さる三月場所は大関正代対大関御嶽海戦が
なかった。それだけではない。大関正代対
関脇阿炎戦、大関貴景勝対関脇阿炎戦もなか
った。その背景には幕内中位の高安、琴ノ若
が勝ちあがってきたことである。それだけ
ではない。止め役の大関が負けてしまった
ことが大きい。
だからといって安易に割りをくずしていい
ものではない。三役・横綱の取組は工夫が
必要である。早めに組むことはできるはずだ。
特に負けが込んだ大関、優勝戦線から脱落
した力士はなおさらである。令和に入って
三役・横綱の取組から消えた一番は多い。
それをピックアップしてみたのが以下である。
数字は成績である。
令和に入って17場所経過した。その間三役・
横綱戦の消えた一番は24番もある。内訳は
横綱対大関が3番、大関対大関が5番、横綱
対関脇が1番、大関対関脇が6番、関脇対
関脇が4番、関脇対小結が5番である。さす
がに24番は多すぎる。取組の工夫がなさすぎ
た。
照ノ富士対正代戦は大関同士、横綱対大関戦
で三番も実現していない。幻の取組になり
つつある。正代対御嶽海もこれまで3度組ま
れなかった。関脇以上は少なくとももれなく
対戦させるべきだろう。負けが込んできたら
早めに対戦させることである。これまでと
同じことを繰り返していいわけがない。
個人別では、正代が9回と最多登場している。
貴景勝・御嶽海が7回と続いている。令和は
17場所である。いささか多すぎる。照ノ富士、
阿炎が4回登場している。今後取組に対して
取り組む姿勢を変えない限り、彼らの数字を
今後も増やしていくことになる。
きたる五月場所はどんな取組編成をみせて
くれるか。隠れた見所である。