大相撲

この10年の優勝物語2

2016年2月21日

琴欧洲と把瑠都はともに優勝1回である。本来ならもっ
と優勝してもおかしくない逸材である。ケガが彼らの実
力を思うように発揮させなかった。たった1度の優勝は、
実にかけがえのない、貴重な瞬間であったに違いない。
彼らの優勝への道を辿ってみよう。
080525千秋楽表彰 597琴欧洲パレード
<優勝パレード 琴春日 優勝者琴欧洲(>
把瑠都2A
<優勝パレード 天鎧鵬 亀田兄 把瑠都>
 
琴欧洲は序ノ口以来8場所で新十両に昇進。その十両も
2場所で突破した。入幕後わずか8場所で、大関に昇進
した。今、こんなスピードで駆け上がる力士はいない。
琴欧洲を見てきた目には、今の若手は物足りなく見える。

破竹の勢いの琴欧洲は、時代を築くか、朝青龍の引き立
て役で終わるか。だが、大関昇進後琴欧洲は一変した。
大関昇進後はケガもあり、1ケタ勝利に苦しむ場所が続
いた。その中で思わぬチャンスをつかんだ。
080524十四日目幕内 811安馬対琴欧洲○
<14日目 安馬(後の日馬富士)を倒し優勝決定>
 
大関15場所目の平成20年五月場所。琴欧洲は初日から
連戦連勝で10連勝。横綱は朝青龍と白鵬でここ2場所は、
千秋楽相星決戦をして1勝1敗で優勝を分け合っていた。
11日目琴欧洲は1敗の朝青龍と激突した。琴欧洲立ち合
いから先手を取り、右上手を取って小刻みな投げの連続
から、引きつけて休まず出て、寄り切った。翌日の1敗白
鵬戦も速攻で突破して、12連勝で2差をつけ、トップにた
った。13日目は苦手安美錦に1敗したが、朝青龍、白鵬も
星を落とし、4敗と3敗となったため、琴欧洲の初優勝は
決定的だった。
080525千秋楽幕内 842ステファン
<琴欧洲父ステファンさん>
 
故郷ブルガリアから父ステファンさんが祝福に駆けつけ
る中、残り2日間を連勝して、堂々の14勝1敗で初優勝
を飾った。当時の大関は琴光喜・魁皇・千代大海で、す
べて優勝経験者だった。「大関で優勝がないのはボクだ
け」と琴欧洲は気にしていた。それだけに相撲人生で最
良の日だった。
080525千秋楽表彰 037
<賜杯を北の湖理事長より受ける琴欧洲>
 
把瑠都はとてつもない記録の持ち主である。15日制のも
と、十両で全勝優勝したのは、わずか4人しかいない。
把瑠都はそのうちの1人なのである。ちなみに他の3人
は、初代栃光・豊山(前名内田)・北の富士である。横綱
クラスなら15戦全勝優勝もありうるが、十両は実力に
大きな差はない。それだけに把瑠都は北の富士以来42年
4ケ月ぶりに、大変な記録を打ち立てたのである。ちなみ
に、十両で15戦全勝優勝した力士はすべて大関以上の
地位についている。
把瑠都琴奨菊1A
把瑠都琴奨菊2A
<13日目 大関琴奨菊を根こそぎ投げる把瑠都>

平成18年五月場所の新入幕では、大関白鵬と対戦するほ
ど、強烈な把瑠都旋風を巻きおこした。しかし、翌年の一
月場所で膝を負傷し、低迷が続いた。大関に昇進したの
は、なんと負傷から3年1場所後だった。大関直前の関
脇では14勝1敗と好成績を残すも、白鵬が全勝優勝のた
め、惜しくも次点で終わっている。
把瑠都1A
<放駒理事長より賜杯を受ける把瑠都>
 
大関10場所目の平成24年一月場所、把瑠都は初日から突
っ走って14連勝で初優勝を決めた。一人横綱の白鵬は14
日目で3敗していた。千秋楽は両者の直接対決だった。
白鵬は意地をみせ、把瑠都の全勝をストップした。思い起
こせば、前場所千秋楽に、把瑠都が白鵬の全勝優勝を
ストップしただけに、リベンジしたカタチとなった。幕内2度
目の14勝1敗で念願の初優勝を達成した。マス席で声援
をおくる母とヘレナ夫人の姿があった。
把瑠都3A
<マス席で国旗をふる把瑠都母とヘレナ
夫人>

月も下旬になり、改めていいテーマを書いていきます。

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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