大相撲– category –
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土俵の目撃者版 横綱昇進 その成績
思いがけない稀勢の里の1敗で横綱昇進はどうなるのか。栃錦は初日に負けて3度優勝した。栃錦の相撲にかける執念はすさまじく、最後の最後まで勝負を捨てなかった。先人に学べるか。稀勢の里の真価は今後の10日間で問われることになる。<稀勢の里>これ... -
■名古屋5日目 両雄敗北の日 真価問われる稀勢の里
5日目は波乱の日であった。まず、稀勢の里対栃煌山戦。栃煌山は稀勢の里の十分を嫌って、突き合い押し合いに持ち込んだ。それでも稀勢の里は一度栃煌山を正面土俵まで追い込んだが、栃煌山はゆさぶりをかけていただけに、残してまわり込む。果敢に西土俵... -
■名古屋4日目 白鵬最強の証明
今日の稀勢の里稀勢の里の対戦相手は、昨日日馬富士から金星を獲得した隠岐の海である。しかし、稀勢の里は立ち合い当たってすばやく右上手を取って寄り切った。今場所最高の相撲であった。鶴竜休場で鶴竜戦がなくなった。新たな対戦相手は番付からいうと... -
■名古屋3日目 黒星相次ぐ横綱大関陣
今日の稀勢の里稀勢の里、宝富士両者当たり合って左四つ。両者上手取れないが、稀勢の里万全の体勢をつくる。右上手取ってすぐに寄り切る。宝富士には工夫がみられない。逆に稀勢の里はがむしゃらにいかず、後半疲れを残さないようスタミナ配分しているよ... -
■名古屋2日目 照ノ富士がみせた粘り相撲
今日の稀勢の里稀勢の里は新関脇魁聖相手に左四つ、上手は取れないがあわてることはない。魁聖も上手が取れず、動きが止まった。次の瞬間、稀勢の里が上手を取って勝負あった。パワー相撲だけでは下位力士はなかなかくずせない。この日目を見張ったのは、... -
■名古屋初日 快勝稀勢の里の明日以降を予想
稀勢の里はいっそう自信をつけて名古屋にのり込んできた。初日は、どの力士も緊張するという。しかし、稀勢の里は先場所同様きわめて落ちついている。初日の対戦相手は、注目の若手の御嶽海。御嶽海は正攻法で奇襲はない。あわてることなく、寄り切った。... -
土俵の目撃者がみた大関稀勢の里
大関に昇進した稀勢の里については、折に触れこれまで何度となく記載してきました。改めてふり返ってみたい方、新しい相撲ファンのために、主な稀勢の里の記載を読めるよう一覧にまとめました。大関稀勢の里を知っていただければ幸いです。下記のタイトル... -
稀勢の里の変遷 8
平成23年九月場所、稀勢の里は関脇で初めて12勝をあげ、大関の足固めをした。稀勢の里は意外な相手に負けることが多かった。九月場所はそれがなかった。以前から稀勢の里は優勝を目指すつもりで取り組んでほしいと思っていたが、兆しが見えたかなというと... -
稀勢の里の変遷 7
平成23年の一月場所後、大相撲の屋台骨をゆるがす八百長問題が発覚した。これまで八百長の疑惑はあったが、証拠がなかった。相撲協会もあくまでないと言ってきた。しかし、初めて物的証拠が出てきた。それは携帯メールの削除した内容を復元することでうか... -
稀勢の里の変遷 6
平成21年五月場所、番付を東4枚目まで下げた稀勢の里の横綱・大関戦は、日馬富士、魁皇戦のみであった。ここで13勝2敗と大きく勝ち越した。この場所は端境期で、翌場所から関脇を中心とした第2次三役定着期に入る。<右稀勢の里 隣は把瑠都> 平... -
稀勢の里の変遷 5
稀勢の里は復活朝青龍を倒して、東筆頭で10勝をあげながら小結止まりだった。関脇安馬(後の日馬富士)、小結琴奨菊が勝ち越したためである。しかし、これだけではなかった。稀勢の里は勝ち越しながら、小結据え置きが続いた。下記表参照。いずれも、安馬... -
稀勢の里の変遷 4
稀勢の里が3場所連続負け越しで、幕内中位に後退したが、11勝で小結に復帰した。平成19年九月場所のことである。この間白鵬は横綱に、琴光喜は大関に昇進していた。ここからは小結中心の第1次三役定着期といえる。そして稀勢の里は、大相撲が展開するド... -
稀勢の里の変遷 3
稀勢の里は横綱・大関全員と対戦し、初めて勝ち越した。入幕10場所目の平成18年の五月場所のことである。主に平幕で横綱・大関戦がなかった時期を第1期とすると、上位で始めて勝ち越した平成18年五月場所からは第2期に入ったといえる。以下関脇以下の稀... -
稀勢の里の変遷 2
平成18年十一月場所、稀勢の里は幕内まで2年半で入幕した。18歳という若さである。このとき入幕した安馬(後の日馬富士)は20歳、1場所早く入幕した琴欧洲は21歳、1場所送れて入幕した琴奨菊は21歳であった。幕内には3段階ある。横綱・大関とは対戦が... -
稀勢の里の変遷 1
七月場所はいやおうなしに注目が集まるのが、優勝・横綱を目指す稀勢の里である。新十両は貴乃花に次ぐ史上2番目の17歳9ヶ月の最年少記録で昇進した稀勢の里は、すでに30歳にならんとしている。ここまでの彼の変遷を改めてみていこう。稀勢の里は初代若... -
検証!4横綱の時代 4
横綱格下げ論、それは前田山引退の翌場所におきた。昭和25年春場所(一月)は蔵前仮設国技館で初めて開催された記念の場所であったはずだ。ところがふたをあけてみると、東富士が3日目から休場、照國が4日目から休場、羽黒山が5日目から休場してしまっ... -
大鵬の陰に隠れた男達
大鵬は、入幕した年から引退する年まですべての年で優勝があるという記録の持ち主である。これは白鵬にも、今後も誰にも簡単に破られない記録の可能性がある。6連覇2回、32回優勝は当時の新記録であった。それまでは、太刀山、栃木山、双葉山の5連覇、... -
新番付の注目点
五月場所後目だったニュースが少ないまま、新番付発表の日を迎えた。焦点は再び稀勢の里に集まる。優勝して横綱になるか。3場所続けて好成績を残せるか。これは、稀勢の里にとって未踏の域になる。本来、横綱は少なくとも連続優勝を望みたいところである... -
組み合わせ写真館
土俵の目撃者は写真にこだわってきた。その理由は次のような事情からである。かつてスポーツ雑誌の会社が傾き、優秀な社員がリストラにあった。そのなかから有志が集まって新しい出版社をつくった。そこで、競合誌が少ないプロレス・ボクシングを創刊する... -
検証!4横綱の時代 3
戦後の横綱には2つの特徴がある。一つは横綱の権威が揺らいだこと。もう一つは横綱量産の時代であった。大関でちょっといい成績をあげると横綱に上がれた時代であった。 終戦直後4横綱継続の時代はあったが、双葉山引退後の戦後初の4横綱は、東富... -
白鵬の陰に隠れた男達
五月場所、白鵬は37回目の優勝を全勝で達成した。優勝回数は40回を狙える勢いである。まさに優勝を独占してきた大横綱だけのことはある。その反面、白鵬優勝の陰で次点に甘んじざるを得なかった男が、数多くいたわけである。誰か。それをまとめたのが下記... -
検証!4横綱の時代 2
昭和の初期、実質昭和6年3月場所から昭和7年10月場所まで横綱が不在だった時期がある。この間15場所横綱の土俵入りは見られなかったわけである。横綱不在にも関らず、大関玉錦は3連覇しても横綱に昇進できなかった。適格者がいなければ不在でもかまわ... -
検証! 4横綱の時代1
横綱に一番近い大関稀勢の里は、七月場所に横綱をかける。稀勢の里が、横綱に昇進した場合、4横綱になる。4横綱というと華やかで、4人いるのだから優勝は独占しているのでは、と思いがちである。「賢者は歴史に学び、愚者は体験に学ぶ」という言葉があ... -
重量級大相撲の限界
七月場所のチケットの売れ行きは好調である。土日祝日は早い段階で完売。現在、イス席はなく、平日のマス席が前半と9日目、10日目にある程度である。相撲人気は、ひところの薬物問題、新弟子暴行死事件、野球賭博事件、八百長事件を経て、盛り返している... -
白鵬が驚異的なスピードで迫る通算勝利数その後
「白鵬が驚異的なスピードで迫る通算勝利数」と題して綴ったのは平成27年5月(皐月)7日である。あれから1年、その後どうなったか改めて検証してみたい。その前に魁皇の通算勝利数を白鵬が破ると最初に思ったのはいつか。実は魁皇が千代の富士の1045勝... -
相撲技 決め手(勝負手)編2
決め手は土俵から出す技と足の裏以外を付ける技に分類できる。土俵から出す技はさらに以下のように分類できる。四つ身で土俵の外に出す技の代表的な技は寄りである。相撲は相手を倒すより、圧力をかけることが本質であり、そうしてこそ投げ、突き落とし、... -
30歳以降の優勝
<五月場所全勝優勝した白鵬>五月場所、白鵬は15戦全勝で37回目の優勝を達成した。現在、29連勝中である。今年さらに優勝回数を増やしそうな勢いである。白鵬は今年31歳を迎えた。過去の大横綱は30歳以降の優勝をどのように達成したのか。6場所時代の... -
宇良以前に土俵をわかした新十両
<隆の山の雄姿>新十両の宇良の人気と注目度と逆転技はある力士を思い起こさせた。その力士は宇良以前に技の相撲とスリリングな相撲を展開した。彼の名は鳴戸部屋(元横綱隆の里)の隆の山である。七つの必殺技を持ち、9年半の月日をかけ、ついに十両昇進... -
稀勢の里の大関時代を読み解く
七月場所の最大の注目は、稀勢の里が横綱昇進がなるかである。横綱昇進には優勝は不可欠である。佐田の山が13勝-13勝-13勝優勝で横綱に昇進した。稀勢の里は第2の佐田の山になれるのか。まず、大関稀勢の里の年間成績をみてみよう。今年をのぞけば、稀... -
成績からみた今年の前半
本場所の経過とともに時間の流れと季節を感じるのは、毎年変わらぬことである。今年もすでに半分の3場所が終了した。途中経過として各力士の成績はどのようになっているかみてみよう。今回、単純に数字を比較するのではなく、どのくらい横綱・大関と対戦... -
相撲技 決め手(勝負手)編1
相撲技については昨年(2015年=平成27年)10月31日で触れてきたので、以下をクリックして参照していただきたい。相撲技まとめると次の図式になる。補足すると、立ち合いはほかに八艘飛びがある。単なる変化ではなく立体的に飛ぶのである。舞の海が最初に... -
宇良技御免
土俵の目撃者が、前相撲から追いかけてきた新十両の宇良の人気と注目度は凄まじかった。それに応える技の相撲、逆転と観客を魅了した。木瀬部屋(元肥後ノ海)の宇良は宇良技を繰り出し、わずか1年で十両昇進を果たした。地位は下から2枚目の西13枚目であ... -
問題点を探る 白鵬のかちあげ
五月場所、白鵬が37回目の優勝を全勝で飾った。白鵬の強さは、全盛期は過ぎ去ったが、まだまだ他の追随を許さない。特にここ一番の稀勢の里戦でみせた強さは、稀勢の里より何枚も上だった。そんな白鵬が、繰り出すかち上げが問題になっている。肘で相手の... -
七月場所チケット事情
七月場所のチケットの売れ行きが快調である。土日・祝日は完売。平日では13日目が売り切れである。椅子席は3日目・4日目・5日目以外はない状態である。千秋楽の椅子席を購入した方の話によると、発売初日の10時で椅子席Bはゼロ、かろうじて椅子席Aを獲... -
元旭天鵬引退相撲の一部始終
昨日の若の里引退相撲は遅れをとったが、今日は気合を入れて10時20分に両国に着いた。時間があるのでそばを食べることにした。国技館に着いたのは10時40分である。45分に開場となった。一門の関取衆魁聖、宝富士、誉富士、剣翔、旭秀鵬、遠藤が出迎えてい... -
元若の里の引退相撲レポート
5月28日土曜、元若の里の引退相撲興行が行われた。プログラムによると正確な表現は「若の里引退西岩襲披露大相撲」である。既に西岩親方であるが、ここでは便宜上若の里で通させていただく。開場は11時だが、先に来た相撲仲間によると実際は、10時40分で... -
稀勢の里の横綱をめぐる視点
写真は稀勢の里13勝の足跡 初日妙義龍 2日目琴勇輝★意外と少ない優勝争い稀勢の里が初めて連続13勝の成績をあげた。五月場所3横綱を倒して優勝なら、横綱昇進という審判部の声があったが、それで横綱にあげることは果たしていいこ... -
連続写真で見る白鵬対稀勢の里戦
スキなし白鵬か。落ち着いた取り口の稀勢の里か。五月場所最大の大一番となった横綱白鵬対大関稀勢の里戦。ともに12戦全勝で、この一番の勝者が優勝に大きく前進することは間違いなかった。全国の大相撲ファン注目の対戦は、13日目結びの一番でおこなわれ... -
五月場所総評
★優勝争いについて白鵬と稀勢の里のマッチレースとなり、最高に盛り上がった。予想以上に盛り上がったのは、稀勢の里の健闘が大きい。12日目まで無傷で突っ走るとは考えられなかった。稀勢の里の技術面より、落ち着いた精神面の影響が大きかった。<白鵬、... -
■夏千秋楽 最終日の見どころ3つ
優勝が決まった千秋楽はやや緊張感に欠ける。それでもいくつか見どころはある。まず、幕下の優勝決定戦である。阿武咲対小柳戦。阿武咲は先場所まで十両だった実力者である。一方の小柳は先場所がデビュー戦。三段目付け出しで7戦全勝優勝して、幕下に番... -
■夏14日目 稀勢の里を強くするもの
この日の結びの一番、稀勢の里対鶴竜戦。先場所稀勢の里の13勝で最大のピンチに追い込みながら逆転負けした鶴竜。リベンジに燃える鶴竜と前日事実上の優勝戦に敗退した稀勢の里。得意の四つでも勝てなかった白鵬戦のショックが残っているかのような一番に... -
■夏13日目 白鵬対稀勢の里 決戦を斬る
13日目結びの一番が今場所のクライマックスになるとは、チケットを前売りで購入した観客で、誰が想像しただろうか。それも白鵬・稀勢の里の両雄が全勝で激突するという最高の対戦となった。観客は結びの一番を今か今かと待ち、土俵に立った白鵬・稀勢の里... -
■夏12日目 決戦前日
この日の稀勢の里の対戦相手は目下9連敗中の大関照ノ富士。どうひいき目に見ても稀勢の里に負ける要素はない。あるとしたら、自信がありすぎ油断につながるか、足がすべったときである。しかし、無用の懸念であった。稀勢の里は磐石の押しで簡単に勝負が... -
■夏11日目 白鵬にスキなし
全勝の横綱白鵬が、大関琴奨菊を一蹴した。前日あれほど稀勢の里を苦しめた琴奨菊をまったく問題にしなかった。強さにおいては稀勢の里より一枚上という強烈な印象を与えた。ただし、白鵬対稀勢の里戦は一番勝負である。三番勝負なら白鵬のものだが、相撲... -
■夏10日目 危機をしのいだ稀勢の里
稀勢の里が連日の大関戦を迎えている。白鵬との決戦までは負けられない稀勢の里。この日は馬力相撲で対戦成績上負け越している琴奨菊である。それだけに取りいい対戦相手ではない。先場所は琴奨菊の当たりをかわして勝ったが、今場所は同じ手は使いにくい... -
■夏9日目 横綱・大関の休場をめぐるエピソード
照ノ富士が鶴竜に敗れ、ついに7連敗になった。悪くいえば白星配給王的存在に成り下がっている。このあと、横綱白鵬、大関との対戦が控えているが、誰とやっても勝てそうもない雰囲気である。しかし、現時点では休場はなさそうである。悪いところがはっき... -
■夏8日目 稀勢の里優勝の条件
この日、稀勢の里は動きの速い嘉風相手にあわてることなく、離れて相撲を取っても、落ち着いてさばき押し出した。白鵬は、復調した琴勇輝相手に省エネ相撲で、相手の勢いをそいで、押し出した。中日を終え、白鵬と稀勢の里が全勝で併走している。稀勢の里... -
■夏7日目 横綱昇進責任制度
横綱鶴竜が琴勇輝の突き押しに防戦一方に追い込まれ、土俵を回りながら後退するも、反撃の暇なく、土俵を割った。これで早くも2敗目である。どうも鶴竜は離れて取るパワー相撲にひ弱さを感じる。うまさはあっても圧倒的パワーに太刀打ちできない。鶴竜は... -
■夏6日目 相撲人気の陰に問題あり
三月場所は、白鵬の優勝で幕を閉じた。特に新鮮味はない。それどころか千秋楽結びの一番は、白鵬が変わり身で勝負がつくという、しまらない終わり方となった。それでも五月場所の人気は下がることはない。6日目以降のチケットがすべて売り切れ、千秋楽ま... -
■夏5日目 豪栄道の変身
豪栄道は先場所12勝をあげ、大関になって初めて優勝争いをした。その勢いは今場所の序盤戦まで続いている。5日目、新鋭の正代を寄せ付けず、強さを発揮した。ここまで危ない相撲は一番もない。これまでの豪栄道からは想像しにくい現実である。大関に昇進... -
■夏4日目 稀勢の里の相撲論
大関稀勢の里が、隠岐の海相手にやや苦戦した。隠岐の海の下手投げに体がうきかけたが、落ち着いて最後はじりじりと寄り切った。稀勢の里の相撲は出足、鋭さ、技の切れ味、腰で取る相撲とは違う。一言でいうと左四つでじわじわと体で出ていく相撲である。... -
■夏3日目 高齢化へつき進む横綱・大関陣
横綱日馬富士が、ここ数場所弱くなったといわれる逸ノ城に敗れた。予想外の結果である。逸ノ城の復活の兆しか。それとも日馬富士の衰えのあらわれか。そういえば、30歳を越えた横綱・大関陣が目立ってきている。そこで横綱・大関の年齢を調べてみた。それ... -
■夏2日目 「ホウッ」とともに消えた精彩
三月場所、1横綱2大関を倒して関脇以下で最も活躍したのが琴勇輝である。五月場所は関脇に昇進していっそうの活躍が期待される注目力士だった。琴勇輝といえば制限時間後「ホウッ」と叫ぶルーティンが特徴の力士だが、これが突如審判部から疑問視され、... -
■夏初日 明暗を分けた注目の力士
今日、大相撲は初日を迎えた。三月場所が終わってから5週間と通常より、1週間短い。3横綱・4大関は危なげなく勝利した。注目は、先場所13勝をあげた稀勢の里である。優勝待望の機運があり、期待が高まっている。対戦相手は妙義龍だが、終始落ち着いて... -
白鵬の壁に挑む稀勢の里
先場所(三月場所)のメインエベントは、横綱白鵬対大関稀勢の里戦だった。結局この一番、白鵬が速攻で稀勢の里を圧倒した。その後の展開の結果、勝者白鵬が14勝1敗で優勝し、敗れた稀勢の里は1差で及ばなかった。これまで、稀勢の里は4度13勝2敗をあ... -
照ノ富士 今が分岐点
1年前の五月場所、照ノ富士は関脇で優勝して大関昇進を決めた。そんな話題も今は遠い昔になりつつある。照ノ富士はここのところ9勝、3勝、8勝と低空飛行を通り越して飛行すらしていない状態である。こうした照ノ富士を見ていると、ある大関を思い出す... -
五月場所、気になるやつら
初めて横綱・大関全員と対戦する地位に上がってきたのが、時津風部屋の正代である。正代は序ノ口から先場所まで12場所連続勝ち越しで上がってきた。負け越し知らずである。この間序ノ口優勝、幕下優勝、十両優勝、敢闘賞を受賞している。同じ学生出身の御... -
大相撲その立ち合い
大相撲でしらけること、それは制限時間後の立ち合いが合わないことである。4月28日の力士会に審判部がのり込んで、故意の待ったをした者は厳重注意すると各力士に伝えたとのことである。アマチュアでは行司ならぬ審判が両者を立ち合わせる。しかし、大相... -
稽古のあり方
29日は昭和の日である。大型連休の初日は、年に1回の横審の稽古総見の一般公開日でもある。筆者も朝早くから並んだ。相撲人気を反映してか、1階のマス席は満席である。ただし、4人ではいっている所は少ない(筆者は4人で利用したが)2階席もけっこう... -
審判の安全を保つ突飛な案
26日は力士会が開催された日である。しかし、今回は異例なことにニ所ノ関審判部長(元若嶋津)、友綱審判副部長(元魁輝)、藤島審判副部長(元武双山)が力士会にのり込み、立ち合いとダメ押しに関して正常化を要求した。立ち合いは項を改めて述べるとし... -
新番付に異議あり
五月場所の番付が発表された。関脇・小結は、東関脇琴勇輝・西関脇勢・東小結魁聖・西小結隠岐の海となった。しかし、横綱・大関全員と対戦することはいかに大変なことか考慮されていない。先場所横綱・大関全員と対戦して勝ち越したのは、琴勇輝と隠岐の... -
大相撲事始 月給制
これまで、横綱、優勝の始まりについては触れてきた。しかし、大相撲の始まりは、まだまだある。時津風(元双葉山)が理事長になったのは、昭和32年5月のことである。それまで理事長だった出羽海(元常ノ花)の割腹・ガス自殺未遂事件を受けてのことであ... -
あらためて問う大関とは何か
先場所は、大関稀勢の里・豪栄道が優勝争いに加わり、活躍した。そのため、大関はよくやった、という印象が強い。だが、大関は彼らだけではない。琴奨菊と照ノ富士も大関である。そしてわずか8勝の成績であった。大関が4人というと豪華番付である。しか... -
かみ合わない相撲論争
18日は靖国神社で大相撲巡業があった。ご老公的存在の年配の相撲愛好家といっしょに観戦した。靖国神社の巡業は、軽い稽古、それも上位は参加しない稽古のあと、序二段から幕内まで延々と取組が続く。巡業の取組ほど見たくないものはない。本気でやるはず... -
矛盾を抱えた東西団体競技始まる
明治42年夏場所、国技館の開設とともに変わったことがある。ひとつはこれまで千秋楽は、幕内力士は出場しなかったが、出場するようになった。もうひとつが東西対抗団体戦を始めたことだった。江戸財代から同じ方屋同士は対戦しなかったが、東西でどちらが... -
国技館誕生は団体戦の始まり
今、大相撲の興味の1つに優勝争いがある。この優勝はもちろん個人優勝である。○○場所がどんな場所だったか。そういう場合××が△△と優勝を争い、優勝した場所として記憶されることがある。また、優勝争いは、数々のドラマをみせ、ときには横綱誕生をともな... -
重い横綱の責務
三月場所、琴奨菊の横綱昇進は8勝7敗で振り出しに戻った。琴奨菊に関してはあることを想像してしまう。仮に琴奨菊が横綱に昇進したら、横綱としての責任を果たしていけただろうか。あっさり、引退に追い込まれる可能性がないとは言いがたい。それは琴奨... -
43年前の相撲教習所の卒業試験
国技館の敷地の一角に相撲教習所がある。新弟子が半年間、相撲の基本など実技と一般教養を学ぶ場である。相撲の基本には四股、テッポウ、仕切り、転がり方などがある。特に転がり方はケガをしないためであるが、へたに力を入れるとかえって危ない。体をま... -
鶴竜メモにみる予見
平成24年一月場所、鶴竜は関脇だった。平成23年九月場所後琴奨菊は大関昇進を決め、十一月場所後は稀勢の里が大関昇進を果たしていた。鶴竜は両力士に遅れをとっていた。今や立場は逆転しているが、一月場所の鶴竜の実力をどうみていたか。当時のメモを覗... -
琴勇輝をめぐる三賞のあり方
三月場所は、意外にも琴勇輝の殊勲賞一賞のみであった。これまでたびたび三賞は実質二賞と言ってきたが、ついに三賞は一賞にまでなり下がってしまった。三月場所の琴勇輝は殊勲賞と敢闘賞、殊勲賞と技能賞、敢闘賞と技能賞のいずれのダブル受賞でもおかし... -
五月場所チケット事情
昨日8日は朝7時の段階で230人ほどが、整理券を求めて並んだ。南門を曲がり、数メートルの列をなしていた。正門脇にある掲示板あたりに並んだ方は、前日から泊まったと言っていた。国技館窓口は12時発売開始である。国技館窓口でしか扱っていない自由席通... -
相撲のバイブル「これが大相撲だ」玉の海梅吉著
玉の海梅吉。NHKの解説者として、明快神風、重厚玉の海として人気を二分した方である。あるいは報知新聞(現スポーツ報知)に本場書中掲載された「切り捨てご免」の執筆者でもある。その玉の海さんからは数多くの「土俵の心」を学んだ。玉の海さんから... -
照ノ富士の今後
三月場所の大関は、久しぶりに稀勢の里・豪栄道の両力士が優勝争いをした。それに比べ、照ノ富士は、まるで存在感を示せなかった。照ノ富士は横綱戦1勝1敗、大関戦1勝2敗、関脇以下に対しては、6勝4敗だった。関脇以下にはとにかくよく負けた。<... -
琴勇輝、あの日あの時
三月場所、一躍時の人となり、飛躍的に成長し、大活躍をしたのは琴勇輝である。横綱・大関とのフル対戦は初めてである。それにも関らず、横綱・大関戦は3勝3敗、関脇以下には9戦全勝と予想をはるかに超える成績をあげた。それだけに、三賞が殊勲賞1つ... -
横綱昇進内規改造論
一月場所優勝した琴奨菊が、三月場所は綱挑戦場所になり、今度は三月場所13勝ををあげた稀勢の里が、五月場所は綱挑戦場所になるという見方をする方がいる。この点に関してはこれまで、耐えられない横綱の軽さということで述べてきた。双葉山と武蔵山、大... -
大相撲テレビ放送のあり方
大相撲の初日は原則奇数月の第2日曜である。今年の三月場所はカレンダー上、例年より遅く13日に初日を迎えた。そのため8日目以降は高校野球大会と放送が重なることが、多くなった。重なった結果、総合放送の大相撲放送は、15時台が16時台に繰り下げられ... -
写真で見る変幻自在の宇良7番勝負
序ノ口以来1年間で幕下西2枚目まで番付を上げてきた宇良。三月場所は、十両昇進をかけての7番勝負だった。その中には元関取、十両力士、序ノ口以来のライバル戦があった。宇良の7番勝負を写真でふりかえってみよう。左上=2日目阿炎 ①~⑤3日目玉飛鳥... -
五月場所のチケット模様
五月場所のチケット発売初日は、すでにご承知のように国技館窓口は12時から16時までである。そのせいか、かつてはあったテント村の光景はすでにない。国技館窓口でしか購入できない自由席通し券を求める方が、ひっそり自動車側の道路にシートを敷いてある... -
対戦相手が信頼してぶつかれる相撲
三月場所千秋楽、白鵬の立ち合い手を出し左への変わり身は、大阪の大相撲フアンの怒りをかった。思い起こせば、白鵬は一月場所の栃煌山戦でも似たような取り口であった。この取り口について白鵬は「8ヶ月ぶりに賜杯を抱きたいという気持ちがそこに出たか... -
総評
★相撲人気チケットは前売りですべて完売。大阪場所は15日間満員札止めという、これ以上ない人気だった。人気の要因は、琴奨菊の横綱をかけての戦いである。日本人横綱誕生となれば、3代目若乃花以来となる。昨年は15日間満員だったが、空席が目立った日も... -
■春千秋楽 終わりよければとはいかない千秋楽
終わりよければすべてよし、とはいかなかったのが三月場所であった。1敗白鵬の優勝は動かない。間違っても優勝決定戦にはならない。大方の観客もそうみていたのではないだろうか。その2番前に行われた2敗同士の豪栄道対稀勢の里の大関戦は、稀勢の里が... -
■春14日目 琴奨菊の惨敗を読む
琴奨菊対白鵬戦は、白鵬の強さだけが浮き彫りになった一番であった。琴奨菊はこれで6敗目となり、綱取り場所は明日千秋楽を待たずして、惨敗に終わった。 負けたのは隠岐の海とまだ対戦のない鶴竜を除いた大関3人・横綱2人である。それにしても前半は、... -
■春13日目 活発化が求められる十両幕下の入れかえ戦
連日の速攻が冴え渡る白鵬は、鶴竜を一方的に退けて、1敗を守った。千秋楽までゆるがず、突っ走りそうな勢いである。 稀勢の里・豪栄道ともに2敗を守ったが、優勝は苦しい。明日14日目稀勢の里・豪栄道が勝っても、千秋楽は両力士の直接対戦であり... -
■春12日目 速攻白鵬トップに浮上
この日の決戦は、1敗同士の白鵬と豪栄道の対戦である。大関に昇進してから、勝てず苦しい場所の連続だった豪栄道がここまで1敗できたのは、突然変異としか思えなかった。先場所は4勝11敗 と惨敗。優勝争いトップの琴奨菊の対戦相手となること事態、悲痛... -
■春11日目 三者1敗で併走!真価問われる白鵬
毎日決戦が展開される大阪場所。 こんな場所は珍しい。この日は全勝 稀勢の里対1敗白鵬の対戦である。稀勢の里が勝てば、優勝へ大きく前進することになる。その場合、白鵬は2敗で後退し、横綱として4場所優勝なしという、ワースト新記録につ... -
■春10日目 底力を見せた稀勢の里
この日から稀勢の里の横綱戦が始まった。妥協なきがちんこ力士を貫いてきただけに、横綱もかなり、大事なところで負けたり、苦しんできた。最初の対戦は鶴竜である。 津流前日の琴奨菊戦とは異なり、激しい熱戦となった。鶴竜、のどわ攻めから、 もろ... -
■春9日目 大一番に名勝負なし
琴鎌谷が初めて負け、小柳が5連勝をあげ、宇良が十両を決められず、敗れる。そんな流れを経て、大相撲はクライマックスへと向かった。場所は後半戦、いよいよ、大関対大関、横綱対大関が始まった。この日の観客の最大の注目の一番は1敗の琴奨菊対全勝の&... -
■8日目 全勝決戦に館内は燃えた
この日最大の注目の一番は、7戦全勝同士の稀勢の里対勢の一番である。両力士が全勝で対戦するとは、誰が予想できただろうか。館内の正面イス席には、勢を応援する方が観客をまきこんで、大道具・小道具を使用しての大声援を送っていた。カメラマン席のカ... -
■春7日目 力強さをみせた二番
勢は横綱・大関とフル対戦して、まだ勝ち越したことはない。しかし、着実に力をつけてきている。この日、妙義龍に攻められ、後退しばがら一蹴した力強さは、今までとは違う勢だった。勢はこれで7戦全勝。この中には照ノ富士からの勝利が含まれる。これか... -
白鵬の63連勝10 連勝記録は時代を超えたロマン
白鵬の敗因は、十分に組み止められず、稀勢の里の張り手に熱くなった。稀勢の里の寄りに内掛けも白鵬らしくなかった。負けるときはこんなものかもしれない。しかし、63連勝はりっぱな記録だ。殊勲の稀勢の里は、休みなく攻め、白鵬に右四つを許さなかった... -
白鵬の63連勝9 連勝記録が途絶えた瞬間
十一月場所の見どころは白鵬の連勝記録が、双葉山の69連勝を超えるかである。新記録達成は、白鵬の心理状態しだいである。打倒白鵬の可能性が高いのは鶴竜、稀勢の里。この二人が最も白鵬に抵抗した。豊ノ島がどこまで上がるかによるが、面白い相撲を取る... -
白鵬の63連勝8 白鵬、千代の富士超えの62連勝
平成22年九月場所初日。小結鶴竜がまきかえで突破口をひらこうとしたが、最後はまき変えたとき白鵬に出られて寄り切られた。7日目、横綱の土俵入りが終わり、取組開始までの休憩時間、観客が集まってきた。NHKの放送席で解説をしている元千代の富士の... -
白鵬の63連勝7 表彰なし!特性カップを白鵬に進呈せよ
平成22年七月場所のプラスは、白鵬の3場所連続全勝優勝の達成。阿覧、鶴竜、豊真将の活躍。マイナスは白鵬以外に優勝を争える力士がいない点、多くの謹慎力士・親方を出した点である。全体を通して熱戦が少なかった点である。<優勝パレード> 15日... -
白鵬の63連勝6 開催があやぶまれた七月場所
平成22年七月場所は暴力団がらみの野球賭博に関わった力士・親方が多く、開催があやぶまれた。朝青龍が引退させられたときは、大相撲を支えている力士の層は厚い、ということを言っていた方がいたが、さすがに幕内で解雇1人、謹慎6人、十両で4人出すと... -
白鵬の63連勝5 白鵬、連続全勝優勝を達成
平成22年五月場所の優勝争いは13日目で決まり、千秋楽は魁皇の通算勝利1000勝が見られるかが見所になってしまった。しかし、把瑠都(10勝5敗)がくずれればこうなることはわかっていた。三月場所の最後まで優勝が決まらなかったほうが例外で、今後は五月... -
白鵬の63連勝4 磐石からスキなしへ白鵬が無敵相撲
東京場所は年3回あるだけに、朝青龍不在の影響が出たようである。初日は空席が目立ったし、平日、特に前半はガラガラだった。友人の中には、朝青龍がいないなら、もう本場所へいくことはない、と宣言していたほどである。白鵬は初日から4日目まで、相手... -
白鵬の63連勝3 白鵬、全勝で13回目の優勝
平成22年三月場所は朝青龍の引退後初の場所になった。だが、満員御礼が8度出たということで観客動員に大きな影響は少なかったといえるのではないだろうか。千秋楽、協会挨拶のとき、朝青龍がいないことに対する不満をやじっていた者がいた程度だった。把... -
白鵬の63連勝2 把瑠都と全勝決戦
平成22年三月場所、関脇把瑠都は長足の進歩をみせた。3日目、把瑠都が稀勢の里を突き立て一方的に突き倒した。それは今まで見たこともない把瑠都の相撲である。以前の把瑠都の突っ張りは、どことなくすきがあり、ともすれば相手に飛び込まれかねなかった... -
白鵬の63連勝1 連勝は優勝なき場所から始まった
連勝。それは強豪力士のなかでも、ほんの一握りの選ばれた力士にしかなしえない至難の業。その一人に白鵬がいた。平成22年一月場所、横綱白鵬は12勝3敗で優勝を逃している。優勝したのは、横綱朝青龍である。そして、それが朝青龍最後の25回目の優勝であ... -
◆お知らせ 賢明な読者の皆様へ
土俵の目撃者をいつもご愛読いただき誠にありがとうございます。足を使い、この目で見た生の大相撲をお届けするため三月場所の7日目から千秋楽は場所後に掲載いたします。暫くお待ち願います。その間「白鵬の63連勝」に関するテーマをお届けします。興味...