大相撲

幕内上位陣の出世レース

2016年3月11日

幕内には2つある。横綱・大関と対戦する幕内とそうで
ない幕内である。三月場所の番付でいうと、前頭東3枚
目の碧山までが横綱・大関とフルに対戦する。日馬富士・
照ノ富士・宝富士は同部屋のため、前頭東西4枚目の勢・
蒼国来まで対戦する。琴奨菊と琴勇輝及び稀勢の里と高
安も同部屋であるため、前頭西3枚目の安美錦と対戦す
ることになる。

幕内上位陣といってもスタートは前相撲そして序ノ口から
である。彼らはどういう下積みを経て、新十両・新入幕を
果たしたのだろうか。名鑑にはないデータとして調べてみ
た。それが以下である。「新十両になったときが一番嬉し
かった」と力士が異口同音に語る新十両を第一段階とし
て出してみた。第二段階として、新入幕までをだしてみた。
新十両までにおける各段の場所数は、落ちた場合も加え
てある。例えば幕下に上がっても、三段目に落ちることが
ある。落ちた三段目も三段目の場所数としてカウントして
ある。

略字 口=序ノ口 二=序二段 三=三段目 
下=幕下 十=十両
▼新十両迄の成績
最終表1A
 ▼新入幕迄の十両成績
最終表2A
新十両までのスピード出世は、嘉風が8場所しか要して
いず、トップである。大学相撲の経験が生かされ、1年2
場所を経て新十両を決めた。これに続くのが、栃煌山と
宝富士の9場所を経ての新十両である。宝富士も大学
相撲出身である。栃煌山は高校相撲出身だが、朝青龍・
琴奨菊を生んだ名門明徳義塾の相撲部である。栃ノ心と
碧山の外国勢が10場所でこれに続くのは立派である。特
に栃ノ心は新十両・新入幕まで負け越しなしである。

0703十四日目幕下以下 114
<幕下時代の栃ノ心>

横綱・大関陣を中心に新十両に要した場所数に目を移す
と、豪栄道が10場所、稀勢の里が12場所でここまでが2
年以内である。照ノ富士・豊ノ島が13場所、琴奨菊14場
所、白鵬16場所、安美錦17場所、日馬富士18場所でここ
までが3年以内で新十両に到達している。なお、「知られ
ざる白鵬」でもふれたが、白鵬はデビュー戦を3勝4敗と
負け越している。この表では唯一の序ノ口2場所在位で
ある。

160110初日十両 571
<白鵬>

この中で、新十両まで、最も時間がかかったのが勢である。
幕下までは早かったが、幕下在位が長かった。結局38場
所を要して新十両に昇進した。こつこつ力をつける地味な
苦労を筆者は尊ぶ。今や勢の人気は大阪を越えて全国
区である。
080127千秋楽幕下以下 139勢
<幕下時代の勢>

蒼国来は入幕後八百長疑惑で一時協会を離れ、空白が
ある。裁判で復帰するが、その間の苦労は想像を絶する
ものであったに違いない。蒼国来復帰の署名活動をした
方々のビラにあった「この裁判の結果がどんなになっても、
日本人をうらみません」という言葉が未だ忘れられない。

スピード出世はあくまでも一時的なもので、力士の評価
は到達点の高さで決まる。しかし、力士がどういう経緯
で上がってきたか知らないことが案外多い。力士の側面
を知れば大相撲はさらに興味深くなる。

 三月場所まであとわずか。味深いテーマを記していきます。

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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