大相撲

稀勢の里の変遷 6

2016年7月6日

平成21年五月場所、番付を東4枚目まで下げ
た稀勢の里の横綱・大関戦は、日馬富士、魁
皇戦のみであった。ここで13勝2敗と大きく勝
ち越した。この場所は端境期で、翌場所から
関脇を中心とした第2次三役定着期に入る。
09
<右稀勢の里 隣は把瑠都>
 
平成22年の三月場所のメモをみてみる。
明日の日本人ホープ、人材は豊富だ。稀勢の
里、豪栄道、栃煌山、土佐豊、琴奨菊…。しかし、
6日目まで見る限り、どの力士も突破力がない。
土俵をわかす熱戦も少ない。
稀勢の里の名前はあがっているが、この時点
では未知数であった。

平成22年の五月場所。この場所稀勢の里は8
勝7敗。
10日目のメモから。
次の大関を予想する。10日目を終えたが、10
勝が見えてきた力士は関脇・小結・前頭上位
にいない。素材は申し分ない力士はいるが、
短期間に大関が生まれる要素はみあたらない。
幕内にはスピード出世で入幕した阿覧、土佐
豊もいるが、まだ上位で勝ち越した経験がな
い。大関候補として、実力者で横綱・大関に
とって危険な相手である稀勢の里をあげたい。
あとは大勝ちするきっかけをつかむことであ
る。
ここで稀勢の里の名はでてくるが、きっかけが
必要である。
   

きせ対みつきA
<平成22年五月 琴光喜を倒した稀勢の里>

この場所中、場所後、野球賭博で暴力団に資
金が流れたのではと、角界は大揺れの連続だ
った。相撲部屋に警察力が入ったことさえあっ
た。琴光喜は、野球賭博内容悪質と判断され
たことで解雇された。翌場所の七月場所は出
場停止力士が多数出た。NHKの中継はなく、
短縮版が放送されただけであった。
野球賭博A
<野球賭博を報じるスポーツ報知>
 
暗いニュースばかりではない。白鵬は4場所
連続全勝優勝を達成して、双葉山の69連勝に
挑もうとしていた。71年(当時)たっても破れぬ、
誰も迫ることができなかった双葉山の連勝記
録にただ一人チャレンジしたのが、白鵬であっ
た。そしてこれにストップをかけたのが、ほか
ならぬ稀勢の里であった。

十一月場所メモから
十一月場所最大の焦点、白鵬の双葉山超えの
70連勝達成は63連勝で終わってしまった。九
月場所まで62連勝。さすがにここまでくると白
鵬も意識せざるをえない。白鵬の敗因は十分
に組み止められず、稀勢の里の張り手に熱く
なった。稀勢の里の寄りに内掛けも白鵬らしく
なかった。負けるときはこんなものかもしれな
い。殊勲の稀勢の里は休みなく攻め、白鵬に
右四つを許さなかった。妥協なき危険な相手
であり、実力者であるだけに連勝ストップの
可能性は高かった。
r連勝ストップA
<白鵬を攻めたてる稀勢の里 連勝を63でストップ>
 
白鵬はこの場所14勝1敗で優勝した。稀勢の
里がストップをかけなければ、5場所連続全
勝優勝で、連勝は77以上のびた可能性があっ
た。稀勢の里は値千金の歴史的1勝をあげた。

(この項目続く)

7月、名古屋の旅支度しなければ。

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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