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■春12日目 速攻白鵬トップに浮上
この日の決戦は、1敗同士の白鵬と豪栄道の対戦である。大関に昇進してから、勝てず苦しい場所の連続だった豪栄道がここまで1敗できたのは、突然変異としか思えなかった。先場所は4勝11敗 と惨敗。優勝争いトップの琴奨菊の対戦相手となること事態、悲痛... -
■春11日目 三者1敗で併走!真価問われる白鵬
毎日決戦が展開される大阪場所。 こんな場所は珍しい。この日は全勝 稀勢の里対1敗白鵬の対戦である。稀勢の里が勝てば、優勝へ大きく前進することになる。その場合、白鵬は2敗で後退し、横綱として4場所優勝なしという、ワースト新記録につ... -
■春10日目 底力を見せた稀勢の里
この日から稀勢の里の横綱戦が始まった。妥協なきがちんこ力士を貫いてきただけに、横綱もかなり、大事なところで負けたり、苦しんできた。最初の対戦は鶴竜である。 津流前日の琴奨菊戦とは異なり、激しい熱戦となった。鶴竜、のどわ攻めから、 もろ... -
■春9日目 大一番に名勝負なし
琴鎌谷が初めて負け、小柳が5連勝をあげ、宇良が十両を決められず、敗れる。そんな流れを経て、大相撲はクライマックスへと向かった。場所は後半戦、いよいよ、大関対大関、横綱対大関が始まった。この日の観客の最大の注目の一番は1敗の琴奨菊対全勝の&... -
■8日目 全勝決戦に館内は燃えた
この日最大の注目の一番は、7戦全勝同士の稀勢の里対勢の一番である。両力士が全勝で対戦するとは、誰が予想できただろうか。館内の正面イス席には、勢を応援する方が観客をまきこんで、大道具・小道具を使用しての大声援を送っていた。カメラマン席のカ... -
■春7日目 力強さをみせた二番
勢は横綱・大関とフル対戦して、まだ勝ち越したことはない。しかし、着実に力をつけてきている。この日、妙義龍に攻められ、後退しばがら一蹴した力強さは、今までとは違う勢だった。勢はこれで7戦全勝。この中には照ノ富士からの勝利が含まれる。これか... -
白鵬の63連勝10 連勝記録は時代を超えたロマン
白鵬の敗因は、十分に組み止められず、稀勢の里の張り手に熱くなった。稀勢の里の寄りに内掛けも白鵬らしくなかった。負けるときはこんなものかもしれない。しかし、63連勝はりっぱな記録だ。殊勲の稀勢の里は、休みなく攻め、白鵬に右四つを許さなかった... -
白鵬の63連勝9 連勝記録が途絶えた瞬間
十一月場所の見どころは白鵬の連勝記録が、双葉山の69連勝を超えるかである。新記録達成は、白鵬の心理状態しだいである。打倒白鵬の可能性が高いのは鶴竜、稀勢の里。この二人が最も白鵬に抵抗した。豊ノ島がどこまで上がるかによるが、面白い相撲を取る... -
白鵬の63連勝8 白鵬、千代の富士超えの62連勝
平成22年九月場所初日。小結鶴竜がまきかえで突破口をひらこうとしたが、最後はまき変えたとき白鵬に出られて寄り切られた。7日目、横綱の土俵入りが終わり、取組開始までの休憩時間、観客が集まってきた。NHKの放送席で解説をしている元千代の富士の... -
白鵬の63連勝7 表彰なし!特性カップを白鵬に進呈せよ
平成22年七月場所のプラスは、白鵬の3場所連続全勝優勝の達成。阿覧、鶴竜、豊真将の活躍。マイナスは白鵬以外に優勝を争える力士がいない点、多くの謹慎力士・親方を出した点である。全体を通して熱戦が少なかった点である。<優勝パレード> 15日... -
白鵬の63連勝6 開催があやぶまれた七月場所
平成22年七月場所は暴力団がらみの野球賭博に関わった力士・親方が多く、開催があやぶまれた。朝青龍が引退させられたときは、大相撲を支えている力士の層は厚い、ということを言っていた方がいたが、さすがに幕内で解雇1人、謹慎6人、十両で4人出すと... -
白鵬の63連勝5 白鵬、連続全勝優勝を達成
平成22年五月場所の優勝争いは13日目で決まり、千秋楽は魁皇の通算勝利1000勝が見られるかが見所になってしまった。しかし、把瑠都(10勝5敗)がくずれればこうなることはわかっていた。三月場所の最後まで優勝が決まらなかったほうが例外で、今後は五月... -
白鵬の63連勝4 磐石からスキなしへ白鵬が無敵相撲
東京場所は年3回あるだけに、朝青龍不在の影響が出たようである。初日は空席が目立ったし、平日、特に前半はガラガラだった。友人の中には、朝青龍がいないなら、もう本場所へいくことはない、と宣言していたほどである。白鵬は初日から4日目まで、相手... -
白鵬の63連勝3 白鵬、全勝で13回目の優勝
平成22年三月場所は朝青龍の引退後初の場所になった。だが、満員御礼が8度出たということで観客動員に大きな影響は少なかったといえるのではないだろうか。千秋楽、協会挨拶のとき、朝青龍がいないことに対する不満をやじっていた者がいた程度だった。把... -
白鵬の63連勝2 把瑠都と全勝決戦
平成22年三月場所、関脇把瑠都は長足の進歩をみせた。3日目、把瑠都が稀勢の里を突き立て一方的に突き倒した。それは今まで見たこともない把瑠都の相撲である。以前の把瑠都の突っ張りは、どことなくすきがあり、ともすれば相手に飛び込まれかねなかった... -
白鵬の63連勝1 連勝は優勝なき場所から始まった
連勝。それは強豪力士のなかでも、ほんの一握りの選ばれた力士にしかなしえない至難の業。その一人に白鵬がいた。平成22年一月場所、横綱白鵬は12勝3敗で優勝を逃している。優勝したのは、横綱朝青龍である。そして、それが朝青龍最後の25回目の優勝であ... -
◆お知らせ 賢明な読者の皆様へ
土俵の目撃者をいつもご愛読いただき誠にありがとうございます。足を使い、この目で見た生の大相撲をお届けするため三月場所の7日目から千秋楽は場所後に掲載いたします。暫くお待ち願います。その間「白鵬の63連勝」に関するテーマをお届けします。興味... -
■春6日目 場所のゆくえ
この日、日馬富士が嘉風に照ノ富士が琴勇輝に負けて2敗に後退した、ほかの横綱・大関は安泰だった。6日目が終わっての現時点の上位の成績は以下になる。全勝 稀勢の里 1敗 白鵬 鶴竜 琴奨菊 豪栄道優勝はこの5人が有力である。優勝ラインが13勝... -
■春5日目 勝ち方・負け方、問題提起の三番
琴奨菊対隠岐の海戦で波乱がおきた。ここまで完璧な相撲を取ってきた琴奨菊に土がついた。といっても、琴奨菊は相撲に勝って勝負に負けたのである。相撲は琴奨菊ががぶり寄りで出たが、隠岐の海が左へ回り込んで片足1本で残し、琴奨菊は体が離れ、一瞬早... -
■春4日目 すごみを増したがぶり寄り
琴奨菊は好調である。場所と場所の間は、イベントが多すぎて稽古に集中できない環境を心配する方々がけっこういた。しかし、そんな見方は的外れとばかりに、かぶり寄りで自分の相撲を取っている。この日は初日白鵬を倒した小結宝富士だが、左の相四つでも... -
■春3日目 右四つでも強かった琴奨菊
琴奨菊の得意の体勢は、左ざしから右上手あるいは、はさみつけてのがぶり寄りである。そうした体勢になれないときの琴奨菊はどういう相撲を取るか興味深かった。今日の対戦相手栃ノ心に対して、琴奨菊は今場所初めて右四つになった。ただ、それでも立ち合... -
■春2日目 3大関の全盛期
2日目、横綱・大関は全員白星で波乱はおさまった。琴奨菊が快調で、先場所の相撲がそのまま続いている。ところで、琴奨菊は先場所優勝し、今場所は横綱を狙う立場から、今が一番強いと思っている方が多いと思う。ところがよくよく調べてみると、そうそう... -
■春初日 2つの敗因
白鵬が初日、これまで10勝無敗の宝富士にあっけなく、雑な取り口で敗れた。宝富士がどこからいっても、負ける要素がなかっただけに予想外であった。白鵬の敗因は何か。白鵬はここ2場所最終盤で、まったく勝つ気がなく、あっさり負けてきた。十一月場所●照... -
大阪場所 相撲通の予想・注目点
明日から待望の三月場所が始まる。一月場所で10年ぶりに日本出身の日本人が、優勝した盛り上がりをそのまま大阪に移行した人気である。チケットは土日祝日どころか、平日もほとんどない状況である。盛り上がっている三月場所を相撲通5氏に予想・注目点を... -
幕内上位陣の出世レース
幕内には2つある。横綱・大関と対戦する幕内とそうでない幕内である。三月場所の番付でいうと、前頭東3枚目の碧山までが横綱・大関とフルに対戦する。日馬富士・照ノ富士・宝富士は同部屋のため、前頭東西4枚目の勢・蒼国来まで対戦する。琴奨菊と琴勇... -
大相撲 不祥事で失われるもの
プロ野球が騒がしい。昨年秋、3人が野球賭博に関与したということで解雇になった。しかし、膿は完全に出し切っていなかったため、新たに関与した投手が現れた。なかなか正直に言い出せなかったようだが、無理からぬことである。処分によっては失うものが... -
稀勢の里最強大関の証明
一月場所初優勝した琴奨菊の話題が、尽きない。横綱昇進は仮に13勝で優勝しても、直近5場所は8勝ー11勝ー8勝-14勝-13勝で5場所54勝で、とても安定感のある横綱は望めない。また、琴奨菊の大関26場所の成績は、218勝148敗24休で勝率は5割6分である... -
史上初 それは大阪場所でおきた
千秋楽結びの一番、横綱同士による全勝対決が実現。この史上初の優勝争いの舞台となったのが、大阪場所であった。昭和35年三月場所、栃錦と若乃花の両雄の間で行われた。協会が個人優勝を制定した大正15年から105場所目のことであった。なお、明治42年両国... -
連続写真で見る琴奨菊の3横綱撃破
一月場所初優勝した琴奨菊の圧巻は、3横綱からかぶり寄りで勝利したことである。これまで3横綱全員との対戦は5度あるが、1勝が2度、3敗が3度であった。2横綱在位のときに白鵬・日馬富士から2勝したことはあるが、このときは琴奨菊自身が8勝とい... -
大阪場所事件簿 千代ノ山の横綱返上問題
大阪でおきた最悪の事件は、大鵬の連勝記録誤審でストップであろう。これまで積み重ねた連勝記録45が、審判の誤審で止まるという相撲史上最悪の汚点となる事件だった。この事件はこれまで触れてきたので、ここではもう一つの事件をとりあげてみたい。昭和2... -
休場大関の横綱昇進
横綱を期待できる逸材、照ノ富士が一月場所休場して、一転カド番に陥った。大関になってから4場所目のことである。これで照ノ富士の横綱昇進はすぐにはないな、と思うファンもいたにちがいない。照ノ富士は復活して、横綱を狙えるのか。横綱が実質上地位... -
十両をうかがう宇良
宇良が幕下西2枚目まで番付を上げてきた。成績次第では十両昇進が可能になる。1年前は前相撲だったのだから、超スピードで駆け上がってきたことになる。成績は通算32勝3敗である。序ノ口7勝優勝序二段7勝優勝三段目5勝2敗幕下7勝幕下6勝1敗土俵... -
白鵬の復活は白鵬次第
横綱昇進以降、白鵬は2度目の3場所連続優勝なしとなった。三月場所優勝がなければ4場所連続となり、不名誉な新記録となる。もっとも白鵬の場合は、惜しくも優勝を逃したとはいいがたい。途中休場した九月場所を除けば、十一月場所・一月場所は、最終盤... -
琴奨菊に対する2つの不安
三月場所の注目度が高いのは、琴奨菊になるのはやむを得ない。好むと好まざるとに関らず、琴奨菊がどんな相撲を取るか、それが焦点になる。琴奨菊に対して2つの不安がある。1つは稽古に集中できる環境でなかったことだ。年6場所制では、場所と場所の間... -
番付御免
三月場所の番付が発表された。琴勇輝が前頭東筆頭に上がってきた。初めて横綱・大関とフル対戦する地位まできた。新入幕以来20場所目である。力士会で「犬みたいに吼えるな」と釘を刺した白鵬に対し、「フォー」というのか。白鵬対琴勇輝戦が注目される。... -
この10年の優勝物語5
旭天鵬・照ノ富士・琴奨菊の初優勝には共通点がある。それは場所前、優勝予想にあげられなかった点と絶対王者・第一人者の白鵬の崩れである。白鵬が横綱になって優勝を逃した場所は18場所ある。そのうち11勝以下は、5場所ある。平成20年七月場所 11勝4... -
平成23年メモに見る琴奨菊の今後
琴奨菊の初優勝は日本出身の日本人としては10年ぶりであることはよく知られている。それとともに、大関26場所目の優勝であった。琴奨菊が大関に昇進したのは平成23年九月場所後のことである。今から4年余り前である。そのとき、琴奨菊の今後を占うメモが... -
この10年の優勝物語4
表彰なき優勝。こんなさびしい、むなしい優勝があっただろうか。本来優勝は栄光に彩られ、各表彰・賞金・商品とともにその名を永遠に歴史に刻む栄誉に包まれるものであるはずだ。渡されたのは優勝旗のみである。実は、白鵬は35回優勝のうち2回経験してい... -
稀勢の里の使命
初代若乃花、北の富士、貴ノ花、稀勢の里には、ある共通点がある。それは大関昇進直前の成績が、15日制で10勝であることだ。厳密には初代若乃花は10勝4敗1分だが、大関昇進に十分な成績とはいえなかった。後に横綱になった北の富士は8勝-10勝-10勝と... -
この10年の優勝物語3
日馬富士と鶴竜は、白鵬時代の陰に隠れた感がしなくもない。ともに共通点がある。最初の優勝のチャンスは関脇時代で、優勝決定戦で白鵬に敗れていることである。それから3場所後に日馬富士は初優勝し、鶴竜は13場所後に初優勝した。現在日馬富士は7回、... -
学生出身唯一の横綱輪島の源
現代の大相撲は、大学相撲出身が花盛りである。しかし、横綱を狙える逸材はいるか、と聞かれると躊躇する。今のところ、学生出身で横綱になったのは輪島ただ1人である。2年連続学生横綱を取った輪島が、横綱に昇進したのは昭和48年五月場所後である。そ... -
この10年の優勝物語2
琴欧洲と把瑠都はともに優勝1回である。本来ならもっと優勝してもおかしくない逸材である。ケガが彼らの実力を思うように発揮させなかった。たった1度の優勝は、実にかけがえのない、貴重な瞬間であったに違いない。彼らの優勝への道を辿ってみよう。<... -
この10年の優勝物語1
琴奨菊の初優勝は、栃東以来の10年ぶりの日本出身の日本人力士の優勝だった。この10年の優勝の内訳は以下である。 朝青龍16回から25回白鵬1回から35回琴欧洲1回日馬富士1回から7回把瑠都1回旭天鵬1回鶴竜1回から2回照ノ富士1回この10年、イ... -
豊ノ島が最も輝いた場所
一月場所では豊ノ島が場所を面白くした。豊ノ島は大関・横綱戦は琴奨菊戦のみであったが、優勝力士を倒したことで殊勲賞を受賞した。12勝と好成績も残した。個人的には敢闘賞も受賞してもよかったのではと思う。豊ノ島という力士、ときどき思いもよらぬ活... -
若き琴奨菊にわいた日
琴奨菊初優勝の余波はいまだ続いている。この後も佐渡ヶ嶽部屋のある松戸と出身地福岡柳川で優勝パレードを予定しているという。一月場所千秋楽はまさに琴奨菊にわいた日だった。だが、その日とは別な日、若き琴奨菊にわいた日がある。それは平成20年三月... -
現代相撲部屋事情
かつて、元常陸山の出羽ノ海のもとには約100人の弟子がいた。玉錦は名門出羽海(この当時は「ノ」の字はない)のように小部屋を一大勢力の部屋にしようと、二枚鑑札(現役と師匠を兼任することで、現在は禁止されている)のまま60人以上の弟子を抱えた。今... -
幕下以下の年齢考
前回、力士志願者の減少に触れたが、今回は現役の幕下以下の力士の現状について年齢面から書いてみる。幕下以下の力士は安定した収入源をもたない。従って、多くの幕下以下の力士は十両目指して切磋琢磨するわけだが、幕下以下の力士全員の幸福はない。い... -
引退力士数と入門者数
2月にNHKで放送された「週刊ニュース深読み」で大相撲が特集された。番組では、大相撲の人気の秘密を多角的に分析する一方、悲観的な材料として力士のなり手が減っていることを指摘していた。昨年の2015年の力士数はどうだったのか。引退数と入門数を... -
半世紀を経過した部屋別総当たり制2
昭和39年9月、時津風(元双葉山)理事長は取締会で高砂(元前田山)、出羽海(元出羽ノ花)、ニ所ノ関(元佐賀ノ花)に部屋別総当たりについて諮った。なお、立浪(元羽黒山)は欠席した。その上で場所の14日目に緊急理事会を徴集した。理事会は前記4人... -
半世紀を経過した部屋別総当たり制1
現在の取組編成は部屋別総当たり制であり、相撲ファンはそれが当たり前のこととして受け入れている。部屋別総当たり制が始まったのは、昭和40年の一月場所だから、すでに半世紀を経過したことになる。始まったのは昭和40年だが、戦後しばしば、部屋別総当... -
初優勝の翌場所の成績4
昭和40年時の理事長、時津風(元横綱双葉山)の断行によって部屋別総当り制が実現した。現在の優勝制度に近づいたといえる。また、昭和46年七月場所より、平幕でも勝ちこんできた者は上位にあてる規定ができた。しかし、これは中途半端な扱いになっている... -
47年前の大相撲の長所短所
北の湖理事長以前に理事長現職で亡くなった方に元横綱双葉山の時津風理事長がいる。時津風理事長の後は元出羽ノ花の武蔵川が理事長に就いた。専門誌「大相撲」(読売新聞社刊)1969年3月号では「武蔵川内閣への期待と不安」という特集を組んでいる。その... -
三月場所チケット事情
「瞬時」。これは何を意味するか。それは、三月場所の千秋楽チケットの完売時間である。千秋楽のイス席・マス席を問わず、全席が瞬時でなくなったのである。発売日は2月7日であった。かつて七月場所千秋楽で瞬時である席がなくなったことはあった。それ... -
初優勝の翌場所の成績3
これまでの優勝はすべて東西制によるものだが、相撲史上の大事件が歴史をぬり変えた。昭和7年1月におきた春秋園事件である。出羽海部屋の力士を中心に幕内力士42人中29人が脱退、十両は22人中19人が脱退するという、協会の屋台骨を揺るがす大事件に発展... -
写真で見る日本大相撲トーナメント第40回大会
2月7日は今年一番の忙しい日だった。この日は大阪場所のチケットの発売日と日本大相撲トーナメント第40回大会が重なった日だった。いつもは白鵬杯と重なるのだが、今回は珍しく?日本大相撲トーナメント大会だった。大阪場所のチケット情報に関しては別... -
初優勝の翌場所の成績2
初優勝の翌場所の成績はどうか。大正末から昭和にはいって優勝制度は大きな変革を迎えた。新聞社制定の優勝から協会認定の優勝に変わるきっかけが、大正14年におこった。摂政宮殿下(後の昭和天皇)からの下賜金によって天皇賜杯がつくられた。これを機会... -
初優勝の翌場所の成績1
琴奨菊初優勝の余韻とその話題がつきないが、琴奨菊にとって大切なのは、三月場所である。相撲博物館が優勝力士100人の企画を展示したのは、鶴竜がちょうど100人目であったからである。その後照ノ富士、琴奨菊が初優勝を達成したので、琴奨菊は102人目の優... -
佐渡ヶ嶽部屋の謎?
琴奨菊が先代師匠琴桜の如く、予期せぬ連続優勝で横綱に昇進したら、佐渡ヶ嶽部屋では何人目の横綱になるかご存知だろうか。この部屋からは琴桜しか横綱はでていないのでは、と思うかもしれない。横綱をつぶさに調べてみると、ほかにもいたことが浮上して... -
琴奨菊は第2の琴桜になれるか
琴奨菊が31歳で初優勝したことは、大きな話題として報道された。自分を支え、応援してくれた多くの方に感謝する発言も好感をもって受け入れられた。何より日本出身の日本人優勝が相撲ファンにとって大きな喜びとなってヒートアップした。次は連続優勝して... -
白鵬、3場所連続優勝なしという現状
一月場所、13日目に全勝の琴奨菊に土がつき、白鵬が並んだ。それにも関らず、白鵬は14日目・千秋楽と覇気のない相撲を取った。まるで優勝決定戦を避けるかのようにさえ見えた。思い起こせば白鵬は、先場所の14日目・千秋楽も勝つ気のない相撲を取った。こ... -
豊真将引退大相撲
1月30日、豊真将引退立田川襲名披露大相撲が行われた。天気予報は雪だったが、両国は雨、それも始まる頃は小雨で午後にはあがった。<お客さんを迎える豊真将> 相撲塾でのPR、チケット購入者にクリアファイル、チケットによっては手形がつくなどのサ... -
一月場所の観客数
琴奨菊の初優勝で幕を閉じた一月場所。東京場所はまたしても15日間満員御礼が出て盛況だった。チケットは発売日から過熱気味であったが、それは土日祝日が中心であった。しかし、あけてみれば平日も連日1万人以上の入りで、札止めが5日あったのだから驚... -
豪栄道の限界
日本出身の日本人琴奨菊の優勝にわいた一月場所。その陰に隠れたように忘れ去られた大関が豪栄道である。4勝11敗。惨敗である。途中休場もあるかと思えたが、最後まで取り切った。負けが込んでの休場は、悪しき慣例である。その点は救われたが、3度目の... -
琴奨菊熱闘15番勝負
一月場所の琴奨菊は勝った14番は安美錦戦以外は完璧な取り口だった。3横綱に圧勝したのは最大の成果だった。初優勝を達成した熱闘15番を振り返ってみた。琴バウアー ○初日宝富士戦突き落とし  ... -
総評
★優勝争いについてまったく盛り上がらなかった。原因は白鵬にある。13日目に琴奨菊が負け、1敗の白鵬にチャンスがまわってきた。それなのに、まるでやる気がないような14日目の稀勢の里戦、千秋楽の日馬富士戦の負け方だった。白鵬は先場所の14日目、千秋... -
琴奨菊初優勝の栄光グラフ
琴奨菊が約10年ぶりに日本出身の日本人優勝を初優勝で飾った。大関に昇進してから26場所目であった。横綱・大関とフル対戦して13勝以上の成績をあげたのも初めてだった。優勝の栄光を写真で追った。賜杯を八角理事長より受ける琴奨菊 &nbs... -
■初 千秋楽琴奨菊初優勝の要因
千秋楽、1敗の単独トップの琴奨菊が勝てば初優勝。対戦相手の豪栄道は8連敗中の4勝10敗と大敗している。琴奨菊の相手にはならない。琴奨菊が落ち着いて相撲を取れば負ける要素はない。実際、対戦はその通りの結果になった。琴奨菊の圧勝だった。琴奨菊... -
■初 14日目注目の2番を分析
琴奨菊、14日目の対戦相手は関脇以下最強の栃煌山である。けれんや奇襲はないが、自分の型になったら力を発揮する実力者であり、要注意力士である。琴奨菊の心配は、前日の豊ノ島戦での敗北を引きずっていないかである。対栃煌山戦、琴奨菊は立ち上がるや... -
■初 13日目併走に戻った賜杯のゆくえ
優勝戦線に変化あり。3横綱を撃破した琴奨菊が、豊ノ島によもやの黒星。ここまで完璧な相撲が一転してころがる琴奨菊と化した。この相撲内容は想像できなかった。確かに豊ノ島は立ち合いからもろ差しを狙ったり、俊敏で、動きで撹乱したりする面はもって... -
■初 12日目琴奨菊の優勝をめぐる見方
「明日の一番楽しみです」と語っていた日馬富士。1敗で琴奨菊を追走している。12日目その日馬富士と琴奨菊が激突した。琴奨菊は出足で圧倒、日馬富士を寄せ付けなかった。琴奨菊はモンゴル包囲網を突破、優勝に大きく近づいた。もし、琴奨菊が優勝を逃す... -
■初 11日目白鵬対琴奨菊戦を斬る
全勝同士の白鵬-琴奨菊戦が激突する11日目。優勝を左右する大一番である。結びの一番を前に、花道の奥の琴奨菊を見た。特に固くなっている様子はない。相手は大鵬の優勝回数を抜いた第一人者である。変化はないだろう思い切ってぶつかっていくしかないと... -
■初 10日目琴奨菊優勝の可能性を探る
日本出身の日本人の優勝が途絶えて9年と5場所になる。一月場所優勝できなければ10年になる。しかし、その中で琴奨菊が快進撃を続けている。10日目はモンゴル包囲網の一角鶴竜を寄り切り、10戦全勝とこれ以上ない快進撃を続けている。たった1度の13勝が優... -
■初 9日目雑感
雪にも負けず、雨にも負けず、電車の遅延にも負けず国技館に辿り着いた。9日目を観戦するためである。悪天候にも関らず、満員札止めとなった。この様子では10日目以降も満員札止めの可能性が出てきた。お客さんと会話した。安美錦と御嶽海がインフルエン... -
■初 8日目場所のゆくえ
全勝白鵬・琴奨菊、1敗日馬富士で後半戦へ折り返した。果たして優勝のゆくえはどうなるか。初日、勢相手にサーカス相撲を取った白鵬だが、調子を上げてきた。安定感はナンバー1である。8日目も嘉風相手に落ち着いて取った。2場所優勝から遠ざかっただ... -
■初 7日目希薄になった大関の権威・責任
豪栄道が松鳳山に負け、3敗目となった。優勝争いはおろか、この後の対戦相手を考えるとまたも大関最低責任勝ち星の10勝は困難になった。大関は言うまでもなく、協会の看板である。しかし、実際は看板にふさわしくない大関が多すぎる。その原因は、はっき... -
■初 6日目 暗転の照ノ富士
照ノ富士は今日からケガで休場した。急成長が期待され、唯一の横綱候補が一転してカド番に追い込まれてしまったことになる。これは照ノ富士の横綱昇進にどのように影響するか。といってもこれまで照ノ富士は13勝1回、12勝2回の実績しかない。まして大関... -
■初 5日目上位くずれるなか、宝富士-蒼国来が大熱戦
平日にも関らず、3日目・4日目と満員御礼が出た。両日とも団体客が目立った。そこで満員御礼がでる日の当日券を求めるお客さんはどれくらいいるのか、見てみた。今日5日目の8時の時点で並んでいたのは南門あたりで、130人台だった。もちろん、すべてが... -
■初 4日目迷走し続ける元怪物
前日、照ノ富士を寄り切った逸ノ城も4日目の日馬富士に手も足も出ない相撲で完敗した。逸ノ城の迷走は止まらない。逸ノ城の相撲に精彩がなくなって久しい。横綱・大関戦に期待がもたれなくなってきた。新入幕で横綱・大関を倒して旋風を起こしたのは、も... -
■初 3日目進歩なき再現
先場所から年を改めてスタートした今場所。その間何が変わったのだろうか。3日目の相撲内容を見るにつけ、そう思わざるを得なかった。栃ノ心対豪栄道戦。先場所3日目、豪栄道は栃ノ心に対して力負けした。ある意味堂々とわたりあって負けたともいえる。... -
■初 2日目日馬富士敗戦の法則
横綱日馬富士がまさかの相手松鳳山に負けた。それも、あしらわれたかのような敗戦だった。松鳳山といえば、2場所前は十両力士であった。もっとも、その2場所前は13勝2敗で優勝している。その勢いのまま先場所は12勝3敗で敢闘賞を受賞している。だから... -
■初 初日天覧相撲の中の物言い2番を分析
国技館では入場すると手荷物検査が待っていた。「天覧相撲ですか」と聞くとそうという返事だった。昭和天皇のときは幕内の土俵入りからご覧になっていた。その土俵入りは通常とは異なっている御前掛かり土俵入りだった。御前掛かり土俵入りを見たことがな... -
一月場所の新たな見どころ
明日10日から初日が始まる。ついにか、とうとうかは人によって異なる。筆者はやり残していることがあるので、どちらかというと後者である。だが、スイッチを切りかえ、明日からの初日にそなえる。そこで一月場所はどうなるか。これまで横綱・大関に関して... -
写真で見る明治神宮での奉納土俵入り
新春恒例の明治神宮での奉納土俵入りが行われた。年1回だけここで会う方がいる。かつて相撲を取った仲間である。といってもアマチュアではなく草相撲である。それでも夏合宿で湖畔に行ったり、大会をおこなったりした。夏合宿は1日目がちゃんこ鍋、2日... -
新旧交代せず
「白鵬は今年引退する」と知人が言う。知人の白鵬嫌いはここまで来たか。と思わずにはいられない。しかし、筆者は冷静につっこむ。白鵬は去年1場所0勝があっても年間最多勝を取ったではないか。白鵬が引退する理由はいったい何なのか。桜の花が散る如く... -
連続写真で見る朝青龍のスピードと集中力
2015年末の総見で白鵬・大関は相撲を取らなかったと報じられた。横綱審議委員からは「朝青龍がいたころは11時前に終わることはなかった」という発言が出たという。朝青龍といえばスピードと集中力で相撲を取った横綱である。今の力士にはいないタイプであ... -
相撲ショートショート
■立ち合い 相撲の勝負の7、8割は立ち合いで決まるという。それほど大切な立ち合いが乱れていたことがあった。大鵬時代の名勝負をご覧になった方はお気づきかと思うが、当時は制限時間後手をおろさない立ち合いが当たり前であった。立ち合いに待った... -
鶴竜の課題
鶴竜は優勝した次の場所の十一月場所では9勝6敗という、大関責任勝ち星の10勝さえ下まわる成績だった。9勝6敗は横綱として2度目であった。横綱の9勝6敗は何を意味するか。<十一月場所初日 嘉風に敗れた鶴竜>横綱の9勝6敗で思い出すのは、鏡里... -
土俵の充実の実現性
明けましておめどうございます。今年も土俵の目撃者、宜しくお願いします。土俵の充実。故北の湖理事長がスローガンにし、八角(元横綱北勝海)理事長が引き継いでいくという。それでは最初に土俵の充実を打ち出したのは誰かご存知だろうか。元栃錦の春日... -
今年1年ご愛読ありがとうございました
今年(2015年)1年ご愛読誠にありがとうございました。昨年(2014年)よりpvが約38100多いという結果を得られたのもご愛読いただいた皆様のおかげです。土俵の目撃者はいいものはいい、よくないものはよくないと書くことを指針としてきました。また同時に... -
続 今年の土俵の目撃者を振り返って
土俵の目撃者は写真にこだわっている。文字千字で表現するよりも1枚の写真のほうが説得力をもつからである。1年前、「土俵の目撃者の源流」で源流は3つあり、その1つが日本スポーツ出版社のプロレス専門誌ゴングであったことを述べた。日本スポーツ出... -
今年の土俵の目撃者を振り返って
今年も残すところ2日強となった。振り返れば土俵の目撃者は様々なテーマに取り組んできた。10月には3回にわたって「無念!玉の海}を書いた。腰で取る相撲で抜群の安定感を誇った玉の海が、27歳という若さで帰らぬ人となったときの衝撃・悲しみは一生忘... -
初期の外国人の優勝
日本人の優勝が出なくなって久しい。日本出身の日本人の最後の優勝は平成18年一月場所の大関栃東である。それでは逆に外国人の初優勝はというと昭和47年七月場所の高見山である。この年は一月場所から誰が優勝するかわからない戦国場所であった。事実一月... -
来年はどうなる 大関陣
照ノ富士65勝25敗稀勢の里62勝28敗琴奨菊 50勝39敗1休豪栄道 48勝41敗1休これが2015年の大関の成績である。(照ノ富士は大関3場所)大関の責任勝ち星は10勝である。大関として合格なのは照ノ富士と稀勢の里の2力士である。ただし、稀勢の... -
首投げ一閃
十一月場所、カド番豪栄道は7勝7敗で千秋楽を迎えた。まさに背水の陣である。対戦相手は関脇栃煌山である。実力者だけに勝てるとは限らない。立ち合い、栃煌山が双差しになる。豪栄道敗れたり。と誰もが思った一瞬、豪栄道がはなった捨て身の首投げが決... -
一月場所の番付発表
12月年の瀬の影響で、木曜日に一月場所の番付が発表された。白鵬は西横綱のままである。照ノ富士も東大関の座をあけわたした。人気の勢が2度目の小結についた。これまで横綱・大関とのフル対戦での勝ち越しはないだけに真価を問われる。2015年は1勝14敗... -
日馬富士展スタート
今日23日から5日間、日馬富士展が銀座の日動画廊で始まった。正確には「Two World」日馬富士&Zaya展である。後援は駐日モンゴル国大使館である。銀座の画廊に来るのは久しぶりである。以前は日本出版美術家連盟の画家展を中心に画廊へ足を向けていた。... -
さようなら北の湖理事長
22日、東京は比較的暖冬であり、天気もよく晴れ渡った。そんななかで北の湖理事長の協会葬の日を迎えた。協会員も大相撲ファンも最後のお別れの日である。協会員及び関係者は1階アリーナで、大相撲ファンは2階で焼香をおこなうとのことである。協会ホー... -
問題点を探る かくありたい協会の選挙
北の湖理事長亡き後に八角(元横綱北勝海)が1票差で理事長に就任した。多数に推されたわけでないだけに政権の脆弱さを感じる。実は11月に亡くなられた北の湖理事長は2度理事長に就いたが、快挙というより疑問をもたれての再登場であった。当時のスポー... -
2015年大相撲10大ニュース 2位1位
■2位照ノ富士初優勝で大関昇進今年の一月場所までは勝ちこすのがせいいっぱいだった照ノ富士だったが、翌場所から変身した。三月場所は白鵬を倒して、13勝2敗という好成績を残した。期待される逸材ではあったが、ようやく開花した。照ノ富士はもともと間... -
来年はどうなる 大関候補
一時期平成生まれの新十両・新入幕が話題になったことがある。まだ、平成生まれが珍らしかった。しかし、いまや平成27年も暮れようとしている。平成元年、あるいは平成2年生まれも20代後半になってきた。故北の湖理事長、八角新理事長ともに土俵の充実を...