大相撲

問題点を探る 白鵬のかちあげ

2016年6月2日

五月場所、白鵬が37回目の優勝を全勝で飾った。白鵬の
強さは、全盛期は過ぎ去ったが、まだまだ他の追随を許さ
ない。特にここ一番の稀勢の里戦でみせた強さは、稀勢の
里より何枚も上だった。そんな白鵬が、繰り出すかち上げが
問題になっている。肘で相手の顔面を狙うかちあげである。
勢を一発でふっとばした。一瞬何が起きたかわかりにくかっ
た。強烈な張り手で一瞬に膝からくずれる相撲は見たことは
あった。勢の場合は、顎に肘が入ったことによる一発KOだ
った。
160516九日目幕内 948
160516九日目幕内 950
<白鵬の肘に勢くずれる>
 
少し以前に大砂嵐が同様のかちあげをみせていたが、最近
は影をひそめ、見られなくなった。そもそも、かちあげは相手
の体を起こすために用いる立ち合いに繰り出す技である。
腕を曲げて相手の主に胸にあて、体を起こしてそこを攻め
込むために用いる。古くは吉葉山、北の湖が用いた。北の
富士もたまにやったことがあるが、顔にいれる力士はいな
かった。顔では体を起こすことはできない。

場所後、恐るべき事態が発覚した。白鵬のかちあげは、
ついには豪栄道の顔面骨折にまで広がりをみせた。白鵬
対豪栄道戦は12日目に実現している。豪栄道の残りの3
日間は、対戦相手ではなく、顔面骨折との戦いだったこと
になる。豪栄道の負傷は左眼窩壁と危ない箇所である。
今後、検査と手術をどうするか決めていくという。
160519十二日目幕内 781
<豪栄道、白鵬の肘に顔面骨折>
 
白鵬のかちあげは、厳密にはかちあげになっていない。
そうなると肘を相手の顔面にいれることの是非が問われ
る。勢戦・豪栄道戦は、どちらも勝負は成立し、特に審
判部からは何の指摘もなかった。何の指摘もないままで
は認めているのと同じことになる。このままでは豪栄道
同様の犠牲者を生みかねない。このことは、立ち合いに
手をおろすか否かよりはるかに重要な要素を含んでいる。
協会・審判部の早急な対応が不可欠である。

6月梅雨の季節
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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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