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鶴竜メモにみる予見

平成24年一月場所、鶴竜は関脇だった。平成23年九月場
所後琴奨菊は大関昇進を決め、十一月場所後は稀勢の里
が大関昇進を果たしていた。鶴竜は両力士に遅れをとって
いた。今や立場は逆転しているが、一月場所の鶴竜の実力
をどうみていたか。当時のメモを覗いてみる。
6日目、鶴竜が大関日馬富士を高々と吊り出した。琴奨菊、
稀勢の里に大関昇進を先に決められたが、2人より安定
した相撲が取れると思っていた。5大関と鶴竜を比較して
みる。昨年1年間5場所の成績は琴奨菊55勝、把瑠都51
勝、稀勢の里50勝、鶴竜49勝、日馬富士48勝、琴欧洲33
勝である。
120113六日目幕内後半 236
<大関日馬富士を吊り出す関脇鶴竜>
 
日馬富士と琴欧洲はコロコロ負けているという印象しか
ないので比較の対象からはずす。白鵬戦は把瑠都2勝、
琴奨菊2勝、稀勢の里2勝、鶴竜0勝。ここに差が出て
いる。それでは3力士に対してはどうか。対把瑠都戦2
勝3敗、対琴奨菊戦3勝2敗、対稀勢の里戦1勝4敗。
鶴竜に必要なのは白鵬戦の勝利である。それが、達成
できたとき、大関が見えてくる。   
120117十日目幕内 939
<横綱白鵬から初勝利をあげた鶴竜>
 
10日目、鶴竜がこれまで負け続けていた白鵬戦に初勝利
した。立ち合いは両者当たりあって四つ身の争い、白鵬
出るも鶴竜右上手を取って回り込んで、回り込んでしのぎ、
もろ差し。西花道方面につり気味に寄り立て寄り切る。白
鵬戦初勝利。鶴竜の勝因は相手十分はもちろん、左四つ
がっぷりを避けた点と十分になったとき一呼吸おかずに
攻めまくった点にある。鶴竜の大関の可能性はあるか。
優勝争いをするくらいの活躍をしたときが昇進するチャン
スである。
ちなみに鶴竜はこの場所10勝5敗であった。
120117十日目幕内別角 923
<白鵬を倒した鶴竜>
 
翌三月場所、鶴竜は13勝2敗で大関昇進を決定的にした。
それどころか、千秋楽をむかえ、1敗関脇鶴竜、2敗横綱
白鵬であった。このまま逃げ切って優勝かと思うほど勢い
はあった。千秋楽豪栄道に痛恨の1敗をきっし、白鵬との
優勝決定戦に突入した。地力で勝る白鵬22回目の優勝
となった。惜しまれる鶴竜の千秋楽の1敗であった。
この当時は、琴奨菊・稀勢の里より鶴竜を買っていたこと
が、当時のメモからわかる。 

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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