大相撲

重い横綱の責務

2016年4月15日

三月場所、琴奨菊の横綱昇進は8勝7敗で振り出しに戻
った。琴奨菊に関してはあることを想像してしまう。仮に
琴奨菊が横綱に昇進したら、横綱としての責任を果たし
ていけただろうか。あっさり、引退に追い込まれる可能性
がないとは言いがたい。それは琴奨菊にとって、果たし
ていいことなのか。「横綱昇進内規改造論」を執筆したの
も、安易な横綱づくりを戒める意味があった。
160320八日目幕内 625
<三月場所の琴奨菊>
 
三月場所は、横綱日馬富士と鶴竜が9勝6敗、10勝5敗
と共に横綱の責任を果たしたとは言えなかった。なぜ、
こんなことになるのか。横綱は栄光に彩られているとは
限らない。悲劇だったのが、栃ノ海である。ワンチャンス
で横綱に昇進したが、不成績が続き、最後は誰とやって
も勝てる気がしなかった。大関でいれば名人大関であっ
ただろうに。そのうまさは栃錦以上だった。
110910初日前日 102加工
<優勝額を前に健闘を誓う白鵬(左)と日馬富士>
 
初代若乃花は、横綱に推挙されたとき、「これは大変な
ことになった。困ったなあ、弱ったなあ」と頭をかかえて
いた。横綱は負けがこんだら引退につながる。大勢の
家族を養うために、引退はできない事情があった。横綱
は、陥落がある大関とは明らかに異なる。しかし、なった
以上はやらなければいけない。

「苦しくなってやめてしまうのでは稽古にならない。それ
を超えてやれば、本場所で長い相撲になれば、勝てる
という思いがあった」と語っている。初代若乃花は猛稽
古で悩みを解消し、時代を築くほどの横綱になった。

栃木山は真剣に、大関は三役の倍稽古しろ、横綱は大
関の倍稽古しろと言っていた。双葉山は相手が立てば、
いつでも受けて立つ立ち合いをした。後の先の立ち合い
を完成させた。相手が信頼してぶつかれる横綱であった。
横綱は勝つだけでなく、横綱らしい相撲を取った人であ
った。
150927千秋楽幕内 834
<優勝決定戦で照ノ富士を倒した鶴竜>
 
日馬富士・鶴竜はもっと自覚して、強さを身につけなけ
ればいけない。横綱の権威を傷つけることがないよう、
厳粛な気持ちで責務を果たしていただきたい。

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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