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■夏4日目 稀勢の里の相撲論

大関稀勢の里が、隠岐の海相手にやや苦戦した。隠岐の
海の下手投げに体がうきかけたが、落ち着いて最後はじり
じりと寄り切った。稀勢の里の相撲は出足、鋭さ、技の切れ
味、腰で取る相撲とは違う。一言でいうと左四つでじわじわ
と体で出ていく相撲である。なんか言葉だけきくと泥臭い
イメージを受けるかもしれない。
見た目の派手さはどうしても琴奨菊や白鵬に劣る。琴奨
菊が圧倒的な馬力相撲なら、白鵬は速攻相撲である。以
前の白鵬は、反応の速さの相撲だったが、最近は一気の
出足相撲に変わりつつある。こちらはスカっとする勝ち方
である。
以前、稀勢の里が強くなるために伊勢ヶ濱親方(元横綱
旭富士)が腰を落としたほうがいい、と言った。しかし、腰
高は是正されたとは言いがたい。そのため攻めまかせて、
出ていくと土俵際で逆転負けをくうことがあった。稀勢の
里はこれまで13勝が4度あった。言葉を変えれば、大関
26場所中12勝以上の優勝争いはたった4度しかなかっ
たのである。
その影響からか、今は相撲を慎重に取っている。同時に、
精神的に落ち着いて取りこぼしをしにくい相撲に変わった。
立ち合いから本当に破壊力ある相撲を発揮するのは、後
半戦のモンゴル包囲網に対してである。

五月場所突入!
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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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