三月場所、豊昇龍は新小結であった。これは
前の場所で、上位で勝ち越しによる昇進では
なかった。幕内中位での11勝4敗という大勝
ちによるものである。それだけにどういう
結果を残すか気になっていた。千秋楽、優勝
圏内の3敗琴ノ若に勝って勝ち越した。小結
で勝ち越した意味は大きい。また、上位での
勝ち越しはこれが初めてであった。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2022/04/琴ノ若A-e1651125032610.jpg)
入幕してしばらくは軽量に泣いていたが、
最近は力強くなってきた。だが、常にこの力
を発揮できる保証はない。まず、三役に定着
できる力をつけることである。
おじの朝青龍はスピードと集中力の相撲だっ
たが、豊昇龍もそういう相撲が適合している。
立ち合いから攻め込む技があればなおいい。
立ち合いから前褌を取って出る。あるいは
寺尾のように回転の速い突っ張りも考えられ
る。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2022/04/080524十四日目幕内-158.jpg)
三月場所でいくつかの点がはっきりした。
まず、照ノ富士に4連敗、御嶽海に3連敗、
高安に不戦敗を含めて4連敗と勝てない。
横綱照ノ富士に勝てば自信がつく。御嶽海の
馬力を封じればほかのパワー相撲にも通用
する。それは自動的に高安にもつながる。
逆に3連敗中だった貴景勝に三月場所に初め
て勝っている。
ライバルとの対戦成績はどうか。若隆景とは
2勝3敗、霧馬山とは3勝3敗、琴ノ若に
3勝1敗である。大関争いという点では若隆
景が三月場所の優勝によって何歩もリード
した。朝青龍は入幕10場所で大関に昇進した。
だが、朝青龍と比較してもしょうがない。
豊昇龍はとにかく今は地力をつける以外に
ない。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2022/04/220327千秋楽幕内-941-e1651125068562.jpg)
コロナ禍で取材がままならないないなかで、
4月21日付けスポーツ報知に八角(元北勝海)
理事長のインタビュー記事が掲載された。
横綱大関狙う若手出て来い、という見出しの
なかで、今は横綱、大関が4人と少ない。
もっと早く次が出てきてほしい。チャンス
だと思わないと、と述べている。
![](https://dohyounomokugekisya.net/wp-content/uploads/2022/04/八角-e1651125109978.jpg)
具体的な名として若隆景。琴ノ若、琴勝峰は
目の色を変えてくれたら、と条件つきで名前
が出てくる。だが、豊昇龍の名はない。豊昇
龍はこのことに発奮しなければ嘘である。
そして実績を早目に築くべきである。