起こさせた。その力士は宇良以前に技の相撲とスリリン
グな相撲を展開した。彼の名は鳴戸部屋(元横綱隆の里)
の隆の山である。七つの必殺技を持ち、9年半の月日を
かけ、ついに十両昇進を果たしたのは平成23年七月場所
であった。八百長疑惑で強制引退した力士減の影響で
いきなり西5枚目に抜擢された。100キロ前後の体重で、
の隆の山である。七つの必殺技を持ち、9年半の月日を
かけ、ついに十両昇進を果たしたのは平成23年七月場所
であった。八百長疑惑で強制引退した力士減の影響で
いきなり西5枚目に抜擢された。100キロ前後の体重で、
常にぎりぎりの戦いをしてきた。15日間の極限の戦いが
どんなものか再現してみた。
初日こそ寶智山に負けたが、2日目以降動きがよく対応
が早い。5日目の佐田の海戦はふところに入られたが、
かわず掛けを仕掛けた。ちょっと無理筋かと思ったが、
うまく体をあずけ、逆転勝利。先輩十両力士に対し堂々
と渡り合っている。
隆の山が土俵に上がると歓声が凄い。これが先場所まで
幕下の力士かと思うほどだ。そして魅せる相撲を取って
いる。圧巻だったのは対双大竜戦。突き合いから先に上
手を取った双大竜が寄りたてると、隆の山は流れを変え
るようにしてはなった下手投げに双大竜はもんどりうっ
て投げ飛ばされた。こんな相撲は幕下でも見たことはな
い。8日目までで7勝1敗、できすぎである。
12日目 武州山戦
9日目からかたくなったのか3連敗。見せ場もなく一方
的。舛ノ山戦はけたぐりをだしたが、立ち合いの鋭さが
もうひとつ。勝ち越しに足踏み状態が続いたなかでの12
日目の武州山戦。土俵際追い込まれたが必殺のうっちゃ
り(決まり手はすくい投げ)でようやく勝ち越し。幕下時
代は巨体の前田、南(現天鎧鵬)にさえきめてきた強力
なうっちゃりである。
隆の山は予想を超える活躍をし、10勝をあげた。特に妙
義龍戦の珍技?には目を見張った。とったりにくる隆の
山を妙義龍は土俵際まで追い詰めた。体勢は不十分なが
らも両足は土俵につけ、隆の山の両足はその間にあり、
逃れるすべがない。と思った瞬間、空中で土俵の外に出、
土俵内に足を戻し、送り投げで倒した。隆の山の反射神
経・土俵にかける執念はすばらしい。
平成23年、大相撲は冬の時代であった。そんな時代でも
目を見張る力士・相撲はあった。隆の山は幕下時代から
注目していた力士であり、その相撲を見られたことは貴
重な一時であった。
6月梅雨の季節でも関東は水不足
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よしなに
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