴両力士序盤戦上位で全勝
序盤戦が終了した。大栄翔、若隆景、阿武咲 はすでに横綱・大関戦を終えている。隆の勝、 隠岐の海、妙義龍は5日目から横綱・大関戦 が始まった。宝富士、遠藤、高安はまだ対戦 はない。宝富士は6日目大関貴景勝戦である。 いつもながら極端な取組編成で... -
■福岡4日目 横綱・大関が文句なしの強さを発揮
4日目も横綱・大関は安泰だった。これが あるべき姿であって、大関の負けぬ日はなし 大相撲では困る。次の大関はまるで見通しが たたない。まして横綱を狙える大関となると 誰がなるのか皆目見当がつかない。その結果 横綱1人、大関2人という層の薄いなか... -
■福岡3日目 充実照ノ富士!変身(?)御嶽海
十一月場所の平日の入りは想像以上によく ない。一言でいえば重傷である。名古屋の 平日もガラガラだったが、福岡はそれ以上 である。前の席でさえ、空席があるのだから、 後ろの席は推して知るべし。 <空席> かつて大相撲には冬の時代があった。遠藤が ... -
■福岡2日目 照ノ富士が見せた恐るべき勝負への執念
今日2日目から十両の北青鵬が休場した。 初日の栃ノ心、出場停止の朝乃山についで 3人目の関取欠場である。だが、今年(2021 年)3人で済んだ場所はない。最も少なくて 関取7人休場である。ケガは重量級大相撲の 宿命。休場が絶えることはなさそうである。... -
■福岡初日 正代は負けるべくして負けた
福岡に相撲が戻ってきた。だが、手放しで 喜べない。初日の観客の入りは半分以下の 収容としてもあちこちで空席が目立った。 元々福岡県は人口では埼玉県、千葉県以下 である。これに東京都、人口2位の神奈川県 を加えた1都3県を要する東京場所でさえ 苦戦... -
◆2021年11月 お知らせ 賢明な読者の皆様へ
土俵の目撃者をいつもご愛読いただき誠に ありがとうございます。大相撲のモットーは 足を使い、自分の目で確かめ、人と接する ことです。生で観戦した大相撲をお届けする ために、十一月場所の初日から千秋楽まで 福岡国際センターで観戦します。 <十一... -
2021年十一月場所直前考
九月場所の優勝争いは2敗横綱照ノ富士と 3敗平幕中位以下の妙義龍の争いとなった。 千秋楽妙義龍が負けて照ノ富士の優勝が決定 した。照ノ富士と妙義龍の直接対決はなかっ た。いわばすれ違いの優勝争いだった。こう いう優勝争いは正直歓迎しない。やは... -
2021年11月横綱・大関に挑む12人のサムライ
横綱・大関陣は3人と手薄である。誰かが 休場すると手薄をこえて弱体となる。先場所、 部屋ごと休場した白鵬は引退してもういない。 出場する以上、大関はみじめな成績がない ことを祈るのみである。 <照ノ富士> 横綱・大関との対戦圏内は、上位に休場... -
松鳳山の出世街道3
2015年は横綱・大関戦がなかった松鳳山だが、 2016年は2場所フル対戦、1場所部分対戦が 実現した。フル対戦2場所はともに5勝10敗 と大敗した。ただし、松鳳山は横綱日馬富士 から2つめの金星を獲得している。 <日馬富士から2つめの金星> 2017年は... -
貴景勝優勝争いの可能性
貴景勝は十一月場所で大関通算14場所目に なる。先場所はカド番だったが、3連敗スタ ートでどうなるかと思ったが、なんとか8勝 までもっていった。貴景勝はどうも負け越し が目立つ。大関で5度ある。このあたりが 何とも物足りない。きたる十一月場所、... -
正代優勝争いの可能性
大関はときには横綱以上の存在価値を示す、 というのは遠い昔になりつつある。正代は 先場所8勝7敗だった。優勝争いどころか 勝ち越すのがせいぜいであった。それも正代 対貴景勝戦がなくてである。正代はさらに 関脇御嶽海戦もなかった。このあたりは取... -
松鳳山の出世街道2
2011年十一月場所、松鳳山は新入幕を果た した。この場所10勝5敗と2ケタ勝利した。 幸先のいいスタートとなった。大関と対戦 したのは2012年七月場所、入幕4場所目で あった。まだ部分対戦であった。3敗と勝て なかった。松鳳山28歳のときであった。 ... -
大相撲は冬の時代
十一月場所のチケットの売れ行きが芳しく ない。観客は半分におさえての状況だけに ただならない事態である。福岡だけではない。 東京場所もかけねなしに入るのは14日目、 千秋楽である。名古屋も少しも変わりない。 平日はガラガラだった。きっかけは新型... -
新入幕から横綱昇進までの所要場所数番付
照ノ富士は大関降格後、番付を序二段まで 落としながら幕内に復活した。それだけでは ない。ついには横綱にまでのぼりつめたので ある。照ノ富士の新入幕は2014年三月場所で ある。それから44場所かけて横綱に昇進した。 実に7年以上かけての横綱であった... -
松鳳山の出世街道1
松鳳山が37歳で幕内復帰を果たした。白鵬が 36歳で引退したばかりであり、立場が異なる とはいえ、そうそうできることではない。 番付発表の日、照ノ富士とともにクローズ アップされた。十一月場所は地元福岡県で 開催される。松鳳山はどのような出世街道... -
力量抜群の横綱
横綱の推薦基準に2場所連続優勝がある。 これは第二項だが、一人歩きしてしまって いる。年6場所制で2場所だけを切り取る 危うさが潜んでいる。その前の第一項に品格 力量抜群がある。品格は定義されていないが、 抜群の力量とはどれほどのものか。筆者... -
新入幕をねらう十両力士事情
今年(2021年)の新入幕は翠富士と一山本と わずか2人だった。その2人も現在は十両で ある。これではなかなか活気が出にくい。 新入幕をねらうほかの十両力士の事情はどの ようなものか。探ってみた。 ■武将山 新十両の場所は十両尻7勝8敗で負け越し ... -
2021年十一月場所番付の視点
今年納めの十一月場所の番付が発表された。 白鵬の引退承認は番付編成後であり、番付に 名前は残ると伝えられてきた。ところが、 実際白鵬の名前はなかった。確かに引退は 事前に協会に伝えられており、既定の事実 なのだから、番付に名前が残るほうが本来... -
回避!すれ違いの優勝争い1
昭和46年七月場所から横綱・大関との対戦 圏外の好成績者の扱いに新たな規定が実施 された。幕内中位以下の好成績者は今後横綱・ 大関と対戦させることができるようになった。 そのためすれ違いの優勝争いはかなり減少 した。 番付差の対戦は昭和46年十一... -
白鵬番外記録
大横綱白鵬に意外な記録がある。デビュー 場所の序ノ口で3勝4敗と負け越している のだ。昭和以降の横綱では常ノ花の2勝3敗、 吉葉山の2勝5敗、初代若乃花2勝3敗に 続く序ノ口負け越しである。白鵬はこのあと 幕下以下では1度負け越しただけで、19... -
優勝の分類
大関は横綱に次ぐ地位に見える。それはあく まで番付上のことで、実績は天と地ほど違う。 大正15年優勝制度がスタートした。それ以来 今年(2021年)の九月場所の横綱照ノ富士の 優勝まで472場所経過した。この間野外興行 が冬の1月はできず、スライドし... -
すれ違いの優勝争い5
昭和43年から昭和46年五月場所までのすれ 違いの優勝争いをみていこう。なぜ五月場所 までなのか。それはここを境としてある規定 が施行されたからである。それについては 次回ふれていこう。 昭和43年三月場所はどんでもない場所となっ た。千秋楽を迎え... -
殊勲賞の中身Ⅱ 6【昭和43年~44年】
大鵬は昭和42年十一月場所から5場所連続 休場した。巡業で泥にまみれ再起をはかった 大鵬は昭和43年九月場所の土俵にあがった。 初日栃東に敗れ、不安のスタートとなったが、 このあと45連勝した。それも誤審がなければ どこまで連勝が続いたか。誤審は相... -
白鵬10大記録10 優勝率
優勝回数は場所数に左右される。年2場所制 で12回優勝することと年6場所で32回優勝 することはどっちが上か。チャンスが3倍に 増えるわけだから、双葉山は年6場所制なら 36回優勝できた、という方がいた。それなら 出羽湊は年6場所なら3回優勝できる... -
すれ違いの優勝争い4
昭和33年、年6場所制がスタートした。昭和 33年から42年までの優勝力士対次点力士戦が 皆無は以下である。番付差による対戦なしが 相変わらず目立つ。昭和40年から部屋別総 あたり制が始まり、同系統というという事情 は消滅した。 昭和35年五月場所、優... -
殊勲賞の中身Ⅱ 5【昭和41年~42年】
昭和41年から42年にかけて大鵬が第二次6連 覇を達成した。優勝回数では19回目から26回 目へ伸ばした時期である。新しい力として 北の 冨士、玉乃島、琴櫻が台頭してきた。 昭和41年一月場所、北の冨士は優勝力士柏戸 に唯一の土をつけて殊勲賞を初受賞し... -
白鵬10大記録9 横綱12勝以上
横綱は常に優勝を争うべき立場である。それ では横綱の責任勝ち星は何勝か。最低12勝で あろう。大関で何場所11勝を続けても横綱 にはなれない。また、北の富士は横綱で4場 所連続11勝したらイレブン横綱と揶揄された。 15日制が定着したのは昭和24年夏場... -
すれ違いの優勝争い3
昭和21年秋場所を開催したが、メモリアル ホール(旧両国国技館)の入りは芳しくなか った。協会は人気回復のために報道陣に意見 を求めた。彼らはまず、好取組が増える系統 別総あたりの復活を提案した。協会は出羽海 (元両国=前名国岩)取締役と立浪(... -
殊勲賞の中身Ⅱ 4【昭和39年~40年】
昭和39年から40年、大鵬が23歳から25歳の ときである。優勝でいうと12回目から18回目 を成した時期である。昭和40年から時津風 (元双葉山)理事長の英断によって部屋別 総あたり制がスタートした。横綱栃ノ海対 大関佐田の山が4日目、大関佐田の山対大関... -
2022年土俵の目撃者カレンダー
2022年土俵の目撃者カレンダーをお届けします。 今年も残り2カ月余りとなりました。 興味深いテーマをこれからもお届けします。 -
白鵬10大記録8 横綱勝率
品格力量抜群につき横綱に推挙する。品格は 定義されていない。それでは力量抜群とは どれくらいの力量になるのだろうか。時代を 築けるほどの力量なら文句は出まい。なに しろ横審が誕生以降も弱い横綱、物足りない 横綱は出現してきた。もうひとつ目安に... -
すれ違いの優勝争い2
昭和7年春秋園事件が勃発し、力士の大量 離脱がおきた。残った幕内力士では足りなく、 十両から繰り上げ入幕した。だが、取組は 東西制では無理があったため、系統別総あた り制となった。これによって優勝者と次点 力士が同じ方屋で対戦がなかったケース... -
殊勲賞の中身Ⅱ 3【昭和37年~38年】
昭和37年~38年にかけて大鵬は第一次6連覇 を達成している。柏戸は休場が多い時期で、 大鵬時代がゆるぎないものになった。 昭和37年三月場所、若羽黒は優勝同点力士 大鵬に勝ちながら殊勲賞の受賞とはいかなか った。元大関にこだわったのだろうか。殊勲...