大相撲

稀勢の里の横綱をめぐる視点

2016年5月27日

KISE1A
写真は稀勢の里13勝の足跡 初日妙義龍       2日目琴勇輝

★意外と少ない優勝争い
稀勢の里が初めて連続13勝の成績をあげた。五月場所3
横綱を倒して優勝なら、横綱昇進という審判部の声があっ
たが、それで横綱にあげることは果たしていいことなのか。
稀勢の里は12勝以上の成績による優勝争いは5度目であ
る。大関27場所中5場所は5.4場所に1回である。昭和・平
成唯一の名大関の清水川は、3場所に1回は優勝争いを
していた。
KISE2A
3日目正代                                                   4日目隠岐の海

★長い大関在位
稀勢の里の大関在位はすでに27場所4年半に及ぶ。七月
場所で28場所になり、年齢も30歳になる。大関時代が長い
といわれた佐田の山が17場所である。その後北の富士が
21場所、玉の海が20場所と更新した。稀勢の里はすでに彼
らより長い。大関在位はその後琴桜・武蔵丸が32場所5年
以上と最長在位を更新している。ただ、琴桜は32歳で短命
だったのに対し、武蔵丸は28歳だった。大器晩成だとしても、
稀勢の里の時間はあるようでないのである。KISE3A
5日目宝富士                                            6日目魁聖

★連続優勝
旭富士から日馬富士までの8人の横綱は、2場所連続優勝
による横綱昇進で、いつしかこのカタチが定着してきた。これ
は優勝なしで横綱に昇進して、昇進後も優勝ができなかった
双羽黒の反省からきている。ところが、鶴竜のとき、2場所連
続優勝がないにもかかわらず横綱に昇進してしまった。これが
稀勢の里にも影響を与えてしまった。稀勢の里の横綱昇進に
関して、ついに2場所連続優勝の声はどこからも聞こえなくなっ
てしまった。
KISE4A
7日目逸ノ城                                                  8日目嘉風

★横綱昇進成績
仮に稀勢の里が七月場所14勝1敗で優勝したら、10勝-
9勝-13勝-13勝-14勝優勝で5場所通算59勝になる。
筆者の見解では、15日制定着以降、横綱でいえば千代の
山以降で文句なしに昇進したのは5場所中3回優勝し、65
勝をあげた貴乃花だけである。これに準じるのが、5場所中
優勝2回、63勝の千代の富士、5場所中優勝1回、63勝の
輪島、5場所中優勝2回、61勝の朝青龍である。稀勢の里は、
2回の優勝と5場所通算60勝以上はほしいところである。
KISE5A
9日目豪栄道                                               10日目琴将菊

★横綱論
角界の彦左故彦山光三氏は、3場所全勝もしくは5連覇を
横綱昇進の条件にあげていた。故小坂秀二氏は「最低でも
時の最強者」を横綱の条件に掲げた。最低でもということは
適格者がいなければ欠いてもいいという見解だった。白鵬
横綱誕生以降ある意味、横綱は不要だったともいえる。横綱
は一時的な強さでは勤まらない。常に優勝争いをして、最低
でも12勝をあげる力と時代を築くほどの力量が求められる。
KISE6A
11日目勢                                                 12日目照桜
160522千秋楽幕内表彰 559
千秋楽日馬富士

 
五月場所終了
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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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