MENU

大阪場所事件簿 千代ノ山の横綱返上問題

大阪でおきた最悪の事件は、大鵬の連勝記録誤審でスト
ップであろう。これまで積み重ねた連勝記録45が、審判
の誤審で止まるという相撲史上最悪の汚点となる事件だ
った。この事件はこれまで触れてきたので、ここではもう
一つの事件をとりあげてみたい。
昭和23年から秋は大阪で本場所が開催されるようになっ
ていた。昭和28年から年4場所制となり、3月が大阪場所
となった。昭和26年夏場場所後横綱に昇進した千代ノ山
のその後の成績は、以下である。なお、当時は「ノ」の字で
あり、千代の山に変わるのは昭和29年初場所からである。
昭和26年秋場所9勝6敗
昭和27年春場所13勝2敗
昭和27年夏場所10勝5敗
昭和27年秋場所11勝4敗
昭和28年初場所4勝4敗7休
千代山
<千代ノ山のブロマイド>
 
事件は昭和28年春、大阪場所でおきた。横綱になって
6場所目。千代ノ山は優勝はなく、前場所は途中休場
であった。迎えた春場所は初日時津山に勝ったものの、
その後4連敗をきっし、またも途中休場に追い込まれた。
苦悩した千代ノ山は「大関に戻ってやり直したい」と部屋
の藤島(元安芸ノ海)を通して協会に申し入れた。世に
いう千代ノ山横綱返上問題である。協会は前例のない申
し出に困惑した。出羽海理事長(元常ノ花)は頑なに口
を閉じた。
実はその3年前の昭和25年に布石があった。1月の春
場所、羽黒山・東富士・照の3横綱はそろって途中休
場。5日目からは横綱不在となった。その前場所は、弱い
横綱前田山が引退に追いこまれており、横綱の権威は、
まさに崩れんとしていた。世論は横綱を糾弾し、協会も紛
糾した。5日目、役員会で、「横綱といえども、2場所以上
休場または負け越した場合は、横綱を返還して大関に落
とす」という方針を決めた。史上初の横綱格下げである。
千代の山
<千代ノ山のブロマイド>
 
しかし、世論・メディアは横綱格下げに反発した。「横綱は
チャンピオンではない。チャンピオン同様の成績を何度も
あげて、初めてなれるのだ」これを受けて協会も場所後、
横綱の格下げは白紙に戻し、横綱審議会を設置すること
にした。
こうした背景があるだけに、千代ノ山の横綱返上問題は、
受け入れられることはなかった。「千代ノ山は治療専念
するように」ということで、留意し、再起を促すことでこの
問題はピリオドをうった。その後千代の山は3度優勝した
が、必ずしも期待に応えたとはいいがたかった。

三月場所に向けて興味深いテーマを記していきます。

マーク2カ所をクリックして応援してください。
よしなに
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
にほんブログ村 格闘技ブログ 相撲・大相撲へ
にほんブログ村 

相撲 ブログランキングへ 
↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑        

ブログランキング

当サイトはブログランキングに参加しております。記事をよんでいただいたら、以下バナーをクリックいただくと、ランキングに反映されます、1日1クリックよろしくおねがいします
にほんブログ村 格闘技ブログ 相撲・大相撲へ
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

目次