かち上げは、立ち合いで腕を曲げて相手の胸に当て、体を起こしてそこを攻め込むための技である。田口によれば、古くは吉葉山や北の湖が用いたが、顔に入れる力士はいなかった。2016年五月場所に白鵬が肘で相手の顔面を狙うかち上げを繰り出し、勢を一発で倒し、豪栄道が顔面骨折を負ったことで問題になった。
※相撲記者・田口 通廣が2016年6月に書いた記事をもとにした。
かち上げとは|相手の体を起こす立ち合いの技
そもそも、かち上げは相手の体を起こすために、立ち合いで繰り出す技である。腕を曲げて相手の主に胸に当て、体を起こし、そこを攻め込むために用いる。
古くは吉葉山、北の湖が用いた。北の富士もたまにやったことがあるが、顔に入れる力士はいなかった。顔では体を起こすことはできないからである。
白鵬のかち上げが問題に|2016年五月場所の勢戦
2016年五月場所、白鵬が37回目の優勝を全勝で飾った。全盛期は過ぎたが、強さはまだまだほかの追随を許さない。ここ一番の稀勢の里戦で見せた強さは、稀勢の里より何枚も上だった。
その白鵬が繰り出すかち上げが問題になっている。肘で相手の顔面を狙うかち上げである。
勢は一発で吹っ飛ばされ、一瞬何が起きたのかわかりにくかった。強烈な張り手で一瞬に膝から崩れる相撲はあったが、勢の場合は顎に肘が入ったことによる一発KOだった。


少し前には大砂嵐が同じようなかち上げを見せていたが、最近は影をひそめ、見られなくなっていた。
豪栄道の顔面骨折|場所後に発覚
場所後、恐るべき事態が発覚した。白鵬のかち上げは、ついに豪栄道の顔面骨折にまで広がった。
白鵬と豪栄道の一番は12日目に組まれている。豪栄道の残りの3日間は、対戦相手ではなく顔面骨折との戦いだったことになる。
田口は「豪栄道の負傷は左眼窩壁と危ない箇所である」と書き、今後、検査と手術をどうするか決めていくと伝えている。

田口の見方|かち上げになっていない肘と審判部の対応
田口は、白鵬のかち上げは厳密にはかち上げになっていないと見る。そうなると、肘を相手の顔面に入れることの是非が問われる。
勢戦も豪栄道戦も勝負は成立し、審判部からは特に何の指摘もなかった。何の指摘もないままでは認めているのと同じで、このままでは豪栄道と同じような犠牲者を生みかねない。
田口は、このことは立ち合いに手をおろすか否かより、はるかに重要な要素を含んでいるとして、協会・審判部の早急な対応が不可欠だと書いている。
| 項目 | 本来のかち上げ | 問題になった白鵬のかち上げ(2016年) |
|---|---|---|
| 当てる場所 | 相手の主に胸 | 相手の顔面(勢は顎に肘が入った) |
| ねらい | 相手の体を起こし、攻め込む | 田口は、顔では体を起こせず厳密にはかち上げになっていないと見る |
| 用いた力士 | 吉葉山、北の湖(北の富士もたまに) | 白鵬(少し前に大砂嵐にも同様の例) |
よくある質問
Q. かち上げとは何ですか?
A. 立ち合いで腕を曲げて相手の主に胸に当て、体を起こしてそこを攻め込むための技である。
Q. 白鵬のかち上げはなぜ問題になったのですか?
A. 肘で相手の顔面を狙うもので、2016年五月場所に勢を一発で倒し、豪栄道が顔面骨折を負ったためである。
Q. かち上げを使った力士は?
A. 田口は、古くは吉葉山、北の湖が用い、北の富士もたまにやったことがあるが、顔に入れる力士はいなかったと書いている。
Q. 審判部はどう対応したのですか?
A. 勢戦・豪栄道戦ともに勝負は成立し、審判部からは特に何の指摘もなかった。田口は協会・審判部の早急な対応が不可欠だと書いた。
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