王者がいる現在ではおこりにくいのかもしれ
ない。しかし、綱の重みは歴然として存在
する。これまで横綱の重みが様々なカタチで
伝えられている。
(元横綱栃木山)に呼ばれた。誉められる
のかといってみると、「横綱はいつでもやめる
覚悟をもっていなければいけない」と言う。
それも「桜の花が散るごとくきれいにやめろ」
という。栃木山自身は3連覇して引退した
ほどである。元栃木山の春日野はこうも言っ
ている。「今までの3倍稽古しなければ、綱は
務まらないよ」「横綱は稽古でも負けてはいけ
たなあ、困ったなあと自分に綱が務まるか
た。これまでも若乃花の稽古はすさまじかった。
若乃花の稽古を直接見てきた小坂秀二氏は
次のように書いている。
けいこ量が増えていったことである。六十年
以上相撲を見てきた私だが、若乃花ほど
けいこする力士を見たことがない。その点は
栃錦もかなわない。ほかの力士はてんで問題
にならない。(昭和の横綱 冬青社刊より)
足腰を鍛えた」と言う。若乃花は横綱の権威を
「責任」と言った。横綱は常に優勝争いをし、
結果を残してこそ責任を果たせる。金星を
与えると協会に迷惑がかかるとも言っている。
相撲仲間には本当に助けられる。
感謝、感謝!
よしなに
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