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琴奨菊に対する2つの不安

三月場所の注目度が高いのは、琴奨菊になるのはやむを
得ない。好むと好まざるとに関らず、琴奨菊がどんな相撲
を取るか、それが焦点になる。
琴奨菊に対して2つの不安がある。1つは稽古に集中で
きる環境でなかったことだ。年6場所制では、場所と場所
の間は短い。琴奨菊はこの間行事に追われる日々であっ
た。初優勝で、こんなに行事をこなしていて大丈夫なのか、
と心配になる。これからがんがんやればいい、という方が
いるかもしれない。しかし、短期間の稽古は泥縄式といわ
れ、下手をすれば本場所に疲れを残す恐れがある。

160211福祉大相撲 813
<福祉大相撲にて>

清国が新大関で初優勝したときは、「清国一人に甘い汁
を吸わせておけるか」と奮起したのが北の富士である。
それから北の富士は連続優勝して、4場所後横綱に昇進
した。琴奨菊が初優勝に酔っている間に、強敵がリベンジ
をはからんと、爪を研いでいるのである。特にモンゴル勢
は先場所の屈辱をはらさんと 意気込んでいるずだ。

160124千秋楽表彰 074
<再び賜杯を手中にできるか>

琴奨菊が仮に連続優勝しても、不安がよぎる。最初の師
匠琴桜は最初で最後のチャンスで連続優勝し、横綱昇進
を決めた。だが、将来は不安視されていた。32歳で最盛期
は過ぎていたからである。そしてその通りの結果になった。
11勝4敗
10勝5敗
14勝1敗優勝
9勝6敗
11勝4敗
3勝3敗9休
8勝7敗
0勝4敗11休
引退

160124千秋楽幕内 819
<琴バウアー>

短命で散々な成績である。新入幕力士に負けたこともあ
った。琴桜のときは北の富士の一人横綱の時代だった。
だが、琴将菊の場合は3横綱がいて、取り巻く環境は、
琴桜以上に厳しい。仮に横綱になっても、歴史が繰り返
される恐れが大いにありうるのだ。
あらゆる意味で、琴奨菊への不安はつきない。

三月場所に向けて興味深いテーマを記していきます。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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