大相撲

平成23年メモに見る琴奨菊の今後

2016年2月26日

琴奨菊の初優勝は日本出身の日本人としては10年ぶりで
あることはよく知られている。それとともに、大関26場所目
の優勝であった。琴奨菊が大関に昇進したのは平成23年
九月場所後のことである。今から4年余り前である。その
とき、琴奨菊の今後を占うメモがある。当時琴奨菊は今後
どのようになると見られていたのか紹介する。

110928琴奨菊大関 069
<大関昇進の日の琴奨菊>

琴奨菊が大関に昇進した。それによって大関は、把瑠都・
日馬富士・琴欧洲とともに4人になった。琴奨菊は今後
どんな力士になるか、予想してみる。琴奨菊の将来性を
探るでも琴奨菊への期待でも琴奨菊の課題でもない。そ
れは大関をめぐるある「法則」が気になるからである。
賢明な大相撲ファンは、お気づきかもしれないが、大関
に上がる直前だけ成績がよくて、上がってからは優勝争
いにほとんど加われないばかりか、1ケタ勝ち星を連ね
ている歴史があるからだ。

現役3大関は
   大関在位 優勝争い 10勝以上 9勝以下(7勝以下)
琴欧洲  34場所 2回   12回    22回(3)
日馬富士16場所  2回   7回    9回(1)
把瑠都  8場所  0回   5回    3回(0)
※注 平成23年九月場所現在

把瑠都は10勝以上が9勝以下を上回っているが、平均勝
利は1場所9.6勝と10勝を切っている。

最近やめた大関では
   大関在位 優勝争い 10勝以上 9勝以下(7勝以下)
魁皇   65場所 9回   25回   40回(15)
琴光喜 17場所  1回    4回   12回(2)    
千代大海65場所 5回   27回   38回 (19)

6人の中で大関合格者は一人もいない。琴奨菊は今、勢
いがあるように見えるが、実はここにあげた大関もかつ
ては同じだった。琴欧洲の全盛期は大関直前の3場所と
さえ思えてしまう。大関を弱くしている原因は、はっきりし
ている。それは2場所連続負け越さない限り、落ちない
という規定である。琴奨菊がこうした負の連鎖にはいる
のではという懸念がある。なぜなら、昭和以降の大関に
限っても、ほとんどの大関が同様であるからだ。

110928琴奨菊大関 263
<喜びの琴奨菊>

もう一人見ていただきたい。
大関在位 優勝争い 10勝以上 9勝以下(7勝以下)
17場所   7回    11回    6回(1)

実はこれは横綱佐田の山の大関時代の成績である。大関
時代が長いといわれただけに参考になると思い取り上げ
た。佐田の山といえば、闘志あふれる突っ張りでファンを
魅了した。大鵬という壁が立ちはだかり、勝敗は大鵬の28
勝6敗(優勝決定戦の1勝1敗を含む)だが、内容は熱戦が
多かった。
                     
琴奨菊の今後は大関5場所できまる。2度優勝争いをし、
1ケタ勝利を常習化しないこと。これは佐田の山の大関
時代にちなんだ成績である。1ケタ勝利を5場所で3回
以上することにでもなったら、先輩大関の道を歩むこと
になる。そうなった場合、大関琴奨菊の魅力はなくなる。
大関4人がそろっても豪華番付ではなく、見掛け倒し番
付になる。心構えと出だしで琴奨菊の大関としての真価
が決まる。

110928琴奨菊大関  247
<佐渡ヶ嶽親方とともに>

結局、琴奨菊は11勝-8勝-8勝-10勝-10勝と合計
47勝で、優勝争いはなく、大関合格とはいえないスタート
であった。この後も苦しい成績が続いた。琴奨菊の優勝
はないと思う時期さえあった。それだけに一月場所の変
身は驚きであった。ワンチャンスをものにして横綱に昇
進した力士はこれまでにもいる。ただ、琴将菊は行事が
多すぎて稽古に集中できる環境でないのが、気になる。

 2月も下旬になり、改めていいテーマを書いていきます。

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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