大相撲

綱の重み2

2016年10月7日

横綱というと栄光に包まれた存在と思われ
がちであるが、それはごく一面である。大鵬
は「横綱は勝つことを任された存在」と言う。
師匠の元佐賀ノ花の二所ノ関は「ここで負け
れば、時代が変わるぞ」と大鵬を発奮させた。
大鵬はまた、「横綱は孤独な存在」とも言っ
ている。人間誰しも言えないことはあるが、
最高峰の対場になると、どんなに親しい仲
でも話せないことがある。横綱のつらさで
ある。
鵬
<王者大鵬>
 
柏戸は「野球選手は3割打てばいい。横綱は
10割を要求される」と苦しい横綱時代をふり
返る。佐田の山は成績が悪ければ、稽古で
土俵の砂にまみれた。やるだけやって、あと
は静かに天命を待った。横綱という地位に
応えるために苦悩はつきない。

北の富士の相撲ぶりを循環気質と表現した
のは、杉山桂四郎氏であった。燃える要素が
あるときは強さを発揮し、そうでないときは
平凡に終わることを意味した。

九重部屋が出羽海から破門独立したとき、
北の富士は元千代の山と行動をともにした。
その直後の場所、大関北の富士は初優勝
した。これによって大鵬は7連覇をストップ
された。次に北の富士が燃えたのが、新
大関清国の初優勝であった。「清国ひとり
に甘い汁をすわせない」と言って奮起した。
そして連続優勝を達成して、横綱昇進を
決定した。
北
<速攻北の富士>
 
その北の富士が不振に襲われたのが、昭和
47年の一月場所から七月場所だった。7勝7
敗1休、9勝6敗、3勝6敗6休。全休と進退
をかけるくらい追い込まれた。前年10月に
優勝を争い、切磋琢磨してきた玉の海の急死
が大きかった。好敵手を失い、気が抜けたよう
な空白状態であった。「もうひと花咲かせた
い、と思う反面引退の文字が頭に浮かんだ」
と言う。巨大な黒星が体を押さえ、汗びっしょり
になるほどの悪夢に襲われたことさえあった。

横綱になると黒星の重みがまるで違ってくる。
伝統・権威を維持していく裏には苦悩と綱の
重みが絶えず存在していた。

健康には腹八分ではなく七分がいいらしい。

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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