平成22年三月場所は朝青龍の引退後初の場所になった。
だが、満員御礼が8度出たということで観客動員に大きな
影響は少なかったといえるのではないだろうか。千秋楽、
協会挨拶のとき、朝青龍がいないことに対する不満を
やじっていた者がいた程度だった。
把瑠都は14勝1敗で大関昇進を決めた。白鵬は13度目の
優勝を全勝で達成した。白鵬は、前年年間4敗しかして
いない。先場所、白鵬が一場所でいきなり3敗したので、
心配したが、三月場所は万全だった。危ない相撲は一番も
なかった。
千秋楽の大関日馬富士戦は、上手がとれなくても終始
落ちついていた。最後は上手を取ってぶん投げた。磐石の
相撲がよみがえった。白鵬に注文があるとしたら、稽古に
精進するとともに若手をきたえ、全体のレベルを底上げ
する役割を果たしていただきたい。相撲は完成されつつ
ある。
記録面で期待することはまず、2場所連続全勝すること。
年4回以上優勝すること。4連覇を達成することを目標に
おいていただきたい。当時、これはまだ到達していない
ものばかりであった。